2015/08/18
私小説って分野〜

「無銭横町」
〜西村賢太〜

『無銭横町』:西村賢太(にしむら けんた):2015年2月25日:\1300:文藝春秋:茂原市立図書館
 嫌悪感を催させるというのもテクニックか?
〜『菰を被り夏を待つ』横浜での心機一転を図った貫多は造園業のアルバイトをしくじって,掛け布団をゴミ袋に詰めて,椎名町に戻ってきた。『邪煙の充ちゆく』秋恵と暮らす貫多は,リビングで煙草を吸わなかったが,決心した三日目にリビングで吸い始め,一週間で寝室でも吸うようになってしまったが,慣れているからという秋恵の一言に反応してしまったのだ。『朧夜』『酒と酒の合間に』お笑い芸人の書いた本が文庫になる際の解説を依頼された貫多は,些細な性犯罪を起こして一家を離散に追い込んだ父が神宮球場で,外国人選手から必死になってサインを貰ってくれたことを思い出し,一気に書き上げた。『貫多,激怒す−または「ある中年男の独語」』「その夜の,北町貫多の腹の底より湧き上がる怒りと云うのは,なまなかのものではなかった。慊かった。まったく,慊かった。いったいに,…根がエチケット尊重主義にでき,人一倍礼節を重んじる質にできてる彼は,畢竟この怒りには,はな,」『無銭横町』二十歳の貫多は7ヶ月も滞納した家賃と立ち退きを家主から求められ,町田の母親にたかろうとしたが果たせず,やむなく400円の文庫を百円で売って,55円の即席蕎麦を水で食い,私小説家の全集を1万2千円で売って,次の宿を借りる算段がついたが,古書店の目録に書かれた本を買うための懇請を送るための葉書を買い求めた〜
 私小説ってのは,ややこしい。編集者でもフィクションであることを忘れてしまう。嫌だね。自分史を書けば,超大作ができるけど,それやっちゃったら,死ぬまで出来るか!しかし,誰が読む?

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最終更新日 : 2015.08.18

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