2012/06/26
イギリスのヤングアダルト向け〜

「迷子のアリたち」
〜ジェニー・ヴァレンタイン〜

『迷子のアリたち』:ジェニー・ヴァレンタイン:田中亜希子(たなか あきこ)訳:2011年4月18日:\1400:小学館:県立M高校図書館
 原題"The Ant Colony" 小学館のSUPER!YAシリーズ
〜17歳の家出少年サムは田舎からロンドンに出てきたが,スーパーのアルバイトをみつけアパートも格安物件をみつけて入居した。持ってきたのは数枚の着替えとマックスから貰った2冊のアリの生態に関する本で,人と係わりを持たずに自分を消してしまいと考えているが,おしっこ犬・ドアマットを飼っているおせっかいばあさんのイザベルがアパートの住人と引き合わせようとし,10歳の赤毛の女の子・ボヘミアがうるさくまとわりついてくる。停電をきっかけにサムとボヘミアは接近し,ボヘミアの母親・チェリーが男や酒やドラッグの問題を抱え娘を学校にも通わせていないことを知ると,サムも少しずつ自分の事を話さざるをえない。家出の理由をうるさく訊かれたサムがボヘミアを傷つける発言をして遠ざけるとボヘミアはアパートから姿を消してしまう。大家のスティーヴもチェリーとくっついたミックもボヘミアを心配するが,金を持たずに家出したボヘミアは帰宅せず,警察にも連絡できず,チェリーは憔悴している。家出の理由を訊かれたサムは,友達だったマックスにやらかした非道いことの数々を語り,マックスがポンコツをリペアした車を共有地で乗り回した挙げ句に衝突させてマックスが首を折って重傷を負った経緯を喋らざるを得なかった。家出したボヘミアがアリの本を持ち出し,その本の中にへそくりの200ポンドがあったことが判り,どこにでも行ける可能性に心配は増す。イザベルの滅多に鳴らない電話はサムの母親からの呼び出し音だった〜
 最初は静かな立ち上がりで,サムの家出の理由を知りたかったが,だぶだぶのトレーナーに犬を抱えた赤毛の女の子がアクセントになっていて厭きさせない。少女の家出からは急展開。緩・緩・緩・急急急・・・ハッピーエンド! やっぱり幸せな結末が待っている方が良い。地球上の全てのアリを集めると,その重量は全人類の重量を上回る・・・というのは面白い。緻密な計算(構造)を持つ小説だった

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最終更新日 : 2012.06.27

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