2013/07/03
第2話までは良い〜

「ランチのアッコちゃん」
〜柚木麻子〜

『ランチのアッコちゃん』:柚木麻子(ゆずき あさこ):2013年4月21日:\1100:双葉社:県立M高校図書館
 派遣社員と正社員
〜麹町の外れの小学生向けの出版社の営業部に派遣社員沢田三智子は元気がないのを見透かされ,黒川敦子部長に持ってきた弁当とルーティン化している一週間のランチを交換する。昼だけのカレー屋,走って国際フォーラムまで行きジュースとラップサンド,古書店で児童書を受け取り天丼,屋上で社長と出前の寿司,金曜日はカレー屋で留守番。売り上げ減少巻き返しの新提案をするだけの元気を得た。それでも会社は倒産し,大手貿易会社の高潮物産で働き始めたが,30歳以上の正社員と派遣社員との板挟みに会い,ランチを会社で摂るのも嫌になり,公園で食べていると,ワゴン車に乗ったアッコさんが颯爽と現れ,夜食用のポトフを売る手伝いを始めた。火曜の午前4時,新宿歌舞伎町で水商売のお兄さんお姉さん達に歓迎され,新聞社の整理部員にビールと共に売り,深夜員勤務の看護婦に売り,元社長が再婚した築地市場の喫茶店で振る舞い,映画のロケ現場ではヒロインのスタントとして走ることになった。築地で仕入れたチョコレートでホットドリンクを営業部全員に派遣社員の出し合った金で振る舞って,蟠りを解き,もう少し勤めることを決意した。満島野百合は30歳の派遣社員で毎週の合コンが煩わし感じられている。お嬢さん学校と知られた高校に通っていたが,90年代の渋谷の典型的な女子高生で先生には目を付けられていた。十数年前に野百合を追い掛けては説教していたゾノ先が後輩に当たる生徒を追って現れた。渋谷に詳しい野百合も一緒に歩いて捜す。見つけたと走って道路を渡ろうとしてワゴン車と衝突した様で,追われていた女の子も心配して現れた。軽傷で一緒にワゴン車が売っていたポトフを食べ,二人はタクシーで帰っていった。大手商社が社内ベンチャーで起こしたネット通販会社で使い物にならなかったレミは,会社の亡くなったオーナーと親しくなり,遺言で屋上の使用権を得て,ビアガーデンを始めた。社長である俺にも,業績が上がらないのは,長時間勤務で煮詰まっているからだと,息抜きにビールを呑むことを勧める。徐々に客は増え,社長である僕が早めに帰ることで,社員にも余裕ができて,業績が上がってきた〜
 最後の話で,アッコさんがどうやって登場したか,忘れちゃった。通りすがりだよな。前二話は完全に繋がっていて,後二話は無関係。長引く不況があちこちに影を落としている。アベノミクスは庶民まで効果を及ぼさないが,それでも頑張ろうと・・・

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最終更新日 : 2013.07.04

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