2013/07/13
〜賞など取ったら人生が狂うかも〜
「文学少女と死にたがりの道化」
〜野村美月〜
『文学少女と死にたがりの道化』:野村美月(のむら みづき):2006年5月10日:\560:エンターブレイン:県立M高校図書館 |
読んだページを喰ってしまう変態文学少女 |
〜井上心葉は高校2年の男子で文芸部に所属しているが,部長の天野遠子は三題噺を出しては食べてしまう変態文学少女だ。二人だけの文芸部にラブレターの代筆を依頼してきた1年生・武田は弓道部の先輩・片岡愁司に一目惚れしたのだという。毎日書いた原稿を武田は清書して渡すと喜ぶのだが,悩みを抱えているのだという。どんな悩みか気になって名簿を調べても片岡愁司という名前はない。図書館の地下に潜っている武田に聞くと,確かにいて会わせるという。弓道場に出向くと,10年前のOBが井上を見て「片岡」と呼び掛けて来る。訳の分からない井上は卒業アルバムで捜しても切り取られていてその顔写真はなく,ナイフで己を刺した後,屋上から飛び降りたのだという。武田は片岡が太宰治の『人間失格』の中に残した遺書を発見し,恋人を失った悲しみとSというライバルの存在が気になって,OBの誰かがSであるに違いないと探偵の真似事をしたくなったのだ。OBの一人添田に屋上に呼び出されるのが,武田が片岡の名で出した手紙は井上が出したものと勘違いしていた。添田は片岡の恋人に横恋慕し,一人で帰る恋人に声を掛けて,驚いた恋人が道に飛び出して車に撥ねられたのだった。片岡に呼び出された添田は確かに片岡を刺したが,致命傷ではなく,ナイフを拭って自ら飛び降りたのだった。井上も中学時代に騙った美雨を飛び降り自殺させていたのだった。部長の要請でレポートを武田に催促に行った井上は,武田が人間失格に隠したノートを発見して屋上まで追い掛け,飛び降りようという武田を捕まえ,心配した部長と共に思い止まらせた〜 |
友達を失った若者が太宰に心を寄せて自分も死にたくなるってあるか? 多分,あるんだろうけど・・・ |
最終更新日 : 2013.07.13
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