2015/07/29
〜長大!〜

「教団X」
〜中村文則〜

『教団X』:中村文則(なかむら ふみのり):2014年12月20日:\1800:集英社:県立M高校図書館
 これで1800円とは,値段の基準は何なんだろう?
〜30代の楢崎透は立花涼子を探し求めて松尾正太郎という宗教家?の屋敷に行くが,教祖?は痔で入院中。吉田という坊主,峰野という美女,よっちゃんという奥方が居る。第二土曜の集会で松尾が話しているDVDを見ている内に,松尾と同じ師を持つ沢渡という宗教家の元に立花はいると知る。松尾の許から,高野君という男が沢渡の主催する教団Xに連れて行かれ,代わる代わる女と性交を繰り返す。スパイとして楢崎は連れ戻されるが,松尾の生い立ちを知り,量子の揺れと運命論が染みこんでいく。高野は父に捨てられ絶対的な飢餓を経験し,当時の父の彼女だった立花の母に救われ,13歳で恋人同士になった義理の兄弟だ。涼子は実に父の悪口を言われ続け,責められ続けていたのだ。高野はアフリカでNGOの活動中に現地を食い物にするODA企業に抗議しようとして原始宗教団体に拉致され,殺されそうなところを教祖に救われ,テロリストとして育てられたが,テロ直前で逃げ出した。日本でも死人のでないテロを企画し,資金を教団Xに求めていた。勿論,教祖には内緒だ。沢渡は系列病院を経営する医師の父の許から,発展途上国の無医村で診療にあたり,13歳の少女の結核を治して陵辱し,ついには心臓手術中に心臓に傷を付けて殺してしまった。自動的に貯まる資金を使って,性産業から娼婦を救い,自分の所有するマンションを教団の拠点にしている。高野の意図など既に承知していて,途中からテロ計画を乗っ取る。松尾は最後の説話を残して家に帰る途中で病死し,沢渡はマンションの21階で炎に包まれながら頭をピストルで撃ち抜いた。公安がテロを煽って,日本を全体主義に向かわせようとしていたが,死人は二人,教団が機動隊に囲まれながら手にした武器も模造銃だった。高野は上司から後を託された30代のハンドルネーム・子育て侍にピストルで撃たれるが,それをスマホで撮っていた立花の動画で世の中に知らされてしまう。松尾の平和主義が受け継がれるか?〜
 いやいや,確かに中村君37歳のすべてを読んだような気がする。最後の最後にフィクションだ!と書いておかないといけない怖さを感じる。p200の『「聖書」として編纂されました。中には当然,当時の教会に則さないものもあった。』…「則さない」ってこうやって使うんだっけ?

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最終更新日 : 2015.07.29

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