2015/07/0
お奨め本らしいんだけど

「ペンギンが教えてくれた物理の話」
〜渡辺佑基〜

『ペンギンが教えてくれた物理の話』:渡辺佑基(わたなべ ゆうき):2014年4月30日:\1400:河出書房新社:県立M高校図書館
 バイオロギングという手法
〜鳥,マグロ・サメなどの魚類,クジラなど哺乳類は片道5千キロから1万キロの大移動をしている。鳥は中〜高緯度の偏西風で東に飛び,低緯度の貿易風で西に飛ぶ。高緯度地方のオキアミなど大量発生で地球の南北を移動する。鳥は終わらない夏を享受できるが海の生き物は阪急内の南北移動だ。大洋を泳いで横断する猛者は体温の高いマグロ類とネズミザメ目のサメである。バイオロギング機器には@人工衛星に電波を飛ばしドップラー効果で測位するアルゴスシステムA鳥に使われる1年間の照度を記録し天測の原理を使ってアラク測位するジオロケータB魚の追跡用で,設定した日に切り離され水面に浮かび人工衛星にデータを送るハイブリッドのポップアップタグがある。息をこらえて泳ぐ動物でホオジロザメ,エンペラーペンギン,シロナガスクジラが平均8kmで及ぶ。大きな体の動物ほど速く泳ぐ。ダイビング界の優はウェッデルアザラシは300〜400を繰り返し潜っていて,1回20分ほど,最深は741m長さ67分。ゾウアザラシは1753m,マッコウクジラ(脳油を冷やしたり温めたりは外れらしい)は最深記録は2035mだが,外洋性のアカボウクジラ科はもっとだろうし,アカウミガメは10時間潜水する。アザラシは息を吐き出して,肺が潰れて容積が小さくなると重力に従って沈み,必死で浮かび上がってくる。インドガンは大きな肺や有酸素運動に特化した筋肉という体質で負担を小さくするコースとスピードで羽ばたいてヒマラヤを越え,ハチドリは小さな体と大きな心臓と胸筋を持ち花の蜜という糖分の塊を摂取することに特化。アホウドリは長い翼で多くの空気をゆっくり動かし,減速しながら舞い上がり,加速しながら舞い降りる振り子運動をする。羽ばたきは,翼の周りに前縁渦という特殊な渦を発生させている。アホウドリは46日間で地球を一周,ウェッデルアザラシは1時間近く息が止められ,クロマグロは太平洋の端から端まで横断し,グンカンドリは三日三晩着地することなくふわふわと舞い続ける〜
 生態学に物理の考え方を導入した方が良いってことをペンギンから教えて貰った?? ま,いいや。著者は1978年生まれの国立極地研究所の助教。飛ぶ鳥の対空速度を測る方法を鵜の泳ぐ速度の研究失敗から学んだ。バイオロギングの明らかにした野生動物のダイナミックな動きを紹介し,その背景にあるメカニズムや進化的な意義を明らかにすることをペンギン物理学と勝手に名付けてしまおう。3章の扉写真に使われているワニの話ってなかったような…

7月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2015.07.09

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送