2017/08/29
絵が可愛い〜

「福袋」
〜朝井まかて〜

『福袋』:朝井まかて(あさい):2017年6月20日:¥1600:講談社:茂原市立図書館
 1959年大阪生まれの朝井さんの本名が気になる。「まかて」って漢字だとどう書くだろう?
〜「ぞっこん」御前と呼ばれる筆が供養前に語る寄席文字を生業とする筆耕屋の話。「千両役者」大部屋役者に初めて付いた贔屓筋はしがない辛子屋。ひょんなことから大役が廻ってきて衣装を用意してくれたのはその贔屓だったが、評判になるか。手鎖を受けるか。「晴れ湯」三助が逃げて代役を買って出たのは十歳のお晴だが、遊び人の父親が連れてきた小僧があっという間に仕事を覚えて辞めたのは浮世風呂を読んだからだった。「漠連あやめ」古着屋のあやめは兄嫁のお琴が気に入らないが、何気なく渡された男物を宛ててみたら評判になり、漠連として評判になって気に入らない大店の娘・お八重を撃退したのは浅草では有名な漠連だったお琴だった。「福袋」乾物屋の娘が持参金の戻りなしに帰ってきたのは大食いの所為だが、迎えた弟自体も持参金を付けて嫁を里に戻したいため、姉を大食い競争に出し、思わぬ出世を遂げる。「暮れ花火」おようは羽織裏に絵を描く生業だが、深川芸者が黒羽織に描かせたいのは笑い絵で、修行中に描いた笑い絵を見せられて、昔の男を思い出しただけでなく、断りに行った先で昔の男にある羽目になる。「後の祭」籤引きで神田祭のお祭掛になった家主の徳兵衛に知恵を貸し、お伽噺で盛り上げる付祭になってしまったのも、困った事態に助けになったのも厄介な店子の平吉だった。「ひってん」金がなければ車を押して駄賃を稼いでその日を過ごす『ひってん』(貧乏)長屋の寅次と卯吉は行き倒れを拾って、礼代わりに貰った櫛を両国で売ろうとするが、工夫がなくて売れず、已めてしまおうという寅次に腹を立てた卯吉は長屋を飛び出し、十九文屋を成功させる〜
 共通するのは世の中の景気が悪くて仕方ないっていう庶民感情。59年生まれで世に出るまで何していたんだろう? 可愛い絵が付いて売れる要素はあるけど、短編集なんで、ちょっとがっかり。直木賞受賞作の「恋歌」は長編なのだろうか? なるほど、表題作が秀逸だ。大阪の人なのに、江戸の話なんだね。十九文屋は今の百円ショップだね。一文25円だとすると、500円のワンコインショップかぁ

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最終更新日 : 2017.08.30

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