2013/02/03
米語風に読むとアルスラ〜

「ギフト」
〜ル=グウィン〜

『ギフト』:ル=グウィン:谷垣暁美(たにがき あけみ)訳:2011年2月20日:\850:河出書房新社:県立M高校図書館
 西のはての年代記T
〜北の高地のブランターに伝わっている不思議な能力はギフトと云うが,低地の人々は魔法使いだと思っている。カスプロ家に父から息子に伝わるギフトは「もどし」だ。父カノックはこのギフトで低地から妻であるメルを得て,オノックが生まれたが,オノックにはギフトの兆しが見られない。父との訓練,母との読み書きの学習をしている内に,隣国を併呑したオッゲは「すりへらし」のギフトを振るった。親密な隣国「ナイフ」のギフトを持つターノックと「呼びかけ」のギフトを持つパーンの間にはオノックと同じ年のメルがいるが,「呼び掛け」のギフトをメルは動物たちとの繋がりを付けるために使いたく,母のように狩りに使いたくはない。父が蝮に襲われそうになるのを見て左手を挙げた途端に弾けたのを見てオノックは思いがけずギフトを振るったらしい。意志を持っても現れず,恐怖や怒りで発現するのか。メルから貰い受けた犬が乗馬を邪魔した時にも現れ,トネリコを見た後で見つめた蟻塚をもどそうとして,一帯を混沌に戻してしまい,荒ぶるギフトを持つと恐ろしいと考えたオノックは父と相談の上,眼の力を封じるために目隠しをして過ごす決断を行う。噂は噂を呼び近隣にも聞こえるようになったが,母が物語を字を連ねて書に残す作業では,自分の新たな物語を紡ぐ力,言葉を操って詩を著す力を知った。オッゲの孫娘との縁談が出てくるドラムマントへの訪問で,オノックは散々弄られ,母は恐れられ,オッゲによってすり減らされたらしい。赤ん坊を流してしまったメルは徐々に命をすり減らして1年1日後に痩せ細って死んでしまった。その姿は母の願いによって一目だけオノックは見ることができた。荒ぶるギフトでオッゲに対し仇を討ちたい気もするが,そもそも自分が父から一族のギフトを受け継いだか否かも定かではない。母が遺した本を読みたくて,母の寝室から持ち出した本を夜明けの淡い光の中で見ても何も発現せず,盲導犬としてグライから貰ったコーリーを見ても何も起こらなかった。グライとの会話から,荒ぶるギフトが出現した時には必ず父が後方に控えていたことを思い出し,オッゲがロッドマントに略奪に来るという噂に助太刀に出る時,オノックは目隠しを外した。父はオッゲの配下の放った大弓の矢に倒れたが,オッゲとその跡取りを戻していた。役立たずのギフトを持っていても何も起こらないと考えたオノックとグライは低地に移ることを決断した〜
 カリフォルニア在住だが本はイギリスから出いていて著者の名はフランス風。怪しさが漂うが,テイストは矢張りイングランド風。西の果ての北方だからスコットランド的かというとそうではなく,ドルイドや魔法使いが出て来るノルマンが来る前のケルト的雰囲気が漂う。要らない知識がある所為で素直に読めないが,ヤングアダルトには受け入れやすいのだろうか? 二冊目のヴォイスも読んでみましょう

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最終更新日 : 2013.02.04

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