2013/02/11
ふーん〜

「神様のみなしご」
〜川島誠〜

『神様のみなしご』:川島誠(かわしま まこと):2012年4月8日:\1500:角川春樹事務所:東部台文化会館
 ある大物政治家の別荘だった,キリスト教の児童養護施設・愛生園
〜牧浦郷治は両親に虐待を受けて禄に食事を取らせて貰えず押入で寝ていた6年生だが身体は小さく3年生にしか見えない。からかってくる同級生に給食のおかずを少ししかよそって貰えず2度目のお代わりのシチューをそいつに頭からかけて取っ組み合いになり,相手の小指を噛み切らんばかりの粘りを見せた。宮本ABは祖父母から公衆便所と呼ばれている母と人殺しになったかも知れない父から生まれたが,中2で施設に来た。サッカーの地区別勝ち抜き戦で活躍し,優勝した。県庁所在地の川沿いにあるちょんの間で母が殺された前川裕貴は容貌が父親似らしく,全寮制のキリスト教中高一貫校に入れて貰えるのは美しい外見のせいらしいのは礼拝所の奧に若い神父がつれこむことからも分かるが,感情を表に出さない障碍がある。浅田陽一は生まれてこの方飯場暮らしだった。谷本理奈は町工場を営む両親が倒産を苦に自殺してやってきたが,妹は母方の祖母叔母と仲良くやっている。今にして思うと,父親は娘二人も道連れにしようとし,母が救ってくれたのだった。地域の人達との交流のために催される,お披露目会で劇をやることになったのは,理奈とBと黒木だ。王子と乞食を舞台をここに変えてやるつもりだが,Bは突然,久里浜帰りだと黒木の秘密をアドリブで入れ始めた。父親を殺そうとしたのは事実だが,久里浜の高等少年院じゃなくて医療少年院だけどねと黒木は笑っている。浅田が卒園し,外食系の鮨屋に勤め始め,先輩から教えられた園長の不正は元高校教諭を雇っていることにして年間500万円を受け取っていたことだった。出て行く子ども達に園長は戻ってくるなと云いつつ,在園者にはここは家だと云っている。ホームカミングデイの案内が来て,前田も前川も戻ってみる〜
 取っ組み合いの喧嘩より驚いて泣きだし先生が呼ばれてお終い・・という展開の方があり得る。孤児院の今を連作で描いたが,発表雑誌は雑多。作者は1956年,京大卒,1983年に短篇で作家デビュー。映画化された本もあるそうだが,知った本がなく,物書きとして喰っていけてるのか心配だ。副業というか本業というか,もう一つの仕事は持っているんだろう。余計なお世話でした

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最終更新日 : 2013.02.12

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