2015/07/31
〜ゼンは将軍になっちゃった!〜

「マインド・クァンチャ」
〜森博嗣〜

『マインド・クァンチャ』:森博嗣(もり ひろし):2015年4月25日:\1800:中央公論新社:県立M高校図書館
 The Mind Quencher
〜馬の息が聞こえ,小屋が囲まれたことに気が付いたゼンは,トビヒと名乗る武士に命を貰うと言われた。軍勢に囲まれたゼンは,追いつめられ,赤い面を被ったアカシの力量を読み,自分が及ばないことを悟ったが,相手の出方を必死で読もうとしたが,数カ所を斬られ,敵わないと覚悟し,崖縁から下へ飛んだ。次に気が付いたのは,野原で横たわっている状態だったが,名前も何も思い出せない。十くらいの少年はケジロと言うが,その姉・マサイは人も通わない山間で貧しい暮らしをしているが,山の奥の仙人が薬や食い物を置いていったと言い,自分は武家であって,あなたも一廉の武士だという。川で魚を掬うケジロに付いていくと,刀が滝壺にあるという。泳げるか否か分からないが,潜りを繰り返す内に,刀を拾うことができ,その刀で,ケジロを襲ってきた熊を撃退することもできた。刀を持つと落ち着く。川縁で倒れていたのは一月前だと言うが,どうやら滝の脇から落ちたらしい。滝の上に道を辿り,小屋の中で草鞋を見つけると,これは自分のものだということが分かる。一晩,小屋で泊まり,マサイの小屋に帰ろうとすると,影が語り掛け,自分をゼンノスケと呼び,マサイの小屋が盗賊に囲まれているという。盗賊は11名,頭はケジロと同じように白髪だ。ゼンが預けておいた金をタンバという盗賊が持ち去ろうとすると,マサイは自分の弟・ケジロに小刀を向け,撃退しようとするが危ない。ゼンはマサイに,タンバらを斬って良いか訊ねると頷き,あっという間に,11名を冥途に送った。翌朝,武器も遺体も一人で土に返し,その翌朝は都に通じる里・宿場に出向いた。馬問屋では,赤い鞘を持つ侍が来たら渡せと預かっている文を渡されたが,どうやら私の名はゼンで,手紙を残した三味線弾きはノギらしい。宿屋に泊まり,様子を見るが,マサイの小屋に戻ろうとすると,馬問屋から盗賊に奪われた馬が還ってきたと礼金を送られたが,ナナシによると,都から役人がやってくると言う。こうなったら,役人が待ち構えている道を辿らず,北から都へ至ろうとして,ノギが待つというちえんてらに行き着いた。住職は,若い僧に剣術の手ほどきをしてほしいと願ってきた。不遜な物言いだが,相手の剣を受けたりかわしていては,いずれ倒されるから,無念無想で相手の太刀筋と同じ場所を素早くなぞってより遠く速く剣を走らせて,敵を倒すしかないと言ってしまった。都に出て最初に声を掛けてきたのは,マサミチと名乗る。天下人の対する軍勢が整い,天下人は東の御殿に退いたという。トビヒの顔を確認しに宮に出向き,御前試合を見物するが,検分役のトビヒが気になり,思わず試合場に乗り出してしまい,トビヒと真剣の試合を行うが,無念無想の一太刀でトビヒを倒し,到底敵わないと踏んでいたアカシも一太刀で倒した。マサミチに連れて行かれた料理屋で待機し,眠っていると,迎えが整ったと言われ,自分は上様と呼ばれる。数千の行列で堀を越え,幾つも城門を潜り,供が減っていく中,玄関で迎えに出たのは母・茜の丸だと直感で分かる。天下人は出家し,ミカドの前の儀式で正式に自分が,その地位に就いたが,誰でも良いような気がする。ある日,お付きの女性が体調を崩して伏せっており,母は影武者を立てるべきだと言う。外に出ると言っても,すぐ近くでの鷹狩り。ナナシがノギが母と面会しているという。押しかけると確かに自分を見知っているノギという女性なのだろう。金は不要で都を出て行くというが,名残に三味線を鳴らして貰った。その夜,芸妓が呼ばれて歌舞音曲を味わうが,その夜,影武者に留守を命じ,次々に現れる門番に門を開けさせ,堀を泳いで越えて,チエンテラでノギと再会を果たす〜
 いやすもの?心を抑制する? ヴォイド・シェイパシリーズは,この5冊目で終わりだろう。将軍とは双子で,母によって担ぎ出された。ミヤコというからてっきり京だと思っていたら,江戸で…しかも天皇も居る? まっ,架空の国の話だろうけど。ミヤコには田も畑もないというが,それも架空の話ですね。カバーの写真は何だろうと思っていたが,当然の桜で!そう,桜って満開で撮っても,こんなもんなんだよね。目に映るというか,日本人の頭の中で再生される桜って,フィルターが掛かって居るんだよね。「無効の型削り盤」「血を掬うもの」「頭蓋破壊者」「霧隠れ」そして「無心」?

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最終更新日 : 2015.08.01

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