2012/10/22
直木賞かぁ〜

「鍵のない夢を見る」
〜辻村深月〜

『鍵のない夢を見る』:辻村深月(つじむら みづき):2012年5月15日:\1400:文藝春秋:県立M高校図書館
 直木賞受賞作
〜「仁志野町の泥棒」小学校3年に転入してきて近所に盗みに入る母親を抱えている律子は万引き癖があったことを忘れているだけでなく私の事もうっすらとしか憶えていなかった:「石蕗南地区の放火」役場に勤める大林が実家の前の消防団詰め所に放火したのは,てっきり私に会いたいが為と思っていたのに違っていた:「美弥谷団地の逃亡者」出会い系サイトで知り合った陽次は次第に暴力を振るうようになったが,離れたいようで離れがたい。たとえ私の母を殺して逃亡中であっても:「芹葉大学の夢と殺人」工学部の学生である雄大の夢は医学部に入り直してプロサッカー選手になること。私も同じ工学部に通っているのにイラストを描きたくて,在学中に美術の教員免許を取った。雄大は大学を卒業できず,担当教授を殺害したが,未だ夢を抱いている。現実を見つめさせる為には逃亡先の盛岡のホテルの非常階段から私が飛び降りて,二人目の殺人を犯させて死刑に持っていくしかない:「君本家の誘拐」いつものショッピングモールでふと気付くと娘を乗せたバギーがない。誘拐だ。学校を卒業し,就職して,男と結婚し,子どもが欲しくてようやくできた子を疎ましく思っている自分が情けなく,マンションに帰ると泣き疲れて眠っている娘の姿をベビーベッドで発見し,いなくなったショッピングモールの男子トイレの前にそっと娘を置くしかないと考える〜
 切ない女心を表しているのだが,まあ何とも勘違い女の多いことか。自分を中心に世界が動いていると考えるのは女だけではないのだけど。男に読ませるために書いたのだろうか。舞台は彼女の故郷の山梨県かな。「誘拐」が切な過ぎるよね。どこかで有った事件をヒントに物語を紡いだと感じたのだが,正解だろうか

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最終更新日 : 2012.10.22

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