2017/12/07
〜旅先で

「風神雷神 風の章」
〜柳広司〜

『風神雷神 風の章』:柳広司(やなぎ こうじ):2017年8月29日:光文社:¥1500:茂原市立図書館
 確かに俵屋宗達の人生は知らないな
〜京の西陣に店を構える老舗の唐織・俵屋の末息子・伊年は暇があると図柄を写し取ることに夢中になる。上京小川の分家で扇を商う店に跡取りとして入ったが、空を掴むような体たらくで醍醐の花見でも届け物の扇を風に飛ばされてもぽかんとしている。あちこちに広げられた屏風絵に魅入られているのだ。それでも扇に描く絵の意匠は秀逸で、北野で小屋掛けをしている出雲の阿国に呼ばれて一夜を共にした挙げ句、顔に恐ろしい鬼の形相に墨を入れられた。刀一般を商い、文化人として知られる本阿弥光悦は、幼馴染みの紙屋宗二に連れられ、宮島に平家が納めたのち潮で傷んだ経に朝陽のような背を持つ鹿を描いたのが目にとまり、嵯峨野にこれも幼馴染みの角倉与一が開いた印刷場で、下絵を任したのだった。朝鮮から連れてこられた職人を使った本朝初の活版印刷は評判となり、幕府の目にも止まったが江戸には上らず、田舎暮らしを始めた。伊年はそれに従わず家業専念を誓う〜
 これで終わってたら風神雷神図はなかったわけで・・・

12月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2017.12.12

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送