2016/06/23
〜直木賞作家

「眩」
〜朝井まかて〜

『眩(くらら)』:朝井まかて(あさい):2016年3月20日:\1700:新潮社:茂原市立図書館
 葛飾北斎の娘・栄の物語,表紙の絵は「吉原格子先之図」で西画風
〜絵師に嫁げば好きなだけ絵筆を執れると思ったが夫の吉之助は絵を見て気に入らず,家を飛び出して親爺殿の許に帰った。カナアリアは馬琴が置いていったもので,小僧の五助が可愛がっているが,栄にとっての地獄の使者・甥の時太郎が逃がしてしまった。親爺殿の弟子・善次郎は絵の腕を競い合った仲だが,揚羽の黒色を出したいと連れて行かれた吉原で芸者になった三人の妹の音曲を聴いた。オランダの先生・シーボルトから西画で江戸の暮らしを描く注文が入り,栄は花魁と禿を担当したが,出来はイマイチで,出島に出入りする絵師には何かをやりたい意気を感じると見透かされてしまった。善次郎の妹・ゆきの祝言で,姉さん芸者・滝の手踊りを観て幸せな気分を味わったが,帰ると親爺殿が中気で倒れていた。母・小兎は甲斐甲斐しく世話を焼くが,やる気を出させたのは滝沢馬琴で,柚を摺って呑ませろと置いていったが,馬琴に教えたのは善次郎で,半年後の回復と引き替えに母が息を引き取り,栄は善次郎と理無い仲になる。いつまでも続けられる仲ではないが,二人を引き裂いたのは火事だった。すっかり回復した北斎親爺は孫が世話になっている西村堂の窮地を救う一大博打を,富士山の絵で成し遂げた。親爺殿が小布施に出掛けている最中に訪ねてきた善次郎は夜桜美人図なら井戸を書き込まないと意趣が通じないと云うが我を通してみた。三曲合奏図はどうしても善次郎の三妹が気になるが,善次郎の訃報を聞いて俄然描く気が燃え上がる。親爺殿絶筆になる富士越龍図は,客が絶えた正月明けに五助がやってきて,手伝って仕上げたものだ。御家人になった実弟の役宅に住まうようになったが,義妹が煩く,吉原格子先之図に自分の名を描いて,聖天町に帰ろうと決めた〜
 大阪の人なのに江戸の画家の娘の話かい? ま,ストーリー・テルは上手だね。女の心は1959年生まれでよく知っている・2014年の直木賞作家

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最終更新日 : 2016.06.23

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