2015/07/23
〜多少は理解できた

「自閉症の僕が跳びはねる理由」
〜東田直樹〜

『自閉症の僕が跳びはねる理由』:東田直樹(ひがしだ なおき):2007年2月28日:\1600:エスコアール:県立M高校図書館
 副題:会話の出来ない中学生がつづる内なる心−巻末:短編小説「側にいるから」
〜1筆談とは<お母さんが考えてくれた文字盤で意志を通じさせることで今はパソコン・話すという神経回路は使い慣れない>2大きな声は<独り言が反射的に出るのだ・呼吸と同じように>3同じことを尋ねるのは<聞いたことを直ぐ忘れてしまうからで,言葉のキャッチボールとしての遊びの要素もある>4質問されたことをオウム返しするのは<場面として思い出そうとするため>5何度言っても分からないのは<やっているときは前のことが思い浮かばない>6小さい子相手の言葉は<赤ちゃん言葉は嫌だが難しい言葉を使って欲しいわけでもない>7独特の話し方は<話しながら自分の言いたいことを纏められないため>8返事が遅れるのは<なぜか分からないけど,時間が掛かるのだ>9言葉をよく聞けば良いかというと<はい・いいえも言い間違えることがあるから,余り信用しないでほしい>10上手く会話できない訳は<関係ない言葉がどんどん出てくるのが不思議,体さえも自分の思い通りにならない>11目を見て話さない理由は<相手の目が怖いからで,見たいのは人の声>12手を繋ぐのは嫌いなのかというと<嫌いじゃないけど,他の気になるものを見掛けると手をふりほどいてしまう>13ひとりが好きかというと<嫌いなわけがなく,自分のせいで他人に迷惑を掛けているかも知れないと思うと,つい一人になろうとする>14声を掛けられて無視するのは<直ぐ近くでも気がつかないから>15表情が乏しいのは<楽しいおかしいが皆とは違うからだと思う>16体に触れるのが嫌いかというと<僕は大丈夫だけど,良い気持ちがしないから嫌いだという人もいる>17バイバイの時に手のひらを自分に向けるのは<真似が難しく,自分の目で見て確かめられる部分を動かすことが最初の模倣であるから>18ハイテンションはうれしさの表れかというと<思い出し笑いの強烈なものと思ってほしい>19フラッシュバックって<バラバラの記憶がついさっき起こったように頭の中で再現され,嵐が起こる>20少しの失敗も嫌なのは<感情が抑えられないからで,津波が押し寄せる>21言われて直ぐやらない理由は<何をやるか・どうやるかイメージする・最後まで自分を励ます・という気持ちの折り合いが付かないから>22何かをやらされるのは<嫌いじゃない,見ていてくれると強くなれる>23一番辛いのは<自分のせいで悲しんでいる人がいること>24普通の人になりたいかというと<自分を好きになれるなら,普通でも自閉症でもどちらでも良い>25跳びはねるのは何故かというと<気持ちが空に向かっていて,縛られた縄をふりほどくよう籠の鳥のように羽ばたきたい>26空中に文字を書くのは<覚えたいことを確認するため>27耳を塞ぐ理由は<人が気にならない音が気になるから>28手足の動きがぎこちないのは<手足がどうなっているのかがよく分からないからで,手足がどこに付いていてどうやったら思い通りに動くのか分からない・触覚にも問題があるかも>29みんながしないことをするのは<気持ちが感覚の異常を引き起こしているのではないかと>30痛みに敏感だったり鈍感だったりするのは<ジグソーパズルのような記憶の中に他のピースが混じって今までの記憶が壊れる>31偏食は<自分で食べ物だと感じたもの以外は食べても美味しくない・美味しいと感じられるまで時間が掛かる>32ものを見るときは<最初に部分が入り込んでしまう・普通は全体から>33衣服の調整は<暑くて倒れそうでも服を脱げば良いと云うことを忘れてしまう>34時間の感覚は<区切りがなくて戸惑う・次の一瞬,自分が何をしているか不安>35睡眠障害はなぜ起きるのかというと<分からないし,時間が経てば直るかも>36ものを回すのは<回転するのが刺激的で規則正しく動くから>37手のひらをひらひらさせるのは<光を気持ちよく取り込むため>38ミニカーを一列に並べるのは<並ぶのは愉快で快感>39水の中が好きな理由は<静かで自由で幸せだからだが,僕たちは原始の感覚を残したまま生まれた人間だから,そこに帰りたいのだと思う>40TVCMが好きなのは<別に好きじゃないけど繰り返し見て短いし,結末を知っているから安心>41好きなテレビ番組は<お母さんと一緒,ストーリーが単純で安心>42時刻表やカレンダーを覚えるのは<数字の意味するものが単純明快で好きだからで,曖昧な表現は苦手>43長い文章が嫌いなのは<根気がなくて苦手なだけで嫌いじゃない>44競走が嫌いなのは<速く走るためにどう動かしたら良いか考えていて手足が停まっちゃい,順位を付けるまでは理解できても勝つと言うことの楽しさが分からない>45散歩が好きなのは<自分の命と同じくらい緑が好きだから>46自由時間は<いつもやり馴れていることをして安心していたい>47楽しみは<自然相手に遊ぶこと>48すぐにどこかに行ってしまうのは<タイムスリップみたいに,いつの間にか体が動いている>49迷子になるのは<その場所の居心地が悪いから・森の奥深くとか海底だと良いのに>50家出のわけは<何かに誘われるとしか言えない>51繰り返し同じことをするのは<脳が要求するからで,それに従わないと地獄に落ちるような感覚>52何度注意されても分からないのは<官でしたようなピリッとした刺激がある>53こだわりは<こだわりが他人の迷惑にならないなら放っておいて,迷惑なら周りの人の力でやめさせてやってほしい>54合図がないと動かないのは<信号が青にならないと横断歩道を渡れないように,どうぞ・いいよ・でようやくスイッチが入る>55いつも動いているわけは<魂が体から抜け落ちるような不安で,出口を探しているから>56視覚的なスケジュールは<強く記憶に残りすぎて気になるのでやめてほしい>57パニックになるのは<複雑な感情は持っていて繊細なのだ>58自閉症についてどう思うかというと<自分が作った物語だけど,文明の支配を受けずに自然のまま生まれてきた人なのだ>:短編小説「側にいるから」スーパーに行く途中で車に撥ねられた僕は嘆き悲しむママが気の毒で生まれ変わりを神様にお願いした〜。父の暮らすマンションで鍋パーティーをやると計画して,両親が話し合いの機会を持つという作戦も通じそうにない。祖母と曾祖母から,洋子が結婚するという報告がもたらされる〜
 会話はできないけど,筆談は出来るようになった1992年生まれの男の子が中学時分に書いた。7年で18刷を重ねる。短編小説はよく書けていた。あらすじを書いたら35字程度だけど

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最終更新日 : 2015.07.23

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