2012/06/17
純愛・不倫〜

「喋々喃々」
〜小川糸〜

『喋々喃々』:小川糸(おがわ いと):2009年2月5日:\1500:ポプラ社:県立M高校図書館
 凝った料理やグルメが愛するスイーツが登場する純愛不倫物語?
〜谷中の長屋で着物の古着屋を営む栞はお茶会に着る着物を探しに来た春一郎に惹かれる。北陸からデザインの専門学校に進学するため上京してきた時は,雪道君と同じアパートの隣同士の部屋に住んだが,イラストから着物に関心が移り,古着屋を開業し,雪道君は年上の女性と結婚したが,年賀状と暑中見舞いの交換だけは続いている。母と妹・花子とタネ違いの楽子が都営住宅にいて,外国人相手のコンパニオンをしている花子は着物を借りに来るのだが,楽子は母が美容師との不倫で生まれた子で,これが原因でバスの運転手をしていた父と離婚し,実家に帰った父は自給自足の生活を送り染織家の女性と再婚している。父が万引きしたと聞いて驚いて深夜バスで父を訪ねると義理の母の姿がない。鶏が狐に殺された事をきっかけに不便な暮らしを嫌って家を出た妻をトイレの改装で呼び戻そうとしているらしい。東京に戻り,春一郎に呼び出されて食事に出掛けたり,店舗兼住宅で同じ時を過ごすと,彼が町田の一軒家で妻と娘と三人暮らしをしている事が判ってくるが,気持ちは益々春一郎に惹かれていく。暑中見舞いの返信が一段落しても雪道君からの返事は届かず,立秋を過ぎた頃に店を訪ねて封筒を置いて帰った女性は雪道君の奥さんで,封筒の中の手紙は4年前に夫が亡くなっていて,病床で知り合いに未来に出すことを求めたはがきを作り続けていたが,この夏に出すべき暑中見舞いの宛名の住所は台東区と書くのが精一杯だったと知り,墓の住所を知ることができた。隅田川の花火の夜に訪ねてきた春一郎に出掛けたい場所に付き合って欲しいと栞は話す。御殿場線で墓参りに行った帰りは小田原で別れるが,谷中には春一郎が待ち構えていて,古い日本旅館に付き合わされ,二人は初めて結ばれる。都営住宅で花子が好物とする栗ご飯を炊いたが,楽子の風邪を貰って,時間も分からず寝込んでいると夢現の中に自分の名前を呼ぶ声が聞こえる。心配して訪ねてきたのは春一郎で,カレーうどんを作ってくれるが,優しくされればされるほど春一郎の家族の事が思い出され,もう来てくれるなと帰そうとする栞に春一郎は抵抗しない。12月は着物で過ごそうとする客で忙しく,雑誌の仕事も入って忙しく過ごし,母・妹の為のお節も用意し,雑煮の準備も整った。大晦日の夕方,春一郎がやってきて栞は招き入れる〜
 何だか面白くない。誰でも一度は失敗する? まあ,そうかも知れないけど,栞は男にとって都合の良い女になっているのではないか? 奥さんと娘が気の毒なんだけどなあ。純愛といえば純愛かも知れないけど,世間的並みに考えれば,ただの不倫。男は不倫,女は純愛という擦れ違いだな

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最終更新日 : 2012.06.18

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