2012/8
〜8月に読んだ本〜

考えないヒト ☆☆☆ 世界の地図を旅しよう ☆☆☆ てのひらの父 ☆☆☆ 限界集落株式会社 ☆☆☆☆
ジロンド派の興亡 ☆☆☆☆ にぎやかな外国語の世界 ☆☆☆ もし富士山が噴火したら ☆☆☆☆ グローバリゼーションの中の江戸 ☆☆☆
日本人は植物をどう利用してきたか ☆☆☆ 百一夜物語 ☆☆☆☆ 橋下語録 ☆☆☆ 日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 ☆☆☆
おもしろサイエンス水の科学 ☆☆ 言語小説集 ☆☆☆☆ 炎路を行く者 ☆☆☆☆☆ オン・ザ・ライン ☆☆
オサキ鰻大食い合戦へ ☆☆☆ とうへんぼくで,ばっかれ ☆☆☆ ちょんまげ、ちょうだい ☆☆☆ ちょんまげ、ばさら ☆☆☆
ちょんまげ、くろにくる ☆☆☆☆ いい加減 よい加減 ☆☆☆ 湖底の城3 ☆☆☆☆☆  

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

読書記録の目次に戻る

12/08/31
『湖底の城3』:宮城谷昌光(みやぎだに まさみつ):2012年7月26日:\1600:講談社:茂原市立図書館
★★★★★
 楚で一暴れして,宋から鄭,そして呉へ
〜処刑場で父と兄を救い出そうとするが,存在を示しただけで,脱出した伍子胥は,太子健の亡命先である宋へ移動したが,宋の内紛で太子は鄭へと移っていて,楚に縁のある褒小羊を供に加えて鄭へ向かう。仕えようとしていた太子は,北の晋を頼って食邑を与えられ,武器を集めて鄭から睨まれている。危険を察知した子胥は公子・王孫を従えて呉へ逃亡する算段をしていると,まさに邸は囲まれ,武器を持たずに早めに包囲網を突破する。太子の生死は不明であり,陳まで辿り着いて,公子二人と別れ,州来で船に乗り,呉の朱方に至ると,津には蘭京がおり,桃永の身柄を確保しようとして荒事に発展したと屈託なく語る。呉王位継承者であって文化人として名高い季子が到着を喜んでいると云う。呉の外交を担っている季子は延陵に家を与え,かつて尹礼家で婚姻を申し込んだ女性・小瑰と再会,御佐も許嫁の青桐と再会を果たして結婚した。小瑰は楚の康王の末の娘で,父が弟に殺された時に礼尹家の養女となって助命されたのであった。会いたがっているという公子光の邸を訪ねると,呉王・僚に面謁を許され,楚を叩く好機だと説く伍子胥の言を止めたのは公子光であり,訝しく思っていると,公子光の邸に戻って客となると,自分を呉王に獲られたくないが故の発言であり,呉の未来を照らすのは公子光だと判断し,その客となることを決断し,武術大会の力比べで一等になった男も公子光に推薦した。永翁から預かった青銅の箱には鞣し革の上に不思議な記号が書かれていた。斉に落ち着いた孫武を桃永の生き別れになった兄・彭乙の船で訪ね,褒小羊に兵法を学べと命じる〜
 う〜む,親のやったことが子の道を拓いてくれるが,本人の勘が鋭いことも大事と。次は来年かぁ・・・待ち遠しいなあ

読書記録の目次に戻る

12/08/29
『いい加減 よい加減』:野村万之丞(のむら まんのじょう):2003年3月7日:\1300:アクセス・パブリッシング:県立M高校図書館
★★★★
 ビジネス書だったんだ
〜1:食の常識(「ごちそうさま」・お勘定(「言い値」と,「いいねぇ」)・正統派B級グルメ・接待・お酒のお供語)2:日本の常識(敬語・これからは,おもがる(重軽)の時代・見えるよう見えぬよう・お色付け・大騒動の和泉流)3:教育の常識(こまったちゃん教育・青春暴走・オートレース・がんもどきの世界)4:僕の常識(いい加減な血液判断・セラピーとのりピー・日本の美・日本人が何故か好きな三は,良い加減の数字・アメリカ人はニコニコ仮面・アングロサクソンの数字・他力本願・IQと愛嬌)〜
 狂言の世界の人だとすぐ分かる名前だったが,狂言和泉流の本家筋だとはねえ。学習院の中等部時代は暴走族に入っていて,いわゆるヤンキー。1959年生まれだから,学校時代は一回り下で,族同士の出入りで退学になった同級生や,麻雀屋で金の受け渡しをやっているところを捕まった奴,新しいぼんたんを自慢していた奴を思い出す。和泉元彌ははとこにあたり,その父は三宅という名字から山脇になり,流派の名前を自分の名にした。和泉流宗家を商標登録したのは,本家筋の諍いで登録したのを真似たものだった。あの騒ぎからもう10年経つんだね

読書記録の目次に戻る

12/08/29
『ちょんまげ、くろにくる』:高橋由太(たかはし ゆた):2012年3月25日:\514:角川書店:東部台文化会館
★★★★
 ぽんぽこ もののけ江戸語りの3
〜江戸城を占拠したのは葛葉姫という狐で安倍晴明の母であった。安倍晴明が戦国武将だけでなく,九郎判官義経や本田平八郎忠勝,春日局と江姫,柳生石舟斎が出現し,白狐に誘導されて個々の戦いに挑む。葛葉姫と安倍晴明は天守閣で小次郎・廉也・弥生の命を使って,泰山府君の祭を行って家康を甦らす積もりのようだ。父・時国の命と引き替えに復活した二郎三郎こと徳川元康が清明を斬って救ったが,陰陽師は易々とは滅びない。小次郎に襲いかかる式神・千方(ちかた)の四鬼はぽんぽこによって葬られた。江戸の町が焼かれそうになると,燕に姿を変えたぽんぽこは清明の心臓を貫いて倒し,妖力をもって氷雨を降らせた〜
 最初から3巻で終わる予定だったらしい。一冊500円ちょっとで,二月に一度買って楽しむのには良いだろう。義経と善達,雑賀と服部,幸村と忠勝が同時に消え,陰陽師と武士の戦いとなると思いきや,狐と狸の戦いとなった。まっ,ハチャメチャだが,狸が狐に勝利し,山に帰る際に小次郎が付いていくのが良いんじゃない?

読書記録の目次に戻る

12/08/29
『ちょんまげ、ばさら』:高橋由太(たかはし ゆた):2012年1月25日:\514:角川書店:東部台文化会館
★★★
 ぽんぽこ もののけ江戸語りの2
〜半妖狸・ぽんぽこと小次郎の長屋に雪が降る中,白い猫が現れ,人語を喋る。唐の妖である白額虎だと紹介され江戸の町を守る四神の一つでポンポコも辞めたけどそうだと云う。残された鶴が東西南の刀を保持していて,江戸湾に出現した長曽我部元親が土佐の一領具足を引き連れて上陸しようとするのを阻止しようと折り鶴に乗って出掛けたが,あっという間に捕らわれてしまった。立ち向かうのは,柳生宗冬とその弟・列堂義仙と甥の廉也。京人形を断ち切って撃退したが,西からは武田信玄が騎馬武者を従えてきた。北を守る玄武・真武玄が一人で斥けたが,中央では黄泉を名乗る風魔小太郎が幕府転覆を企てており,北から上杉謙信と知られる女人・虎千代が丸橋忠弥や柳生十兵衛を甦らせ,その子である廉也と弥生を誘い出す。長屋に戻ると白額虎とぽんぽこは不在で,隣の佐助の姿もない。富士に誘い出された小次郎が十兵衛と丸橋をかわすと,廉也と弥生も偽物と見破るが,真田幸村や霧隠才蔵・阿国が出現し,江戸城は白狐に占拠されたと告げる〜
 自分で書いているから間違いなく・・・突飛。戦国時代の強者が次々に甦る

読書記録の目次に戻る

12/08/28
『ちょんまげ、ちょうだい』:高橋由太(たかはし ゆた):2011年11月25日:\514:角川書店:東部台文化会館
★★★
 ぽんぽこ もののけ江戸語りの1
〜小次郎は神田の貧乏長屋で美少女と暮らす浪人で,いつも腹を空かせているが,口入屋に行くと焼むすびを食べさせて貰えるが,厄介な仕事も引き受けざるを得ない。今回は女装しての後妻打ち(うわなりうち)を迎え撃つ。現場に出向くと,既に男装の女剣士・弥生がいて,押し掛けてきたごろつきを貧乏坊主形の善達が追っ払っていた。柳生十兵衛の跡をとった弟・宗冬から家宝とも言える大太刀が盗まれ,柳生の剣士達が髷だけを落とされる「ちょんまげ,ちょうだい」が出没している。「ちょんまげ,ちょうだい」は小次郎の祖父・相馬二郎三郎の異名だった。どこにも忍び込み,変装で影武者の使命を果たす手練れだったが,平和な世が実現して出番はなくなっていたが,半妖である狸娘のぽんぽこは三代に亘って相馬家に寄り添っている。疑惑を持たれたのは当然,小次郎だが,憶えはなく,柳生由来の武士の警護に出向いて,弥生と一緒にいると,丁髷狩りは出て来ない。弥生の姓,丸橋と宝蔵院流の体術を見て,由井正雪の乱で処刑された丸橋忠弥の娘で,幕府に意趣を含んでいる可能性はある。疑いが濃厚になる中,善達に導かれた破れ寺には,叔父に家督を奪われた十兵衛の息子・廉也は,柳生が忌み嫌う相馬の名を騙って宗冬に一矢報いたいのだが,病を得ていること,他人に迷惑を及ぼさないよう奉行所に自首すると云う。ぽんぽこは廉也を救う方法を小次郎に求める〜
 テンポは悪くないのだけど,〆が妖術では納得できない

読書記録の目次に戻る

12/08/27
『とうへんぼくで,ばっかれ』:朝倉かすみ(あさくら):2012年5月20日:\1500:新潮社:東部台文化会館
★★★
 舞台の一つが札幌で,これはお馴染み・・・もう一つは学習院下で,別の意味でお馴染み
〜札幌の広告代理店が倒産し,伝手で東京に出てきたエノマタタツヤは教育文化センターに勤めているが,職場ではセクシーさを感じないと小母ちゃんから弄られる42歳だ。短大を出てデパートに契約社員として勤めていた吉田は,ポスター撮影の一員となり,代理店から来たエノマタに一目惚れした。東京に出たことを聞いて,23歳で東京に暮らし始め,ストーカーを始めた。アルバイトに入ったルノアールで思いがけず再会し,図書を借りる口実で喫茶室に忘れていった三色ボールペンを返すことから交際が始まり,部屋に泊まるようにもなったが,吉田は手に入れてしまうと飽きてしまう質だと気が付いた。上京から2年,親との約束が近づくとあっさり別れがやってきた〜
 もてない男と,もてない女の,別々の話かと思ったら,女がストーキングして男を手にした途端に飽きちゃったという話でした。まあ,そういう基準で動く人間もいるのだろう。稼ぎが悪くて結婚に踏み切れない男もいるにはいるのだろうね

読書記録の目次に戻る

12/08/25
『オサキ鰻大食い合戦へ』:高橋由太(たかはし ゆた):2010年10月21日:\476:宝島社:東部台文化会館
★★★
 もっとテンポ良く書いてくれると良いのだが,この後,リズムが悪化
〜江戸深川本所で献残屋・鵙屋の手代はオサキモチだ。町内に狐日が出て料理屋が小火を出していると聞いて,見回りするが,町内の稲荷から王子稲荷に飛んで,朱引き稲荷を守っている鰻屋の苦境を知る。上方からやってきた鰻屋が料理を真似た挙げ句に客を取っているのだ。蔵に仕舞っておいた百両はする掛け軸が燃やされ,懸賞が百両の大食い合戦に参加するが,強敵は,柳生蜘蛛之介と元相撲取りと鰻屋の娘だ〜
 まだ,この本のテンポは良いのだが,悪化するんだよね

読書記録の目次に戻る

12/08/24
『オン・ザ・ライン』:朽木祥(くつき しょう):2011年7月18日:\1500:小学館:県立M高校図書館
★★
 短い後半が主で前半は前振り
〜侃は進学校である文武両道の元高に入った母子家庭出身の読書好きだ。活字中毒なのは知られたくなく,出席番号の前の大男・貴之に誘われて硬式庭球部に入部したが,貴之やさゆりと違い,全くの素人。トレーニングを重ねていく内に,のめり込んだが,貴之には到底及ばない。しかも貴之は絵を読む美少女・梓と付き合っている。秋,ぼやっと道を渡ろうとして目の前が暗転すると,大怪我を負っていたのは,侃を突き飛ばして救いトラックに轢かれた貴之がいた。足の切断は免れたが,歩くことはできないだろう。見舞いに行くと,お好み焼きが食いたいという貴之に要請され,帰ってくると既に転院していた。知り合いの寺で静養しているという。自分が許せない侃は学校を辞めると母に相談するが,休学して考えろと云われる。父に電話すると,瀬戸内の島の祖父の処で考えてはみてはどうかとの提案を受け入れる。年寄りと子どもしかいない島で,身寄りのいないカラス坊と知り合い,強く生きねばならないと考え,偶然会った同級生から聞いた梓が島を訪ねてきた。貴之は学校を変わり,東大を目指して猛勉強だという。会いたければ10月中に訪ねてこいと伝言が届き,島を出る。訪ねた先で貴之と取っ組み合いとなり,学校へ戻ると,辞めたつもりのテニスの団体戦のメンバーに入っているという。シングルスで最後に出場した侃の勝敗が次へ進めるかを決める試合となった〜
 サービスサイドはデュー(ス)コート,反対側はアドコートって云うんだよね。木製のラケットを大事にしているというのだが,本当にテニスをやっていたのだろうか? 体育会系男子が裸族であったり,闇鍋やってたり,文化祭の最後の夜7時に花火を挙げたり,5年前まで男子校だったのに,女子テニス部のOGの正規職員がコーチについていたり,腑に落ちない部分が多過ぎて,違和感たっぷり。25年前の高校というなら解るけど,課題図書として選ぶ人も,いろいろなことを知らないといけないね

読書記録の目次に戻る

12/08/24
『炎路を行く者』:上橋菜穂子(うえはし なほこ):2012年2月:\1500:偕成社:東部台文化会館
★★★★★
 タバコをチョルと云ったりして取り付きにくいのだが,慣れれば一気に読める
〜「炎路を行く者」ヨゴ皇国の「帝の盾」と呼ばれる上位武人の長子として育てられたヒューゴはタルシュ帝国軍が侵攻して最後の戦いに出征する父に母と妹の無事を託されたが炎に包まれながら自分だけが生き延び,炎を好む不思議な生き物を身近に置くリュアンという年長の少女に助けられ,酒場の下働きとして働くことになった。国が滅んで苦しいながらも生活をする人々の中で,少年達の関心はケンカだ。家族と地位を失ったヒューゴは仲間が袋叩きにあっている場で相手の大将格を打ち倒し,やがて下町の西半分で頭角を顕していく。町で久し振りにリュアンと行き会い,立ち話をしている間に敵方に取り囲まれる窮地を救ってくれたのは,枝国出身でタルシュの密偵のオウル=ザンという兵士だった。機転を利かせて,勤める食堂で毒を盛られそうなオウル=ザンを脱出させたものの,旧ヨゴの警官はタルシュ兵の言いなりで拷問に掛けられたが,必要以上のことを白状しないと釈放され,自分が生まれ育った小高い丘の町に行くと,自分の生まれ育った屋敷には下の階級からのし上がってきたヨゴ人が住み着いていた。旧支配層が殺され,新支配層が形づくられ,旧国よりも経済的には繁栄している現状に,裏や上から帝国の仕組みを覗きたくなったヒューゴはオウル=ザンの勧めに応えて密偵の道を選ぶ:「15歳の我には」商隊の警備に親代わりのジグロと加わったバルサは仲間の裏切りで警備対象の商人ともども皆殺しに遭いそうな中,太腿に矢を受けながらも生き延びた。裏切り者を見つけ出して誘いに乗って出掛けてまた窮地に追い込まれる〜
 まあ,政体が変わるというのは,そういうことかも知れない。ジグロが読んで聞かせる詩は,15歳の時に見えなかったものも20歳になると見えてくるので,5年前の自分に教えたいものだ・・・という内容だ。30歳,50歳になれば,若い頃見えなかったものが確かに解ってくるが,時を遡ることはできない。じゃあ,どうすれば良いのかというと先輩の忠告を素直に受け止めることなのか? そいつも嫌だな。筆者は文化人類学で文学博士号を持つ大学の先生。異世界を演出しようとして特殊単語を用いるので慣れるまでに時間が掛かるが,諦めて読み進めると,物語に引き込まれる構想力を持っていて,引き込まれる

読書記録の目次に戻る

12/08/23
『言語小説集』:井上ひさし(いのうえ):2012年3月30日:\1300:新潮社:県立M高校図書館
★★★★
 一番新しいのが1995年じゃ古いお話になってしまう
〜「括弧の恋」括弧が出てくるまでに3秒掛かり,閉じ括弧は5秒掛かる・・・ワープロの中で記号同士が揉める:「極刑」小劇団で意味不明な台詞を憶えさせられた女優は正気を失って:「耳鳴り」バンドで作曲も担当する若者が人形劇のテーマソングを聴いてから耳鳴りがするようになり作詞家に報復を:「言い損い」女性を目の前にすると言い損ないをする男と母は特別な関係が:「五十年ぶり」戦時中に方言を調査に行って福岡で拷問に掛けた特高警察と料亭の雪隠で再会し小便を掛けて恨みを晴らす:「見るな」東北の山奥にマレー語起源の言葉があるのは:「言語障害」駅員がアナウンスで知らず知らずに駄洒落を語るのは母に逃げられ掛けた父親の駄洒落好きが影響しており,自分が父親になることを妻から知らされたからだった〜
 ワープロの記号の話は面白かったが,ワープロ機なんてもう15年以上見ていないから懐かしさだけ・・・いい着想なんだけど,いかんせん話題が古い。遅筆が祟ったのではなかろうか

読書記録の目次に戻る

12/08/23
『おもしろサイエンス水の科学』:神崎ト(かんざき やすし):2012年5月25日:\1500:日刊工業新聞社:東部台文化会館
★★
 「おもしろ」とは懸け離れた難しさ
〜1地球と水:2ミクロの目で見た水:3水分子がたくさんあつまるとどうなる?:4水のケミストリー:5水は力もち:6生体系の水〜
 地表の70%が水で覆われているが質量では0.03%。水は水素結合によりクラスターとして存在し,0℃より8℃より4℃の体積が大きい。水に光を当てると水素と酸素ができる。なぜ水はものを溶かすのかは,分子が小さく,水素結合で双極子モーメントが高い。イオンも溶かすし,しみこむ力も強い。生体系はもっと難しい。この先生は電気化学が専門で1942年生まれ。グラフに信じられないミスがあるのが艶消し

読書記録の目次に戻る

12/08/23
『日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇』:早坂隆(はやさか たかし):2007年7月10日:\740:中央公論新社:東部台文化会館
★★★
 戦時,お笑いが求められた
〜吉本興業は明治の創業で,通天閣まで買収していた:横山エンタツ・花菱アチャコ,ミスワカナ・玉松一郎などが売れっ子で,エンタツ・アチャコで売り上げを伸ばすためバラバラに売り出され,売れっ子の引き抜きもある。秋田實が又売れっ子作家で引き抜かれる。柳家金五楼は兵隊落語だが,太平洋戦争開戦前に寄席は自粛を余儀なくされた〜
 1973年生まれの人よりは少しばかり身近で,1956年は未だ戦後の雰囲気があった。後半は同時発売で太平洋戦争篇

読書記録の目次に戻る

12/08/22
『橋下語録』:産経新聞大阪社会部:2012年4月19日:\1000:産経新聞出版:東部台文化会館
★★★
 先入観に囚われてはいけないか
〜〜
 産経新聞は分かる・大阪も分かる・社会部というのは産経新聞の現実なのかな? 橋下・・・大嫌いだけど,過激なことを云って,マスコミの注目を集めて人々の支持を集めて,やりたいことをやろうとしているのだと考えると,可愛くも見える

読書記録の目次に戻る

12/08/21
『百一夜物語』:鷲見朗子(すみ あきこ)訳:2011年12月32日:\3200:河出書房新社:県立M高校図書館
★★★★
 3200円分の読み応え
〜ダーラム王とシャハラザードの物語:若い商人の物語:ナジュム・アッデヒヤーウ・イブン・ムッダビル・アルムルクの物語:樟脳の島の物語:ザーフィル・イブン・ラーヒクの物語:大臣とその息子の話:スライマーン・イブン・アブド・アルマリクの物語:マスマラ・イブン・アブド・アルマリク・イブン・マルワーンの物語:ガリバード・アルハサンとエジプト人の若者の物語:エジプト人の若者と妻の物語:王と三人の息子の物語:腕輪の持ち主である若者の物語:四人の仲間の物語:王子と七人の大臣の物語(象のしつけ:獅子の跡:鸚鵡:不注意の始末:ふたつのパン:情夫の召使い:王子と鬼女:蜂蜜のしずく:米と砂糖:魔法の泉:浴場にて:犬の涙:豚と猿:蛇と犬:老女のたくらみ:獅子と盗人:漁師と王:象の像:むなしく消えた願い:女のたくらみ研究家:王子の語りごと):王と蛇の物語:黒檀の馬の物語:王とガゼルの物語:イブン・アビー・アルカマル大臣とアブド・アルマリク・イブン・マルワーンの物語〜
 千一夜がマシュリク伝承であるならば,百一夜はマグリブ伝承の説話集。共通するのは王子と七人の大臣の物語と黒檀の馬の物語。確かによく出来た話であるが,前者が長すぎるのに対して,黒檀の木馬はコンパクトにまとまっている。林と泉と宮殿と満月のような美女が男の望みなのだろうが,物語の登場人物は至極奔放に生きている。ウソもつくし,浮気もする。獅子の登場する物語も多いし,王子が闘ってようやくねじ伏せた敵が絶世の美女という設定も多い。心ゆくまで飲み物と食べ物で満たされたいらしい

読書記録の目次に戻る

12/08/18
『日本人は植物をどう利用してきたか』:中西弘樹(なかにし ひろき):2012年6月20日:\820:岩波書店:県立M高校図書館
★★★
 岩波ジュニア新書718
〜1食材として:2健康のために:3日常の道具として:4成分を利用する:5家の構成要素として:6年中行事との関わり〜
 ああ・・・そうだね

読書記録の目次に戻る

12/08/13
『グローバリゼーションの中の江戸』:田中優子(たなか ゆうこ):2012年6月20日:\820:岩波書店:県立M高校図書館
★★★
 岩波ジュニア新書717
〜1江戸の西洋ファッション:2江戸の茶碗とコップ:3江戸の視覚の七不思議:4江戸時代が出現したグローバルな理由〜
 肝は4であって,1492コロンブス一行のイスパニョラ島上陸・・1510ポルトガルのゴア占領・・1511ポルトガルのマラッカ占領・・1525舟山群島にポルトガル居住区建設・・1533神屋寿禎の石見銀山灰吹き法精錬成功・・1538日本の銀輸出開始(倭冦の前後期の交替)・・1543後期倭冦による日本への鉄砲売り込み・・1560−メキシコ・ペルーで銀生産・・1575長篠の戦い(硝石輸入増大)・・1580東南アジアの和船急増・日本人町の建設・・1592・97秀吉の朝鮮半島侵略とアジア植民地計画・・1600リーフデ号事件・・1609家康が対墨通商・鉱山技師派遣をフィリピン総督に依頼・・1633−36海外渡航禁止・銅山開発・蘭東印会社専従による貿易維持・自給能力の向上計画・・・これを解説して繋げよう。種子島に鉄砲を伝えたのはポルトガル人も加わった倭冦であったといのは目から鱗

読書記録の目次に戻る

12/08/10
『もし富士山が噴火したら』:鎌田浩毅・高世えり子(かまた ひろき・たかせ ひろき):2012年1月5日:\1400:東洋経済新報社:東部台文化会館
★★★★
 どうなる? どうする?
〜富士山の噴火の兆候は低周波地震,その後数週間を経て噴火。現火口から噴火しないだろう。火山灰は,1000度の玄武岩が地表から出て急激に冷やされるために,粉々になったもので,ガラスの粉。コンピュータに吸い込まれると誤作動の原因となる。噴石はピストル並みの速度。黒い軽石はスコリアと呼ばれるもので,温度が500〜600度。100年に一度噴火していたのに,300年ほど噴火しておらず,想定被害総額は2兆5000億円,東海・東南海・南海地震が連動した時の被害総額は53〜81兆円〜
 どうしましょう? 引っ越すかねえ。この先生は1955年東京生まれで,東大を卒業した後,通産省を経て京大へ。やっぱり,逃げたのかな? 漫画家は娘と同じ程度の82年生まれ

読書記録の目次に戻る

12/08/10
『にぎやかな外国語の世界』:黒田龍之助(くろだ りゅうのすけ):2007年11月21日:\1500:白水社:県立M高校図書館
★★★
 外国語の共通点や差異をみつけるのが好き
〜1かたち:2ひびき:3かず:4なまえ:5いろいろ〜
 住んでいる地域で発音できない音があるのが不思議だ

読書記録の目次に戻る

12/08/09
『ジロンド派の興亡』:佐藤賢一(さとう けんいち):2012年6月30日:\1600:集英社:茂原市立図書館
★★★★
 表紙を飾るのはロラン夫人とフリジア帽を被るルイ16世
〜1792年,オーストリアに最後通牒を突きつけたフランス立法議会はフイヤン派がパリ市政を牛耳っているものの,ルイ16世が閣僚を排斥し,思惑は別でも主戦派であるジロンド派を任命した。外務大臣には軍人出身のデュームリエ,内務大臣に採用されたロランは奥方が主催しているサロンが功を奏した影響だ。開戦に踏み切ったものの,将校と兵士の息が合わずに朗報は届かず,宣誓拒否派司祭の処分を求める法と2万人の連盟兵のパリ近郊配備を求める法も王の拒否権行使で実現しない。夫人に促されたロラン内務大臣は国王の前で大声を発して,罷免の憂き目にあった。ジロンド派は政権を取り戻すべく,ダントンに接近し,ダントンはジロンド派の思惑に乗る形で,6月20日フイヤン派打倒のために市民を動員し,テュイルリ宮殿に詰め寄った民衆の前で,ルイ16世は拒否権撤回は約束しなかったが,安酒を飲み,フリジア帽を被って見せた。7月フイヤン派内閣は総辞職し,戦況は好転せず,次なる蜂起にダントンはロベスピエールを巻き込む計画を持つ。パリ市長ペティオンとの話し合いの終わりにロベスピエールは狙撃された。デムーランと共にロベスピエールを見舞ったダントンは,ロベスピエールには受け取っていないと語った王からの金を使って連盟兵を接待し,蜂起を決行するとデムーランに語る〜
 小説すばるに2010年1月〜6月に連載され,2年後に単行本化。加筆・訂正が大変だったのか,7冊目の小説フランス革命が第二部に入って,次々と刊行して売る積もりなのか。ロラン夫人も1793年に処刑される運命。世界史では,反革命勢力を炙り出したいジロンド派と革命勢力をオーストリア軍の力で斥けたい王の意向が一致し,開戦に踏み切ったが,祖国の危機にパリ市民が蜂起して王を逮捕した・・・と教えるんだ。王の逮捕前に市民が王を追い詰めていて,王が毅然とそれを跳ね返したまでは語らない。このシリーズで残念なのは艶っぽい件が出て来ない点だ

読書記録の目次に戻る

12/08/07
『限界集落株式会社』:黒野伸一(くろの しんいち):2011年11月30日:\1600:小学館:横芝光町図書館
★★★★
 絵に描いたようなハッピーエンドが今の日本の農業に欲しい
〜多岐川優は銀行の審査部勤めからIT企業の資産運用に転じ,独立の潮時と感じて辞職したが,仕事に没頭して妻と子に去られ,暫くの休養と祖父の遺した寒村の家にやってきた。中央高速で2時間,下道で1時間,止村という限界集落だ。そこは自分を父の晴彦だと勘違いする年寄りと東京からやってきた農業研修生が3名いる。痩身長髪の男と太いオタク系の汗かき男,妙に色っぽいあかねという女を世話するのは,娘・美穂の尻に敷かれている正登という中年男だ。研修生を送り込んだのは幕悦町役場農政部のカマキリ男だが,役場は集落の集団移転を画策している。家に出入りしている年寄りと麓の町まで出かけた翌日,じいさんが一人死んだ。こんな風に人口が減って,村が潰れてしまうのかと思うと,営農組織を立ち上げるしかないと思い,村長に掛け合う気になったが,町の一部になっていて村長は存在せず,リーダー格の大内正登に提案しようと家に出向くと,娘の美穂は取り合おうともしない。思い切って村の皆を集めて,収益性の薄い稲作をやめて手間の掛からない野菜を減農薬で作る提案をすると,村の皆は雄と美穂をリーダーとすることを決定する。田を潰すことに抵抗のある農家も多いが,優と美穂が衝突しながら一年後には株式会社化する方向は見出せた。小松菜と蕪とモチトウモロコシは隣県やネット販売で好評を得ているが,それは自虐的な屑野菜のキャラクターをマンガで描くデブの千秋と,WEB制作の三樹夫,飛び込み営業を臆することなく展開するあかねの尽力がある。秋祭りが復活し,2年目には優のビジネスパートナー・佐藤が調達した資金で,本社社屋と美術館・レストラン,社宅も整え,テレビ局への売り込みで取材を受け,ベジタ坊の脱力キャラも人気を博している。正登とあかね,美穂と優は互いに惹かれ合い,順調に思われた二度目の秋祭りに事件は起こった。あかねを攫って車に乗せようとする男を阻止しようとした正登の苦境にあかねは石で男の後頭部を殴りつけ重傷を負わせたのだ。金主はスキャンダルに反応して返済を迫り,最大口は確保したものの2億4千万を返済しなくてはならない。優の所有するマンション・金資産を売却して村に残ることを決意したと聞いた村人がなけなしの資金を提供しても不足する。振り込み人不明の1000万が口座に入金され,執行猶予付きの有罪判決を受けた後で姿を消したあかねを正登は歌舞伎町で捜し出した〜
 何だか少し方向性が間違っているような気がするが,大きな金が動かないと元気にはならない。星野リゾートや二期倶楽部の高級感を出すのが良いと思うが,地元の農業は残らないかな。休耕地にユンボを持ってきて除草する手は有効だ。手間と時間を掛けるより,金を掛けた方が合理的。その手を一回しか使わせないには理由があるのだろうが,なぜだか書いて欲しかったな。2月にリクエストしたが,地元の図書館が購入してくれず,借用本が届くまでに6ヵ月掛かって吃驚,向こうにも理由があるのだろうが,こうした明るい未来を示す本は買ってくれても良いのになぁ

読書記録の目次に戻る

12/08/05
『てのひらの父』:大沼紀子(おおぬま のりこ):2011年11月15日:\1500:ポプラ社:県立M高校図書館
★★★
 骨壺に触れた時の思い出か,手の中に残った下宿管理人の声の入ったボイスレコーダーか
〜柊子(しゅうこ)はタマヨハウスという下宿屋で暮らす就職活動中の35歳,家族に暴力を振るっていた父は離婚後に亡くなり思い出はなく,姉は自己啓発セミナーの施設で暮らし,母は10年前に亡くなっている。前の会社で社長の隠し金を横領した男性に情報を漏らしたと疑われ辞表を書かされた。最終面接まで残っても,前職照会されると落とされる。大家のタマヨさんが恋人の命が危ういと渡米して,大家代理はトモミという名を持つ年配の男性だった。下宿仲間は法科大学院に通って司法試験を受けている涼子と,アパレルメーカーに勤めるデコちゃんだ。涼子の父は具合が悪く家族が連絡してくるが資格が取れるまで家に帰らないと頑なだ。トモミさんは管理人の職務だと云って涼子の母から聞いたレシピで梅シロップを作って気持ちをほぐしている。家の周りをうろつく不審者を投げて取り押さえた相手はデコさんの仕事仲間で一回り年下で,お腹の中の子どもの父親だと云って,トモミさんの怒りを喰らって又投げ飛ばされたが,子どもの幸せのために結婚に応じるよう説得を依頼する。その内に向こうの母親が下宿に乗り込んでくるが,撃退した。男の必死の説得で親も結婚に合意するが,複雑なデコさんの両親の出席を求めてきた。涼子の父の手術が間近に迫り,見舞いの説得に乗り出したのは2回目の受験で弁護士になった涼子の兄だ。ボイスレコーダーを持ってきて,涼子の声を採ったから,柊子に身代わりを務めろと云う。病床の父は見破り,涼子の本音を聞いて生きる気力を取り戻したようだ。ボイスレコーダーはデコさんの結婚式で主賓挨拶をすることになったトモミさんに渡ったが,結婚式で飲み過ぎた柊子は保育園時代に出席した松本での父の葬儀で姉が持つ骨壺の事を思い出していた。父との思い出はなく,姉は父と手を繋いだ時の温もりを思い出すと泣いていたのだ。デコが去り,トモミさんが帰る寸前のクリスマス,その翌日の誕生日にトモミから渡されたミトンの手袋とボイスレコーダーに遺された下宿人に対する思いに前向きに生きていこうと決意するのだった〜
 なんだかテーマがぼやけている気がするのだ。まあ,親の勝手で幸せを感じられなかったり,複雑な人間関係に悩まされている人は沢山いるんだろうなあとは思うのだが

読書記録の目次に戻る

12/08/03
『世界の地図を旅しよう』:今尾恵介(いまお けいすけ):2007年11月21日:\1500:白水社:県立M高校図書館
★★★
 地球のカタチシリーズ
〜1:世界共通ではない地図記号。2:地図でたどる一本道。3:人の住むところに境界あり。4:自然の造形を鑑賞しよう。5:地図がウソをつくとき〜
 当然だが各国の文化を反映して記号は異なる。道や川や鉄道の描き方。飛び地や国境線。崖,砂漠。地図とは取捨選択である

読書記録の目次に戻る

12/08/01
『考えないヒト』:正高信男(まさたか のぶお):2005年7月25日:\700:中央公論新社:県立M高校図書館
★★★
 ケータイ異存で退化した日本人
〜言語遺伝子と思われるFOXP2が見つかり,この変化は10万年前の事と思われる。言語を獲得したヒトは家族生活を営むようになり,家の内と外という区別が出来上がり,内に包み込もうとする母性と外に押し出す父性が生まれた。コミュニケーションが可能な集団としては150〜200が相当するらしい。携帯が普及した今は自他の区別がなくなり,自分を見失った若者は引きこもりでなく,出歩き型も増えてきた〜
 という風に読んだが,「ケータイを持ったサル」で一世を風靡した人は昭和29年生まれの霊長類研究者。斜め読みしてしまった

読書記録の目次に戻る

12/08/
 
★★
 
 
 

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2012.08.31

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送