2017/06/22
〜久し振り〜

「三鬼」
〜宮部みゆき〜

『三鬼』:宮部みゆき(みやべ みゆき):2016年6月30日:\1800:日本経済新聞出版社:東部台文化会館
 題字は北村宗介で,挿画は北村さゆり・・第三作とは出版社も字も絵も違う
〜相模から出てきた小作の娘・おつぎは村で遭った亡者の話を殿様である旗本に語る小手調べとして、おちかに語る。一の殿様の姫様が亡くなって祭が禁止され、大行灯でおひかり様を目覚めさせることができなくなり、村人は名主の呆けた隠居が使っていた離れ屋敷を大きな行灯に見立て、絵師に村人の姿を描かせたが、名主の死んだ隠居や、おつぎの兄の許嫁が薄ぼんやりとした姿で現れ、その代わりに村人が一人ずつ冷たくなって床に就いてしまう。絵師は竹で手形を作って亡者に渡し帰って貰うことに成功するが、この世の村人も一人あの世へ旅立ってしまった。花見の季節に弁当を拵えてくれるだるま屋は商いを大きくしようとしない。店の主人は搗金の菜種問屋の出身で煮売り屋をしていたが、生母が危篤だと聞いて帰郷し帰ろうとした夜の峠道で、ひだる神に取り憑かれたのだ。ひだる神は美味しければ母の遺品のお手玉から小豆を三つ取り出して並べる。何が受けるか理解した達磨屋は商売を拡大したが、店に取り憑いたひだる神も大きくなって、店の造りを壊すほど生長し、隙間風で家人が起き上がれないほどだった。商売を小さくしてひだる神に小さくなって貰い、細々と生きていく道を選んだのだが、父の葬儀に出向いた帰りに、取り憑かれた場所で、だるま屋から離れていったらしい。二万石の森・栗山藩は改易となったが、その元江戸家老・村井清左衛門は若き日の山番士の話を始める。三里はなれた上村・下村では怪我人・病人がでると赤い狼煙を上げて知らせる。若き日の清左衛門は、真っ黒な籠を被り、蓑に雪沓を履いた化け物を見てしまう。同僚の鉄砲使いが村で見初めた女と生まれた子も化け物が来て、命を失った。鬼と呼んでいるが、元は上下に分かれて厄介になった者に互いに引導を渡していたのだが、鬼が現れた。貧しさ故と同僚の鉄砲使いは山を下りて山奉行に訴え、藩主にも願いが届けられた。山を下りた清左衛門は、江戸に上り、家老に気に入られて後釜になったが、江戸での倹約を叫び続けて煙たがられていたのだ。話し終えて数日後、清左衛門は腹を切った。従兄の富次郎が修業先の揉め事に巻き込まれて怪我を負い、帰ってきた。おちかの仕事を聞いて、次の間でお勝と聞きたいと願ってきたため、呼ばれたのは梅という老婆。おくらさまという神様がいる香具屋の美人姉妹に産まれたが、家事が出た時に主が願い、その店だけは助かったが、次姉の菊がおくらさまになってしまった。不思議な話を終えてふっと姿を消したことに次の間にいたはずの二人に尋ねるが、憶えていない。手掛かりは店の名。貸本屋の若旦那も協力して噂話を集め、遠縁に引き取られていたお梅を発見する。生き霊になって黒白の間に赴いたのだった。手習いの若先生が故郷に帰り仕官するという…〜
 日経新聞で連載していたらしい。第四巻だが、違う印象。最初の話「迷いの旅籠」は暗くて、語り手を13歳の少女にしたため、話が進まずに苛々させられた。新聞で読んでいたらもっと苛々するだろう。悲惨な話でも、「三鬼」のように整然としている方が良いよね。所で、鬼は一匹しか出てこないけど、私の読み込み方が甘い所為?「ひだる神」のように悪さをしない妖怪も良いけど。手習い所の若先生が去り、貸本屋の若旦那と、帰ってきた従兄である小旦那が登場した。まだ続くの?

6月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2017.06.22

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送