2012/10/29
新聞小説〜

「宿神第一巻」
〜夢枕獏〜

『宿神第一巻』:夢枕獏(ゆめまくら ばく):2012年9月30日:\1800:朝日新聞出版:東部台文化会館
 清盛と西行の物語
〜佐藤義清(のりきよ)は徳大寺実能の家人で保延元年(1135)に兵衛尉に任じられ北面となったが,亡き白河法皇が造った私設兵とも言える北面の武士の首領が平清盛で何故か,馬が合う。東市に行き呪師の芸に感心し,同じ北面武士であっても対立する源渡・遠藤盛遠と喧嘩になりそうな時,検非違使の手先を務める放免が呪師・申と妹の鰍を救い,放免の衝撃も斥け,攫われた鰍も救出した。上皇の住まいで箏の調べを聞いた義清は,弾き手である女性が主の妹,白河法皇の猶子で愛人であり,鳥羽上皇の中宮で,崇徳天皇の母である待賢門院璋子女院であると判っても恋心を抑えられない。遠藤盛遠は源渡の妻・袈裟に横恋慕し,おばを脅迫して関係を持ったが,袈裟は夫を亡き者にしろと唆す。濡れた髪が目印と忍び込んだ先で落として抱えた首は愛しい袈裟であったことに驚愕し逐電した。妻を殺された源渡は,義清と競馬で敗れ源為義から贈られた馬を神事であるにも拘わらず,その場で殺して謹慎を命じられる。詩作で認められ,競馬で勝った義清と共に上を目指そうとする清盛は蹴鞠の技量が飛び抜けているのを申から教えられ,上皇・天皇・女院の前で披露している内に,子どもの頃に味わった何者かが現れる気配を感じた。璋子も箏を奏でると何者かが現れるのを感じる者であり,女官の堀河に呼ばれて,意気投合した二人は契りを交わす。剛勇で名の高い左兵衛尉家貞の強弓を天に向けて矢を放ち,主の後方に立てた竹筒に射込んで弓の腕も認められ,上皇の熊野詣での警護の為に同行する。清盛と義清の二人を見て四つ這いで逃げ出した獣のような男は,盛遠で,死のうとも死にきれず,熊野に出掛けて滝に撲たれる内に気絶して救われた時には僧の墨染めの衣を纏わされていた〜 
 表紙の絵の白い水干が清盛で,青が義清こと後の西行。義清は白檀の香りまで衣服に籠めていた。この小説は朝日新聞朝刊に2006年12月22日から連載されていて,この本では2007年7月5日まで。そういえば,題字だけは見ていた。話を自分なりに整理すると物語が見えてくるのだが,連載中は見えないだろうなぁ。難解だ。単行本化で加筆修正したらしいが,話の進め方の順番を入れ替えたりはしないだろう。すっきり爽やかとは行かない

10月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2012.10.29

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送