2018/
〜8月に読んだ本〜

水木しげるのラバウル戦記 ☆☆☆☆☆ ニッポンの肉食 ☆☆☆ 東大のクールな地理 ☆☆☆ 豚キムチにジンクスはあるのか ☆☆☆☆
異郷のぞみし ☆☆☆☆ 魔力の胎動 ☆☆☆ ψの悲劇 ☆☆☆  

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

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18/08/21
『ψの悲劇』:森博嗣(もり ひろし):2018年5月7日:\1000:講談社:東部台文化会館
★★★★
 Gシリーズ10冊目
〜私は引退した化学系大学研究者の八田家の執事・鈴木だ。この家に来た2年前より先の記憶はない。庭に作った実験室で八田洋久を手伝い日々を送っていたが,主が1年前に突然失踪し解雇になりそうで,帰る場所を持たないので不安だ。失踪した記念の日に,友人である元公安の刑事・暮坂,教室の後継者・大久保,八田家の主治医・吉野,雑誌記者の先崎八田家に集まった。招いてもいない島田文子は洋久が失踪前に連絡を取っていた団体の広報だという。実験ノートには高名な真賀田四季博士の名と謎の数字があり,マウスが右から左に移動していた洋久のパソコンを開き,ψの悲劇というファイルが発見された。私には面白味が感じられない。皆も端末で読んでいるはずだ。未明に家政婦の桂川が飼い猫がキッチンで死んでいると知らされた。牛乳に何かが入れられたのかも知れないが,パックの中の残りは誰かが飲んでも困るので捨てておいた。朝食の用意が整っても現れないゲストを呼びに行くが,島田は間もなく現れたが,医師の吉野の姿が見当たらない。朝食後に捜索すると,実験室内で鉄製花瓶で頭を殴られ死亡していた。犯人は誰か,鍵は鈴木と未婚の長女・順子しか持っていない。ひょっとしたら,失踪中の洋久も持っているかも知れない。簡単な事情聴取の後で,島田が嘘の連絡先を残して姿を消した。衛星を介した連絡が島田からあり,疑われているのは鈴木だと告げられ,島田自体は国家権力からマークされていると教えられる。事件解決が膠着して一月後,洋久の次女の小5の将太が牛乳を飲んで痙攣を起こし,病院に緊急搬送された。再び,島田から連絡を貰い,買い物に出た足で,島田に連れられて逃走が始まる。島田は,自分が自然人ではないという自覚はあるのか? 鈴木は第一号実験体で,頭の中に洋久のデータが詰まっているはずだが,中々連絡が繋がらないので失敗作かと疑われていること,自分のプロトタイプは冷凍されていて,第二号実験体であること。謎の小説が催眠のように聞いて,主治医に見殺しにされた洋久の妻の無念を鈴木が果たしたのだと告げられるが,鈴木自体に記憶がない。だが確かにそんな気がする。逃げ切った鈴木は新しいハコを得て洋久として,鈴木のハコの中身はデフォルトに戻され,八田家に帰った。復活した孫の将太はMIS進学後は,二人で歩んでいこうと提案してきた〜
 読み終えるのに一週間掛かった。AIと人,人の方が要らなくなるという・・・最近のテーマはWシリーズと一緒,最初から鈴木さんは怪しい存在だなぁと思ってはいたが。φ,θ,τ,ε,λ,η,α,β,γ,χと来てψ,次はωでやぱり悲劇だそうだ。確かに執事という仕事は不思議だよなぁ。誰よりも早く起きて,休みもなさそうだし,幾ら金貰っても使いようがなさそうだから,ロボットで十分だよね

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18/08/14
『魔力の胎動』:東野圭吾(ひがしの けいご):2018年3月23日:\1500:KADOKAWA:県立CSRD高校図書館
★★★
 ピエール・シモン・ラプラスは,この世のすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在するならば,その存在は,物理学を用いることでこれらの原子の時間的変化を計算できるだろうから,未来の状態がどうなるかを完全に予知できる−と曰うた・と3年前に調べている・英語の副題はLaplace"s movement
〜工藤ナユタは甘粕才生が監督した「凍える唇」で倒錯した快楽を求める少年を演じ,からかわれて高校に通えなくなったが,医学部に進学した。しかし,鍼灸師に鞍替えして,師匠の客を引き継いで全国を駆け回っている。その一人は,ベテランのスキージャンパー。膝を悪くして引退も考えている。母を竜巻で亡くして,流体力学に興味を持つ,羽原円華が向かい風を読めるんだと関わってきた。捕れるキャッチャーが膝の故障で投げられなくなるプロのナックル・ピッチャーに後釜のキャッチャーに自信を持たせることにも関わってきた。工藤の高校時代の恩師が,発達障害の息子を川の事故で植物状態にしたことを悔やんで,求職中であることを知って,母親が飛び込んでも助けられないことを円華が証明し,父である羽原全太朗による脳外科を受けさせることを承諾させた。工藤の客である盲目の作曲家の恋人の死の真相を解明した。谷底から吹き上がってくる風の音を採録しようとして崖に立って,吹き下ろしてくるダウンフォースを受けたのであって,同性愛のカミングアウトを苦にした訳ではなかったのだ。ナユタがゲイに嫌悪感を抱くのは,ナユタと名乗る前の京太として出演した「凍える唇」の打ち上げで,映像プロデューサーの水城義郎に無理矢理酒を飲まされ,強姦された記憶が心を傷つけられたことを円華は知っていたのだ。本名で生きていくことを決めた工藤は,水城義郎が温泉場で散歩に出て,硫化水素中毒で死んだニュースを聞く〜関係者の3人目は,家族を失った映像作家が立ち直っていく様をノンフィクション小説にし,更に映像化しようとしている〜
 そして,2015年に出した「ラプラスの魔女」に続く・・・っと,ということでした

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18/08/09
『異郷のぞみし』:佐伯泰英(さえき やすひで):2018年6月17日:双葉社:¥648:茂原市立図書館
★★★★
 空也十番勝負・青春編・四番勝負
〜坂崎空也は五島列島から対馬に来て,彼方に異郷・高麗を望んだ。眉月との約束もあったからだ。途端に対馬宗家の重臣に発見され,朝鮮船へ同行を求められたが断り,後難を予感して立ち去ったが,追っ手が差し向けられた。杣小屋で同宿した小間物売りはトラ吉と名乗り,公儀隠密と知れた。朝鮮通信使の往来がなく,藩財政が窮乏している対馬藩江戸家老が,アヘンの密輸に手を染めており,その証を求めていたのだ。偽の使いを船に送り,手薄になった船からアヘンを手に入れ,空也は立ち合った朝鮮剣士の腕の健を切った。長崎奉行所の船で対馬を出た空也は壱岐で降り,黒崎岬の猿石で六尺棒を操る朝鮮剣士と稽古を積み,対馬で破った朝鮮剣士の師が送り込んだ手先に囲まれたが,脱出して平戸へ。平戸では藩主の歓迎を受けて心形刀流などと稽古をする一方,南蛮平戸剣法の夜稽古にも加わり,左手の楯を攻撃に使って稽古仲間を破った。稽古仲間が消えた頃合いで,弩弓を従えた李智幹老師が跡取りの敵討ちで現れたが,手下を囲った南蛮平戸剣法家が手出しを封じた中,五尺四分の棒先に剣と飾りを付けた老師との尋常勝負に勝利した。次の目的地は長崎…〜
 佐伯さんの道が開かれたのは,磐音シリーズからだったから,そう簡単に止めさせて貰えないんだね。小遣い以上のお金を稼げるし。最初から十番勝負なんで,大怪我もさせられない。勝つのは当たり前で。取材と称して長居するんだろうなぁ,佐伯先生

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18/08/08
『豚キムチにジンクスはあるのか』:絲山秋子(いとやま あきこ):2007年12月6日:マガジンハウス:¥1200:千葉市立若葉図書館泉分館
★★★★
 2006年Hanako連載のバカ丸出し絲的炊事記
〜餅焼いてイカスミで和えてリボンのパスタ。冬に食べる冷やし中華はなお寒い。大根一本どう食うか。群馬の牛肉もすき焼きで美味くて、オージーを食うと懐かしい。買い物カートの運転は車より上手。丼丼丼丼丼。蕎麦屋で酒を飲む。デパ地下の総菜で炒飯を作っても美味くない。豚キムチにはずれなし。春? 自作ナポリタンソース。我が家へ。ランチにタイ・インドネシア、ディナーでベトナム。インドネシアのサンバルソースとレモンでエスニック。冷や汁に素麺は合う。鳥まるまる一羽煮て、レタスの鍋を夏食う。インスタント色々。サーモンを一パック一気に食っても美味くない。高崎コロッケ巡り(母のコロッケは鮭缶とジャガイモ)。群馬舞茸センターの舞茸は絶品。群馬のパールライス・ゴロピカも炊きたては美味い。30代最後の恋しい相手から貰った卵でプレーンオムレツ。中ることを覚悟で牡蠣御飯にチャレンジ。父親の作るキッシュ・ロレーヌ。後書きでセネガルのアフリカンチャーハン〜
 食い物エッセイは東海林さだおだと思っていたので、絲山秋子さんに出会えてラッキー・・だが、十年以上前の話。著者のプロフィールに「早稲田大学政治経済大学卒」ってあるのが悲しい・チェック漏れだろうか?

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18/08/07
『東大のクールな地理』:伊藤彰芳(いとう あきよし):2016年9月10日:青春出版:¥1330:千葉市若葉図書館泉分館
★★★
 「経済と“世界の動き”が見えてくる!」がタイトルに付いてくる
〜「スペインには,世界的に知られている自動車のブランドが見られないのに,自動車が輸出第1位となっている。その理由を,スペイン国内外の状況にふれながら,3行以内で述べなさい。(2014)」「2000年代に入って,とくにアフリカ諸国では,中国からの輸入が急増している。この背景を2行医[内で述べなさい。(2015)」「EUぜんたいからみた貿易収支は,中国,ロシア,日本に対して大きな赤い字になっている。それぞれの相手国で,EUが貿易赤字を抱える理由がどう異なっているか,2行以内で述べなさい。(2014)」「近年,アメリカ合衆国の通信量は,インドが急増しており,日本・韓国・中国との通信量に比べてかなり多い。理由を2行以内で述べなさい。(2014)」〜
 上の4つは表紙?カバー?に書いてあるモノ。裏表紙には「暗記科目ではない。「東大地理」は,グローバル経済の“地殻変動”をこう問いかける!」とあるけど,まあ解るけど,知識がないと発想もできないから,結局,見聞きしたことを覚えていられるか否かの記憶力の勝負だね。私は敵わないな!

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18/08/06
『ニッポンの肉食』:田中康弘(たなか やすひろ):2017年12月10日:筑摩書房:¥780:県立CSRD高校図書館
★★★
 ちくまプライマリー新書289
〜日本は半世紀で肉の消費量が十倍になった。縄文時代から落とし穴猟は行われ、シカなどの動物を追い込んで捕っていた。肉食禁止令はそれだけ肉食が行われていたことの証である。仏教の戒律に背いて殺生をする理由は@肉を得るためA皮や毛を利用するためB田畑を守るため。そして屠殺・屠畜という営みは欠かせない。関東ではウマが、西ではウシが活躍。それらを肉とするほか、ブタ・ニワトリ・ヒツジ・ヤギも。狩猟肉としてはクマ・シカ・イノシシ・ウサギ・タヌキ・アナグマ・(ムジナ?)・クジラ・海獣類。中間に位置するのがイヌ・ネコ。1990年代まで東北でイヌ食いの記録があり、ネコは2000年あたりのネコ捕り婆が最後。ウシ・ブタは大型獣として処理され、ニワトリは別ルートの小動物専門の施設で肉となる。狩猟の現場では大変。早く内臓を抜かないと臭くなるが、運び出す人手が足りない。年寄りだけになって、捨てられる。罠猟でも檻の中で動き回る獣を殺さないと運び出せず、泥と血で汚れる〜
 肉食が広がるとアメリカの飼料農家が儲かる仕組み! タヌキが美味いか不味いかは食べた固体の状態に因るものだった。ジビエって簡単じゃないなぁ

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18/08/01
『水木しげるのラバウル戦記』:水木しげる(みずき):1997年7月24日:筑摩書房:¥950:県立CSRD高校図書館
★★★★★
 朝ドラのゲゲゲの女房は,結婚後の話だったね,これはその前の話
〜岐阜から門司,そしてパラオ,ラバウル。ココボ・トーマ・ズンケン・バイエンから一人で逃げる。トーマでの捕虜生活〜
 酷い生活だよねぇ。敵より老兵の方が酷いといのが悲劇。北方か,南方か・どっちを選ぶだろう。毎日ビンタ,イバラギ語を操るイバラギ人より,土人との方が心が通うので現地除隊も考えていたらしい。面白い人だね。戦争の訳解らなさは凄いなぁ

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18/08/
 
★★
 
〜〜
 

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最終更新日 : 2018.08.22

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