2012/05/16
これが噂の〜

「供喰い」
〜田中慎弥〜

『供喰い』:田中慎弥(たなか しんや):2012年1月30日:\1000:集英社:県立M高校図書館
 第146回芥川賞受賞
〜『供喰い』昭和63年夏17歳になった遠馬は川辺で父・琴子さんと暮らす。実の母・仁子さんは空襲で右手を失い結婚できないと思っていたが祭で父の円と出会い遠馬を産んだが,夫の性癖に嫌気がさして家を出て義手を付けて近所で魚屋をしている。円の性癖は事の最中に暴力を振るうことだ。一つ年上の千種と欲望の処理をする際に父と同じ癖が出るのではないかと恐れている。琴子さんが妊娠し,父は暴力を振るわなくなったが,遠馬は千種の首を絞めそうになり,会えなくなってしまった。琴子さんは家を出て行くと遠馬にだけ告げた。祭の準備に父は夢中になり,子ども踊りの特訓にかり出された遠馬はこどもらの計らいで千種と再会し,祭の夜から交際を再開しようと約束するが,祭当夜は雨の予報だ。性欲を抑えきれない遠馬はアパートの女を相手に暴力を振るいながら事に及ぶが,女からは父とそっくりだと云われる。予報通りの大雨の中,出て行った琴子さんを捕まえようと父は出て行くが,子どもらが大騒ぎしながら告げた事実は,社で千種に父が乱暴したことだった。千種を魚屋に連れて行くと,仁子さんは義手と包丁を手にして雨の中を出て行く・・・。『第三紀層の魚』信道は下関で母と暮らすが,うどん屋を任されている母は忙しく,若くして死んだ父の実家で過ごす時間が長い。祖母と自殺した元警察官の祖父の父が暮らしているが,曾祖父の話は戦争の話,勲章の話,炭鉱仕事の話,そして釣りの話だ。昔話は嫌いだが,チヌを釣り上げるのが夢の信道はチヌを釣って曾祖父に認められたい。東京にかしわうどんを進出させたい会社の思惑で母が東京行きを決意した上は信道が反対しても仕方ないが,祖母と曾祖父が心配だ。曾祖父が入院し,あっけなく死亡し,祖母は曾祖父が揚げるのに拘っていた日の丸を棺の中の遺体に被せるのだった〜
 『供喰い』よりも『第三紀層の魚』の方が好きだな。インパクトは違うけど,供喰いはドロドロしていてヤダ

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最終更新日 : 2012.05.17

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