2013/12/13
ふ〜疲れた〜

「光」
〜三浦しをん〜

『光』:三浦しをん(みうら):2013年10月25日:\600:集英社:県立M高校図書館
 疲れる。単行本は2008年刊。解説の吉田篤弘は「まいったな」
〜人口250人余りの美浜島に住む14歳の信之は唯一の同級生である美花と灯台守の爺さんからコンドームを買ってセックスをすることで頭が占められている。金魚の糞の様にまとわりついてくる輔が邪魔だが,父親の洋一から虐待を受けているのは誰でも知っているても,小さな島内で誰も止められない。美花の家は宿屋を営み,バンガローも持っているが,それが逢い引きの場であるが,客がいるときは使えない。嫌らしい目つきで美花を見る客が帰れば欲望を充たせるが,予定を延ばされ,学校の裏山にある神社で深夜に会う約束をしたが,暴力父が客を乗せて夜釣りに出掛けた輔が付いてくる。津波がやってきた。山にいた信之と美花と輔,船に乗っていた洋一と山中という客,灯台守の爺さんしか生き延びなかった。こんな状況でも山中は美花に言い寄り,遂に乱暴を働いている場面を見て逆上した信之は,カメラマンで芸能事務所を紹介するという山中の首を絞めて殺し,崖下に放り出して,島を離れた。二十年後,信之は高校を出て川崎市役所に就職し妻と娘を得た。美花は中堅女優だ。島を離れて以来,連絡先だけは伝えたから,困ったことが起こったら,報せて来るに違いない。輔はプレス工になって父親の許を離れて放浪しているが,兄と慕う信之に擦り寄りたい。新聞に載った記事を見つけて尾け回して,家を突きとめ,妻を尾行して,家庭生活にも不満を持っていると踏んで,幼児教室の待ち時間に接近して,アパートに誘うと,あっさりと関係が出来て,週に一度は通うようになってきた。信之に接触する手掛かりを掴んで連絡すると,信之の反応は薄い。幼稚園に通う椿という娘が変質者に悪戯されたからでもあるが,気持ちは美花の方にあるからだ。がっかりする輔の許に父親の洋一が現れ,灯台守の爺さんが山中を殺して偽装したのはお前の息子だという遺言を遺したからだ。暴力を振るうと,逆らえない輔は,あっさり信之と美花のことを話し,金を引っ張り出せと命令され,信之は美花から300万を預かっても,それを使わず,自分の預金を引き出して輔に与え,好きなだけ酒を飲ませ,睡眠薬も与えるように指示し,アパート階下の空き部屋に潜り込んで,殺す機会を狙う。墓穴を掘ったが,洋一は酒に溺れて自滅した。輔は洋一が換気扇に隠した手紙と写真を探り出し,保険の為に,付き合っている工場の女従業員の名前で,証拠を信之の妻・南海子に送っていた。穴が見たいという輔は階下で,信之に殴り殺され,シートに何重にも包まれ,スーツケースに入れられて埋められた。美花に報告に行き,1週間は共に過ごしたが,2週目に入ると美花が距離を取るようになり,美花の口から真相を告げられる。夫の犯行を知った南海子は失踪届を出して信之の出自を知り,輔の手紙で20年前の事件も知る。2週間後に帰ってきた夫は何事もなかったように,普段の生活に戻り,久し振りに美浜島近くを通航路が再開され,家族三人で島を眺める〜
 こういう物語も書いていたんだねえ。大した妄想力だ。一の語り手は信之,二は南海子,三は輔,四は信之,五は南海子。なるほど,こういう語り口もあったかぁ。まだ続きがありそうな予感を残して終わっている

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最終更新日 : 2013.12.13

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