2017/02/09
〜あーあ終わちゃった

「天の梯」
〜高田郁〜

『天の梯』:高田郁(たかだ かおる):2014年8月18日:\620:角川春樹事務所:県立M高校図書館9
 みをつくし料理帖の10最終巻
〜重陽に翁屋は吉原に帰るという。合わせて鼈甲珠を卸し始める。美緒は日本橋から中坂に来て銭両替を始め,澪は小火を出して借り手の付かない元の蕎麦屋を格安で借りる。政吉は澪には敵わないと思いつつ,自然薯尽くしの中でも薯蕷蒸しに自信を持ち,客にも受け入れられた。一月限りでお城の徒組に20文で提供した弁当はマグロの漬けを煎餅の粉を付けて揚げたもの。評判は評判を呼び,源斉の母が一つだけ注文しに来たが,留守番をしていたふきが酢の物を色絵付けの器で出し,源斉の母は吐き出して事なきを得た。政吉の自然薯蒸しは親父泣かせという名で張出大関の地位に就いた。一柳に残された小さな蓋付き器の中身は仄かに甘い。知らない味だが、落とし主は現れないため番所に届けると、店主の柳吾が留め置かれて調べを受ける事態となった。源斉の師の労咳に効くという酪の話を聞いている内に、白牛の乳を盗んで酪を作って密売している者がいるらしい。将軍自らが酪の効用を説いているため、作るだけでは罪に問われないというが、かつて作ったのは若旦那の佐兵衛で、作らせて売ったのは登龍楼の采女宗馬だった。登龍楼は潰され店主は逃げ、佐兵衛は解き放たれた。その裏には御膳奉行の助言もあったのだ。あさひ太夫が実在することが知れ渡り、落籍を早くしなければならなくなり、摂津屋は4千両の算段を澪に求める。考え抜いた末、澪は鼈甲珠の作り方を翁屋に売ることを思いつく。野江を取り戻した後どううべきか,源斉に相談すると大坂に行け・士分を離れるからそこで夫婦になって欲しい・と…野江の旅立ちに華を添えたのは懐かしい大坂の菓子・粟おこし,身請けの名義は野江の生家・高麗橋淡路屋だった〜
 ああ,終わっちゃったねぇ。半分まで読み進めても四千両までの道のりが遠くて,どうしようと途方に暮れたが(?)…酪ってチーズかと思ったが、バターだった。製法を売るとは思いつかなかったが、特許や実用新案が認められていない世界では、すぐに秘訣は広まっちゃうだろうなぁ。日本独自の色の表現や髪型(こちらは余り興味ない),料理への細かい心遣いが良い・物語でした。巻末に綴じられた東西料理番付で東の大関はつる屋・西の大関はみをつくし,登龍楼の名はなく,勧進元は一柳改メ天満一兆庵…粋な謎解きです

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最終更新日 : 2017.02.09

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