2015/12/08
カミキリ屋さん〜

「生物学の「ウソ」と「ホント」」
〜池田清彦〜

『生物学の「ウソ」と「ホント」』:池田清彦(いけだ きよひこ):2015年3月20日:\1300:新潮社:県立M高校図書館
 副題:最新生物学88の謎 なかなか面白い先生だが,専門は昆虫かなぁ
〜史上最大の生態系破壊者はシアノバクテリアで,光合成を始めて有毒な酸素を造り出した。花粉症の仮説@花粉と排気ガスが反応したA道が舗装され落ちた花粉が再び舞う。アレルギーの原因であるIgEと呼ばれる抗体は対寄生虫用の武器だったが,回虫がいなくなって花粉に反応している。哺乳類が長生きできないのは,テロメアという染色体の末端が細胞分裂の度にきれて,ヒトだと50回(ガラパゴスゾウガメのヘイフリック限界は100回,ウマ30回,マウス10回)分裂するとなくなるから。哺乳類は爬虫類単弓類の一種。双弓類は多様性を持っている。トンボは原始的で翅脈が複雑,アリ・ハチの膜翅目・ハエ・アブ・カの双翅目の模様は単純で飛ぶのは双翅目が上手。金魚は液体窒素に漬けて瞬時にフリーズさせ,常温の水の中へゆっくりリリースすると泳ぎ出すが,人間は瞬間冷凍できるほど小さくない。水鳥についているウイルスは滅多に発病せず,ニワトリに入ったものとヒトに入ったものが同時にブタに感染すると新種のウイルスに変貌する。ストレスで免疫力が弱くなる。雄なしで作られたコモドドラゴンの子が雄なのは,雌の性遺伝子がヘテロでZWだから。雌は遠い雄に惹かれる傾向があるため,世界の日本人妻は見た!となるのだ。牛はバクテリアや原生動物を使って草をタンパク質に変え,馬は炭水化物を摂りすぎるので運動してカロリーを消費する。人間は元々肉食であったが,炭水化物を摂るようになって休みなく働くようにならざるを得なかった。セーラー服はミューラー型擬態で,このパターンに手を出してはいけません(鳥もオジサンもバカだということ)。ダイオウグソクムシというのは海底に棲むダンゴムシの仲間だが体長45cmになる。都市部ではスズメやツバメが減少しているが餌の虫が減少しているせいか。カラスは増え,オオタカもカラスを餌にすることを覚えて増えている。オオタカは追ってくるカラスが一羽になったところで襲いかかり,水の中に突っ込んで溺死させる。生まれたての赤ん坊の脳細胞は1200億個,2歳児は200億,刺激を受けた細胞は大きくなり他は働かなくなり,成人の脳細胞は120億個。結核菌は9千年前に出現し日本には3世紀に到来。ガンは悪性なら転移しているし,良性なら転移しないので,放っておく方が良く,医者に通わない方が長生きできる。日本の百歳以上の高齢者は今や6万人〜
 DNAの話とか免疫の話はややこしく,専門的なカミキリ虫の名前は判りにくくて困ったが,エッセイだから,野暮に,細かく内容は書きたくない。おっ,と思わせるおもしろ話題がある。この先生はどうやらカミキリ屋らしい。養老孟司も出てくるがムシ仲間だ。夕刊フジに「今宵学べる生物学」で2013.4.6〜2014.12.27連載

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最終更新日 : 2015.12.09

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