2018/01/29
予感があるのだろう

「ペガサスの解は虚栄か?」
〜森博嗣〜

『ペガサスの解は虚栄か?』:森博嗣(もり ひろし):2017年10月18日:講談社:¥720:茂原市立図書館
 Wシリーズ7:副題"Did Pegasasu Answer th Vanity?" 森さんは従来の出版業の世界の終わりが近いことを実感しているだろうね。講談社も単行本でなく新書版でもなく、いきなり文庫サイズだから。文庫にして720円は安くないけど、場所をとらないし、軽いし、良いのかも
〜ハギリの警護はウグイが昇進してキガタ・サリノというウォーカロンになった。ハギリはコーキョの地下2000mの核廃棄物埋蔵地の上部にある生命科学研究所のスーパーコンピュータ・ペガサスから、パリで逃亡したウォーカロンがインドの富豪ケルネィの邸宅にいて子どもを産んだと教えられた。カプセルと呼ばれるクローンの基となる原個体を予め体内に格納し胎児を育てるという。ケルネィがハギリの識別装置を購入したこと、ケルネィの娘のかつて家庭教師が以前共に死線を乗り越えたツェリン博士であることで、ハギリに調査のお鉢が回ってきた。華やかなパーティ当日庭を歩く人形を見かけ、ケルネィ氏が所用でカナダに飛んだ翌日、裏庭を調べていると屋敷で働いているウォーカロンが暴走し、それを排除して、地下への入り口と地下室を発見した。地下施設に横たわる女性は娘のラビーナに違いないとツェリンは断じ、他に数体のウォーカロンに見守られている赤ん坊も存在した。事情を聞くために屋敷内のラビーナを訪問するとハギリは襲いかかられ、キガタが必死で抑え付けているラビーナの目をキガタの小型銃でハギリが打ち抜いて動きを止めた。屋敷のラビーナは独立系のロボットだったのだ。操っているのは地下施設のラビーナに違いないが、なぜ暴走したのか。翌日ケルネィはカナダから、ツェリンとの息子であるラヴィンを伴って戻り、赤ん坊のDNA鑑定を実施することを約束して、ハギリとキガタともう一人のボディーガードのアネバネはニュークリアに戻った。翌日、北極海で眠っていたオーロラの端末が訪れ、ペガサスと会いたい旨が告げられ、ツェリンからラヴィンを通し、ナクチェの冷凍遺体の情報に関する調査データがウォーカロンメーカーに漏れており、訴追されることも告げられる。話を聞いたウグイは休暇を取ってインドにいるツェリンから事情を聞くために行きたいと提案され、ハギリも同意するが、思い掛けずニュークリアからの正式出張となった。着いたケルネィ氏の屋敷では大騒動が起こっており、炎も上がっている。駆けて付けるとラヴィンが火炎放射を手に姉を探し続け、制止させようと腕と足をウグイに撃たれたラヴィンと止めようとした母親のツェリンは焼死した。ラビーナは地下に、さらにラビーナは父親を地下に呼んで難を避けていたのだ。父親の愛情を独り占めにしていた姉に弟は嫉妬していたのだ。赤ん坊はラヴィンの子で、産んだウォーカロンはナチュラルセルから作られた不法クローンであった可能性が高い。ペガサスは他のAIに対して見栄を張り演算を間違えたのか?〜
 人工知能も見栄を張るってこと! 表紙にさりげなく書かれている(マスキングテープの上の文字として)「Mankind is the most vulnerable component.」のvulnerableって「傷つきやすい」ないしは「隙だらけ」って意味だった…うーん

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最終更新日 : 2018.01.29

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