2017/10/13
〜一部から2カ月経過

「騎士団長殺し第2部遷ろうメタファー編」
〜村上春樹〜

『騎士団長殺し第2部遷ろうメタファー編』:村上春樹(むらかみ はるき):2017年2月25日:\1800:新潮社:県立C高校図書館
 ノーベル文学賞発表前日のニュースで見たけど、1部2部は同時発売だったんだ
〜秋川まりえは「騎士団長殺し」が好きだと言い、叔母の笙子共々昼食に誘うと、訪ねてきた免色渉と思わぬ初対面が実現した。いつの間にかスタジオに置いてあったすずが消え、久々に現れた騎士団長も行方は知らないという。山の小径を辿って来たまりえと話し合う内に彼女が免色に何かしら感じているのが分かった。日曜の肖像画作成の時間が過ぎて迎えに来た免色はまりえと笙子を自宅に招き、ぼくが描いた絵を見て食事をした後、僕の家を訪れてウィスキーを飲んで帰った夜中、大きな音がして目覚めてスタジオに行くと、雨田具彦氏だとしか思えない人物がスツールに座って「騎士団長殺し」を見つめている。電話で息子の政彦に父親の様子を尋ねると変化はない筈だが、伊豆高原に父を見舞った帰りに寄るという。秋川まりえの肖像とスーパーリアリズムの「雑木林の中の穴」を描いているが、息子が来る前に「騎士団長殺し」は隠した。政彦は妻柚の近況として、妊娠していて産むつもりだと僕に伝えてほしいと云ったという。相手はハンサムな男らしい。妻が妊娠した時期の日記を読み返すと、4月19日夢の中で妻相手に激しく射精していた。免色に起こったことと似ていないか。私には性的な分身である夢魔がいるのか。モデルを務めた午後に再び来たまりえは、免色と叔母は特別な関係にあると事を告げていった。「雑木林の中の穴」が完成した翌日、まりえは学校に出掛けたまま行方不明になった。心配する私の前に騎士団長は現れ明日の誘いは何が何でも引き受けろとアドバイスする。誘いは政彦からで具合が悪いと施設から連絡があって様子を見に行くのに付き合えと云うことだった。瀟洒な施設で目覚めた雨田画伯は「屋根裏」と言う言葉に反応し、政彦が席を離れたときに姿を現した騎士団長は、僕が騎士団長を絵の中と同じ構図で刺し殺せば新たな展開でまりえは探せるという。騎士団長の20cmの剣ではどうにもならず、政彦が山の家に持って来て見当たらなかった出刃包丁で刺し殺すと、赤いとんがり帽子の顔ながが床に空板60Cmの穴から頭を顕した。騎士団長は邪悪な父親だったのか。顔ながを捕らえて問い詰めると自分は下っ端のメタファーで、穴の中はくらく、冷たい氷の流れは渡し場の舟で越えるのだという。川の水を飲み、まりえが塚の底に残していったペンギンのストラップを渡し賃として川を越え、森を越え、洞窟のカンテラの下で身長60cmのドンナ・アンナと出会い、コミが入ったような小さな横穴を先頭で進んで、身動きが取れなくなると、後から追ってきたなにものかに足首を触られて仕方なく前進し、狭い口から出た先は、あの雑木林の中の穴だった。完全な暗闇の中、懐中電灯となくなった筈の鈴を見つけ、鈴を鳴らしては眠ることを繰り返して、どのくらい時間が経過したかも解らぬ時を過ごし、音がして暗闇に光の筋が入ってきた。免色が誰かが落ちては大変とシートを被せたが、鈴の音が聞こえて、僕を救出してくれたのだ。まりえは、その火曜の数時間前に歩いて家に帰っていた。二人きりで話すと、免色の家に忍び込んだが、警備が厳しくて出るに出られず、地下二階の使われていないメイド室に案内してくれたのは騎士団長だったという。ハウスクリーニングが入る火曜を使って免色の家を抜け、山で彷徨っていたことにしたのだった。騎士団長を見た彼女は僕の言葉を信じ、二人で「騎士団長殺し」と「白いスバル・フォレスターの男」を厳重に梱包して小田原の山の家の屋根裏部屋にしまい、二人の共通の秘密とした。柚と話し合い、離婚届は出していないこと、お腹の子の父親は交際していた男ではないと確信していることを受け入れ、僕は広尾のマンションに戻り、生まれた娘・ムロの世話をしながら、小田原の山の家が未明の火事で焼けたことを知る〜
 うーん、今年のノーベル文学賞はイシグロ氏で、インタビューで「次は村上春樹に・・ 」って云ってたけど、二年続けて日系はないでしょ! この本は種明かしを丁寧にしてくれているが、ちょっと丁寧すぎる気もするな。でもちゃんと終わっていることが分かって安心する

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最終更新日 : 2017.10.16

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