2013/02/19
第U部〜

「ソロモンの偽証第U部決意」
〜宮部みゆき〜

『ソロモンの偽証第U部決意』:宮部みゆき(みやべ):2012年9月20日:\1800:新潮社:県立M高校図書館
 第T部よりも読みやすい・・・わりとすんなり・・・1冊目が読めればね
〜藤野涼子は振り回されるのが嫌で,3年の夏休み直前の旧2年A組が卒業制作に何をやるか話し合う場で,一連の事件・事故で何を思い感じたかを綴ろうと提案した。担任代わりの高木教諭は黙っていられず,涼子の頬を平手で打っていた。涼子は作戦が功を奏したのを確信し,体罰を盾に学校側に校内裁判の開廷を認めさせる。自分は弁護人役,話し合いに積極的に参加してくれるのは,佐々木吾郎と萩野一美で涼子のアシスタントをやるという。高坂幸夫や倉田まり子,大出俊次と付き合っていた不良女子の勝木恵子は陪審員に収まった。判事は副委員長の井上康夫と決まった時に,被告である大出俊次が親爺から藤野が弁護人ではダメだと殴られた姿で現れる。柏木卓也の小学校からの友人が他校生である神原和彦を皆に紹介し,神原も弁護なら引き受けると云う。言い出しっぺの涼子は検事になるしかなく,弁護側のアシスタントに名乗り出たのはユーレイ的扱いを受けていた野田健一だった。この裁判には50代の北尾教諭がサポートしてくれる。涼子の父は,大出家の火事については触れるなと忠告し,やがて大出勝が母の反対を押し切って放火させ,売り払って新事業の資金にしようとしていることを突き止める。関係者はマスコミでなく中学生が真相を突き止めるために裁判を実施することに概ね好意を示しており,元校長と元担任も調査事務所に依頼して,隣家の女性が郵便物を抜き取っている事実を把握し,裁判に証人として立つ気持ちも伝えた。柏木家の長男は12月24日の通話記録を取り寄せ,弁護側・検察側も調査を進め,近所の病院・赤坂・新宿・秋葉原の公衆電話から掛かっていることを突き止めた。大出俊次も当日のアリバイを証明しようとするが母はディナーショーに出掛け,父は来客があるので家にいるように命令されたという。大出母に尋ねるとディナーショーは翌日で,麻雀をやる来客と夫を接待していたのは午前2時までだったと証言する。大出俊次は母のことに関わることを極端に嫌っているが,父親が母親にも暴力を振るっているからだと思われる。怪文書を出した三宅樹里はHBSにも裁判が始まったことを報せるべくワープロで新たな文書を作っているのを母親に見つかり,慌てた母親は茂木に匿名で電話し,思わず娘の名を告げてしまった。樹里は告発状を書いたのは浅井松子で,夜中に由起が珍しくて外出した松子が柏木が大出らに引き回されて屋上に連れてこられ,落とされたのを目撃したと伝えられたのを検事側に伝え,証人になることも引き受けた。弁護側が柏木のことを調べていく内,神原の様子が尋常でなくなるのを野田健一は見るようになり,自分も親殺しをしたかも知れない事実を打ち明けられないでいる。神原は酒乱の父が母を殴り殺し,自分は首を吊って自殺した後,和彦は和裁職人の夫婦の養子になったのだった。涼子は死んだ松子の目撃談と隣の中学生に大出たちが行った強盗事件を大出の暴力性の証明として,11月の喧嘩を動機として裁判に臨む積もりだが,自分が勝つことは勿論,目指していない。大出勝が警察の数度の取り調べの後,逮捕される〜
 この本は2006年から2009年に書かれたもので,第T部から一月遅れで刊行。物語の中盤に差し掛かって漸く冒頭の雪の中で公衆電話を掛ける少年の話が出てくる。しっかり構成を建てているんだなあ。それにしても「ソロモン」って何の謎だ?

2月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2013.02.20

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送