2013/10/14
戴けない〜

「政と源」
〜三浦しをん〜

『政と源』:三浦しをん(みうら):2013年8月31日:\1400:集英社:東部台文化会館
 頂けないのは装画で,装幀は素晴らしい
〜国政は隅田川と荒川に囲まれたY町に生まれ,疎開後に焼け野原になった故郷に帰ってきたが,幼馴染みの源二郎はつまみ簪職人として戦争中も残り,肉親を失った。大学を出て銀行に勤めた政は,源の大恋愛を駆け落ちの形で助け,その後見合い結婚をして娘二人を得たが,仕事に没頭して家を顧みず,73歳の今は横浜で結婚生活を送っている娘の所に妻は行ったっきりで,一人暮らしを余儀なくされている。源は40代で最愛の妻を亡くし,子供もいないが,20歳の徹平という弟子を迎えて,その恋人である美容師のマミも出入りして賑やかに暮らしている。風邪で休んだ徹平は,昔の悪仲間に嚇かされ,源と政は暴力でこれを撃退した。台風の最中にぎっくり腰になった政を気遣った源に世話になり,一人暮らしの侘びしさを思い知らされ,七五三の祝いにつまみ簪を孫娘に送っても写真が一枚送られてくるだけだった。徹平は七歳上のマミと結婚を考えているようだが,双方の親が納得しない。徹平はつまみ簪の技で,今風のアクセサリーを作り始め,師匠である源もまんざらでもなさそうだ。正月も一人で過ごす政は,源と徹平に招待されるが,いそいそと出掛けたりするのも癪で,妻も連れ戻せと源に言われ,正月三日に横浜を訪ねるが,けんもほろろに追い返された。徹平とマミは結婚すると言い,仲人はちゃんとした人ということで政が頼まれるが,妻は承伏せず,せっせと葉書を書き送った。死ぬのかと心配して妻が訪ねてきて,仲人だけは引き受ける。離れて暮らしても,家族の幸福は祈れると国政は思うのだった〜
 装幀と初期設定は面白いのに,ストーリーには山がなく,テーマは家族愛。少女漫画風の装画がイマジネーションの発露を疎外している。残念

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最終更新日 : 2013.10.14

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