2012/07/18
半次捕物控〜

「一石二鳥の敵討ち」
〜佐藤雅美〜

『一石二鳥の敵討ち』:佐藤雅美(さとう まさよし):2012年2月20日:\1700:講談社:茂原市立図書館
 半次シリーズの何冊目?
〜煙管屋の奉公をしくじって半次の小者になった伝吉は三法忍の伝という浄土真宗の怪しい宗教に大店の主人を引き込む六部を突きとめ,鰻善から養子の口が来ても乗り気になれない。冷夏で縮商売をしくじった越後屋の幸太郎は僅かに残った金で小金貸しを開始し,金貸しで成功するように王子稲荷に願を掛け,結願を間もなく迎える。蟋蟀小三郎が越前丸岡五万石から千両の融資話が持ち込まれ,京都の公家に繋がる金主を紹介することになって,王子に出掛けると,狐の女房から捕らえられた亭主狐を救ってくれと云われ,百姓に捕まった簀巻きの狐を3両で買い取ったが,中身は赤犬で手を噛まれて頭を撲って気を失い,約束をすっ飛ばしてしまった。小三郎は武田新之介から金を借り面目を保ったが,幸太郎が紹介しようとしていた金主は礼金詐欺だったので救われたことになる。青山で40両を拾った者は正直に届けたが,落とし主は現れず,岡っ引き仲間から17年前に不忍池を泳いで逃げたお数寄屋坊主崩れの和田山龍円を見掛けたと聞き,話題の芝居・お染久松の中で池を泳いで逃げるシーンを見て,作者に誰から聞いた話か詰め寄ると,矢田鵜石が赤坂の小料理屋にいるという。捕らえてみるとまさに稀代の悪党・和田山龍円で三法忍の伝の黒幕で40両の落とし主でもあった。六部が捕まって晴れて祝言を挙げる伝吉が花嫁に買った銀の簪を半次が調べると鍍金で小間物屋に売ったのが備中木下家の御広敷番の長身白皙の武家だという。長身白皙というと絵具染草問屋の娘が嫁入りする予州浪人が思い出される。身が立つ迄の1年間待って欲しいという云うものの,釣り竿と値札の付いたままの魚籠をもって毎日出掛けて怪しい。築地の西の木挽町の鍼灸師の家に入るのをみて銀類偽造の親玉と踏んだ半次は土地の岡っ引きに聞きに行くと,内定を進めていると云うが,偽南部二朱銀をつくているので,勘が外れ,医師の修行の一環としている浪人は腹を立てていた。半次が預かっている大久保恒次郎は預けられていた納所坊主の姿を見たと怯えているが,屋台で天麩羅を揚げている幼い子を三人抱えている庄助が貰った女房はものぐさで,子どもの面倒は見ず,僅か7ヵ月で赤ん坊を産み,挙げ句に捨ててきたと思ったら,庭から小判を掘り出して扱いに困った武家の用人に収まっている洞海が天麩羅屋の女房になっていたきわの男であり,預けられて扱いに困り捨てたものだった。対馬宗家の内幕をぶちまけようとした矢先に牢で毒を盛られた。人気の講釈師が丸亀塩商人の恨みを講談にまとめているが,通塩町で呉服を商っている商家は気が気でない。講釈師は恨みを持つ塩商人に娘を嫁がせていたのだった。恒次郎は朝鮮島流しが終わった父に引き取られ下野へと旅立つ。備中浪人・日笠源之進は破れかぶれで蟋蟀小三郎の道場に入り,ぶちのめされても立ち上がる根性を認められて居着くが,国許では三人の腕利きを倒して逃げ出したのだった。池田家の剣術指南が立会を求めても源之進はこれを打ち倒し,本家を含めて15人で道場にやってきた池田家家中の者も8本の刀を小三郎に奪われ,面目をなくした。半次は先の藩主の腹違いの弟であり,相談に行くと,嫌がらせにも飽きたと小三郎は半次を通して刀を返してきた。恥を掻かされた池田家は源之進の兄・母を呼んで源之進に言い含め,敵討ちを池田山で行わせるが,引き据えられた母や兄の姿に逆上した源之進は助太刀5人が刀を持つ腕を切り落として立ち去る。お家の剣術指南として迎える以外に解決策はないといの半次の提案に池田家は乗るしかなかった〜
 人間関係が複雑で縁のない人が半次の許に集まってくる。これは何作目なのだろうか?

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最終更新日 : 2012.07.19

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