2015/10/06
〜南伸坊の絵かぁ〜

「まったなし」
〜畠中恵〜

『まったなし』:畠中恵(はたけなか めぐみ):2015年6月15日:\1300:文藝春秋:県立M高校図書館
 まんまことシリーズ第五弾
〜隣町の祭りのための寄進が今年に限って集まらないのは,出来る手代がいる間は店も余計な口出しをしないが,若い跡取りが一人になると,町名主の心構えを言われて嫌気が差し,そうそうに引き上げてきたからだった:消えた仔犬が発見された場所と火事の因果関係は,犬を探して長屋の奥に入り込み,煙管の火でで空き家に火を付け,小火を起こしていた,まだ幼い大工の跡取り見習いだった:大江戸とは思える見知らぬ景色から帰る方法は,麻疹もどきに掛かっているからだが,船に乗せられそうになり,上流へ向かえば良いと気がつく:幼い子どもを悪名高い高利貸しに預けたのは一体なぜ:父である棟梁の弟子と結婚することになった娘は婚礼用の白無垢の仕立てを弟子が付き合っていた針子に依頼したが,染みを付いていた。雨の染みでないとすれば誰が付けたのか…娘の兄は大工だったが,弟子は身を引き,縁談は破れた。自分の地位が危ういと自棄になり,上酒を思わず掛けて染みを拵えていたのだ。かというと:親友・清十郎の縁談が一向に進まなくなった理由は,清十郎の義母・お由有に再度嫁がれては,思いが遂げられないと焦った幸太の実の父・横平屋の達三郎が上方から帰ってきて,清十郎の昔付き合った女達が,お安では地味すぎてダメだと騒いでいると思わせる細工をしていた。早く縁づいて,手出しが出来ないよう,金貸し・丸三の妾・お虎は派手な着物を見繕い,化粧を施して,清十郎の前に連れ出し,好いていると言わせることに成功した〜
 シリーズの流れを掴めていなくって,忘れても良いように粗筋をまとめておいて良かった。麻之助の妻・お寿ずが死んだのが第三作で,娘を産んだが母娘共に死んでしまったのだ…そうだったのかぁ…この本の関連図でまたお寿ずが出てくるから生きてるかと思っちゃったじゃないか!けしからん! この本では終始,清十郎の縁談で,同心見習いの吉五郎の出番は少なく,影も薄い。麻之助とお由有の経緯が改めて判った。お由有は札差・大倉屋の妾腹の娘で,麻之助が好きだったが,二つ年上なので遠慮していた…麻之助から文が来たと喜んで上野に出掛けていったら,連れ込まれて手籠めにされ,子どもを身籠もった…こどもを産む決心をして,跡取りがいる八木家の後家に収まった…当時16の麻之助には,人の子を我が子として育てる決心は出来なかった…って訳でした。妖怪は出てこなくて,全体に暗い話で,お気楽モノと言われている麻之助も悲しい過去を引き摺っている…んで,楽しくない!!! そもそも,八木清十郎は本文で設定されているキャラと,挿絵・TV俳優のイメージとも外れているんじゃないか? 喧嘩に強うそうじゃないゼ!

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最終更新日 : 2015.10.06

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