2017/07/27
やっぱ面白い〜

「敵討ちか主殺しか」
〜佐藤雅美〜

『敵討ちか主殺しか』:佐藤雅美(さとう まさよし):2017年6月20日:\1700:講談社:茂原市立図書館
 居眠り紋蔵シリーズ第15巻(って書いてないけどね)
〜拝領地を交換した大名家の中屋敷の代表・山本は火事場泥棒が持ち込んだ旗本の刀を買うため、二丁町に面した町屋の二階に目隠しを付けろと難癖を付けた。大地主の廻船問屋の隠居・徳兵衛は、隠居所が火事で半焼になるのを池に入って薦を被って見ていたが、がっちりとした体格の二人が地主の旗本の蔵に入るのを見ていたのだ。八丁堀で攻めの医術を施す戸塚玄庵は評判の良い弟子・井上以伯を娘婿に迎えようと話をするが断られる。伊勢徳の隠居に呼ばれた評判の以伯は、帰り際に伊勢徳を脅しに来た鳶を追っ払うために投げ飛ばしたが、二日後に死んだと言い掛かりを付けられて入牢した。鳶は二丁町の顔役の子分でもあり、その親分が情けない連中に腹を立てて殺してしまったのだった。そもそも以伯は玄庵は飯田の水呑百姓の倅で京都にいた以伯の祖父の薬箱持ちをしていて、主を殺し、著作も盗んで、江戸に出て来て医者を開業した者で、確証が得られた今、以伯は二代にわたる敵討ちをしようとして、玄庵宅に潜り込んでいたのだ。玄庵は死罪になると周りから諫められて断念した。季節外れに火盗改を拝命した小野佐大夫は、火盗改の屋敷を賭場にして経費を捻出していた旗本が取り締まりに遭い、博打打ちが形を潜めていて、新任で張り切っているのに手柄が立てられない。旧聞に属するが御家人が観音政の子分に屋敷を貸していたのを耳に挟んで評定に挙げたが、旧悪は咎に及ばず(時効)と一蹴された。南町奉行の後ろにいた紋蔵が、文吉が身内になっている観音政に類が及ぶのを恐れて入れ知恵したと判断した小野は、観音政と文吉を呼ぶが、観音政は文吉を追い出し、15歳の子どもを身内にするわけはないと言い逃れる。紋蔵が文吉を捜し回ると、勘太の所に転がり込もうとしていた。若竹で再会した紋蔵と文吉に同席していた伊勢徳の隠居は船乗りになることを勧める。文吉を見初めた小島玉と対面した文吉は、すっぱりと話を断り、黒門の潮五郎の世話になることに決めた。伊勢徳の隠居処に居座っている浪人は、貸した金を返すまで居続けると云っている。金を貸したのは金貸しの丸徳、借りたのは大伝馬町の木綿問屋三河屋の勘当された若旦那の清次郎。清次郎は文吉の手習い所の弟分・正太の母の夫となって居着いている。三河屋の主が亡くなり、書き置きが披露されると三千両を正太と正太の母なかに遺すと書いてあった。枝珊瑚をボロ市で仕入れた平太は店を持たない骨董使い走りの徳蔵に二重売りで訴えられた。大坂の廻船問屋の舟が時化に遭って式根島に流れ着き、一人が救われたが、救った式根島の船頭が長持ちに入った高価な品を猫糞し、品川宿でこっそり売り捌こうとしたが、店番に枝珊瑚を持ち逃げされ、買い戻すための、二股を掛けていた両者が争った結果だった。以伯は、藩の道場で増長した弟子に両臑を折られて致仕した剣術家が小石川の養生所に送られたと聞いて引き取った後、札差の用心棒として雇われた。一方、師に怪我を負わせて重村丹後から暇をもらった早瀬小弥太は下谷で不良御家人を集めて、黒門の潮五郎の縄張りを荒らし始めた。鉄砲玉には文吉が選ばれた。養生所では泊まり等の役人小者小女12名惨殺される事件が起こり奉行所は大騒ぎ。小弥太の家にも賊が入り、小弥太本人が斬り殺された。犯人は剣客・小関正蔵に違いないが、名主・家主から20両を巻き上げて姿をくらましていた。野州出の金貸しの浪人が20両の結納を払ったのに嫁いでこないと訴えてきた。娘は幼馴染みと煮売り屋を始めている。小野が舟での博打を検挙しようとして密通者を発見したが、町奉行の壱岐守は紋蔵の入れ知恵で、隠売女の扱いにした。これを聞いた野州出の金貸し・江藤弥五郎は車引きの娘・たまとその夫・三次郎を密通の廉で訴えた。徳兵衛は江藤が押し込みで得た金を元手にしたのではないかと館林に人を送り、江藤ではない江戸橋の河太郎に行き着き、江藤も一味であることが露見した。お姫様になったみわのおさらい会に出るちかは、小町名主の娘であった母そでから、余所行きがないから出られないと云われ、元船頭で今木戸番をやりながら金貸しをしている父・万吉を訪ねたが、船頭をしていた20年前に猫糞した30両が元手だろうと破落戸に絡まれていて素気なく帰された。金をくすねられたと訴える幸兵衛と喧嘩になり、牢に入れられた万吉の人別は母子の住む長屋にあり、まだ夫婦のままだった。幸兵衛は口から出任せだったと判明したが、万吉の元では確かに拾ったものだったが、熨斗紙に包んで落とした店の先に置いて返したのだった。ちかを泣かした祖父と父は揃って余所行きを届けることになり、そでと万吉は縒りを戻した〜
 危うく人殺しになるところだったが、文吉の身の振り方が漸く決まったかな。このシリーズの絡繰り・種明かし・解決編は案外あっさりしてるんだよね。仕掛けは複雑だけど…ま、実際の犯罪もそうかな、云われてみればって感じで

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最終更新日 : 2017.07.27

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