2013/08/01
デビュー作〜

「千葉県立海中高校」
〜青柳碧人〜

『千葉県立海中高校』:青柳碧人(あおやぎ あいと):2010年5月20日:\1000:講談社:県立M高校図書館
 29歳までの新人を発掘しようという講談社の意図。装幀も凝っているが,背表紙のデザイン性がちょっと・・・
〜牧村光二郎は港区にある都立高校の化学講師だ。新聞部の依頼で先生の青春時代というテーマで原稿を書かなくてはならない。生まれてから高校まで,幕張の沖に建設された海中都市で過ごしたから,それを書かなくてはならないが,躊躇いもある。野島岬沖に造られた海流発電と,安価ではあるが紫外線に弱いシーコンクリートを利用した実験都市で,6万弱の人が住んでいた。中学生の頃,コンピュータでシミュレーションを行い,海流発電が漁業に悪影響を及ぼすことをレポートしたが無視され,ベノアールがシーコンクリートを崩壊させる事実を掴んでいた。その事実を伝えた相手は,一級下の木口夏波。海中タワーに昇って,南側の市庁舎ビルが無人であることを伝える。10年後にインタビューと称して牧村の下を訪れていたのは,夏波の10歳下の姪だった〜
 書いてしまうと何と言うことはないストーリーで,もう少し緻密に膨らませることができただろうが,かといってこの先の展開はないから,デビュー作としては上出来かも知れない。校歌は解るけど,校則や電車の時刻表は必要だったろうか。路線図は欲しいような気がするけどね。アフリカ原産のベアノというイネ科植物がバイオエタノール原料としてエネルギー問題の解決策の一つになるというのは良い発想だ

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最終更新日 : 2013.08.01

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