2017/07/14
〜シリーズ原点〜

「おそろし」
〜宮部みゆき〜

『おそろし』:宮部みゆき(みやべ):2008年7月31日:角川書店:\1700:千葉市若葉図書館泉分館
 三島屋変調百物語事始
〜おちかは川崎の旅籠の娘おちかは、自分のせいで人が死んだのを悔やんで,叔父の袋物屋・三島屋に引き取られたが、叔父夫婦の不在に叔父の碁敵の相手をして、曼珠沙華に纏わる奇怪な話を聞いた。建具屋の主人には、親のように世話をしてくれた長兄が居て、ある時かっとなって見境がなくなり大工を撃ち殺してしまい、15年間の島流しから帰ってきたのに、今の暮らしを壊されたくなくて、恨んでいた兄が、世話になった親方の庭に咲いた曼珠沙華を見て、首を括ったのだった。その後、心臓の病にも拘わらず、穏やかに死んだ話し手は気が晴れたのだろうと叔父は理解し、それから、口入れ屋を通して不思議な話を聞かせる人間を探して、聞かせるのをおちかの仕事にしたのだった。最初にきた話し手は、錠前職人の父親が、不思議な木製の錠前を預かった内藤坂なかほどの屋敷に住んだ話を語る女だったが、様子が怪しい。おちかの身の上を言い当て、その屋敷に住まないかというだったが、一家の生き残りで、虚ろになった心に化け物屋敷が入り込んで動かしているのだった。妙な夢を見るようになって、おちかは黒白の間でおしま相手に、自分の許嫁の良助が松太郎に殺された経緯を述べる。松太郎は寒い中、川に流され瀕死の状態で助けられ、丸千で兄弟のように育てられ、おちかは線引きをしていたものの、心憎からず思っていた相手だったのだ。祝言の祝いを述べたのが生意気だと詰られ、殴られ蹴られ、良助が持った鉈を取り上げて逆襲し、助けられた場所で飛び降りて首を折って死んだのだった。仕立屋の娘だったお福が語るのは、姉と兄の恋。嫌な咳を繰り返すお彩は大磯に里子に出され、江戸に帰ろうとすると悪化する。その後で生まれたのはお福で、美貌の持ち主として帰ってきたお彩に魅了された市太郎は道ならぬ恋情を抱き、誰もが解っていて口にできなかったが、職人頭だけが主人に諫言し打ち殺されて病死と届けられた。お彩が首を括ると市太郎の憑き物が落ちたように冷静になり、修業先の次女を嫁として連れて帰ってきた。お彩の持ち物はすべて処分されたが、市太郎は妹のお福に手鏡を託して修行に出て、帰ってきて取り戻したのだった。お多福顔の嫁お吉がそれを覗くと、鏡の中に閉じ込められ、代わりにお彩がお吉に取り憑いたのを悟った母おかねは、嫁を手鏡で打ち殺し、市太郎も姉と同じ鴨居で首を吊って果てたのだった。おちかの兄・喜一が三島屋に来るという。何事かと聞くと、松太郎の亡霊が川崎の実家・丸千に出て、呼ばれたと云って姿を消したというので、妹の所に来ているのではないかと考えたからだ。そんな中、越後屋の清重郎が慌ててやって来た。座敷牢のおたかが松太郎が来たから、おちかもやって来るというのだ。意を決して、おちかはおたかの入れられている座敷牢に入ると、それは安藤坂の荒れ果てた屋敷で、蔵だけが新品同様でおたかと松太郎を使って、おちかを招いている。押しとどめたのは建具屋の主で死んだはずの藤兵衛だった。話を聞いて貰った皆がおたかとおちかを外に出す手助けをするが、蔵の中の化け物を退治しろという。蔵の中の長押の櫃の中は空、その空を外に出そうとおちかは振り返らずに蔵を出て行く…〜
 「家の光」に連載されて角川書店で単行本化::次々に掲載誌を換えたのだ。なーるほど、こういう経緯がおちかにあったんだねぇ。シリーズ物の最初は呼んでいないとねぇ。よっぽどのことがあったんだろうとは想像していたけど、想像を上回っていた

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最終更新日 : 2017.07.14

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