2013/03/01
38年前の本〜

「出家とその弟子」
〜倉田百三〜

『出家とその弟子』:倉田百三(くらた ひゃくぞう):1974年4月1日:\???:新潮社:県立M高校図書館
 初めて読んだ・・と思う
〜常陸を旅している親鸞と弟子の慈円と良寛は雪の中,山中に宿を求めて百姓家を訪れるが,酔った主人・日野左衛門はけんもほろろの扱い。困った一行は雪の中で深夜を迎えるが,酔いから醒めた左衛門は妻・兼に雪の中,坊主一行を捜すように求める。戸のすぐ外側にいた一行は炉端に迎えられ,語り明かす。15年後,左衛門の息子は出家し親鸞に仕える愛顧の弟子・唯円となっていた。稲田から父に会うために上洛してきた善鸞は,周囲の反対にあって父と会えず,木屋町の遊女屋に唯円を招いて語らう。唯円は親鸞を説得しようとするが,果たせず善鸞は帰国。善鸞は人妻に惚れ,周囲を不幸にした自分を責め,親鸞も自らを責めていた。善鸞が去って一年後,唯円は遊女であるかえでに恋をし,周囲の反対に遭う。周囲の僧は唯円を寺から追い出そうとするが,親鸞に寺を建てた時のことを思い出さされ,唯円に謝罪し,唯円は只々,仏に祈ることを求められる。親鸞が90歳となり,臨終が近付いた側には,元遊女のかえでが世話をし,穏やかな臨終を迎えられるように唯円は心を砕く。高弟が現れる中,善鸞も駆けつけ,親鸞に仏を信じていると云ってくれと云われても,遂に信心の言葉は出なかった〜
 親鸞と弟子・唯円の物語。舞台は江戸時代の京都かと思わされる。話す内容はもっと大正の現代的。この本は丁度,高校生の頃に図書館向けに発行されたハードカバーの文庫本であるため残っているが,酸性紙のせいか,気を付けてめくらないとボロボロとページの端が剥がれ落ちそうだ。いままで四人の女子生徒が読んでいるようで,何年なのかは解らない。この小さな活字を読めると云うことは,いずれにしても若そうだ。倉田さんには,これ以外の代表作はなく,何と26歳の結核闘病中の読む戯曲小説だ。なるほど,キリスト教的な要素が入り混じっている。この頃まで岩波文庫は定価が書いてなくて,☆の数で値段を示していた。☆の単価が度々上がったなぁ。ダウンロードした青空文庫は良いのだが,古い書物に横書きは似合わない気がするのだ

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最終更新日 : 2013.03.01

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