2012/08/05
うーむ〜

「てのひらの父」
〜大沼紀子〜

『てのひらの父』:大沼紀子(おおぬま のりこ):2011年11月15日:\1500:ポプラ社:県立M高校図書館
 骨壺に触れた時の思い出か,手の中に残った下宿管理人の声の入ったボイスレコーダーか
〜柊子(しゅうこ)はタマヨハウスという下宿屋で暮らす就職活動中の35歳,家族に暴力を振るっていた父は離婚後に亡くなり思い出はなく,姉は自己啓発セミナーの施設で暮らし,母は10年前に亡くなっている。前の会社で社長の隠し金を横領した男性に情報を漏らしたと疑われ辞表を書かされた。最終面接まで残っても,前職照会されると落とされる。大家のタマヨさんが恋人の命が危ういと渡米して,大家代理はトモミという名を持つ年配の男性だった。下宿仲間は法科大学院に通って司法試験を受けている涼子と,アパレルメーカーに勤めるデコちゃんだ。涼子の父は具合が悪く家族が連絡してくるが資格が取れるまで家に帰らないと頑なだ。トモミさんは管理人の職務だと云って涼子の母から聞いたレシピで梅シロップを作って気持ちをほぐしている。家の周りをうろつく不審者を投げて取り押さえた相手はデコさんの仕事仲間で一回り年下で,お腹の中の子どもの父親だと云って,トモミさんの怒りを喰らって又投げ飛ばされたが,子どもの幸せのために結婚に応じるよう説得を依頼する。その内に向こうの母親が下宿に乗り込んでくるが,撃退した。男の必死の説得で親も結婚に合意するが,複雑なデコさんの両親の出席を求めてきた。涼子の父の手術が間近に迫り,見舞いの説得に乗り出したのは2回目の受験で弁護士になった涼子の兄だ。ボイスレコーダーを持ってきて,涼子の声を採ったから,柊子に身代わりを務めろと云う。病床の父は見破り,涼子の本音を聞いて生きる気力を取り戻したようだ。ボイスレコーダーはデコさんの結婚式で主賓挨拶をすることになったトモミさんに渡ったが,結婚式で飲み過ぎた柊子は保育園時代に出席した松本での父の葬儀で姉が持つ骨壺の事を思い出していた。父との思い出はなく,姉は父と手を繋いだ時の温もりを思い出すと泣いていたのだ。デコが去り,トモミさんが帰る寸前のクリスマス,その翌日の誕生日にトモミから渡されたミトンの手袋とボイスレコーダーに遺された下宿人に対する思いに前向きに生きていこうと決意するのだった〜
 なんだかテーマがぼやけている気がするのだ。まあ,親の勝手で幸せを感じられなかったり,複雑な人間関係に悩まされている人は沢山いるんだろうなあとは思うのだが

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最終更新日 : 2012.08.05

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