2017/6
〜6月に読んだ本〜

きみは赤ちゃん ☆☆☆☆ 株式会社家族 ☆☆☆ YO! サボロー ☆☆☆ 図解大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる ☆☆
駄菓子屋図鑑 ☆☆☆☆ 主夫のトモロー ☆☆☆ ランボー怒りの改新 ☆☆☆☆ 失われた猫
明るい夜に出かけて ☆☆☆☆ 陽気なギャングの日常と襲撃 ☆☆☆ 雑学うんちく図鑑 ☆☆☆☆☆ 陽気なギャングは三つ数えろ ☆☆☆
嫁入り ☆☆ 三鬼 ☆☆☆ くらべる時代 昭和と平成 ☆☆ 森の美術館 ☆☆
文庫解説ワンダーランド ☆☆☆ 東京図鑑 ☆☆☆ 女湯のできごと ☆☆☆ 王様でたどるイギリス史 ☆☆☆

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

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17/06/30
『王様でたどるイギリス史』:池上俊一(いけがみ しゅんいち):2017年2月21日:\880:岩波書店:県立C高校図書館
★★★
 ジュニア新書847
〜1乱立する王国(アングロ・サクソン諸王からエドワード証聖王まで400頃〜1066)ローマ人の撤退/七王国の時代/デーン人の侵攻とアルフレッド大王/クヌートの北海帝国/スコットランドのアルヴァ王国/伝道師アウグスティヌスとケルト系修道院の役割:2フランス語を話す「帝国」の王たち(ウィリアム1世からジョン欠地王まで1600〜1216)ノルマン・コンクェスト/集権的封建制度の浸透/ドゥームズデイ・ブック/ヘンリ1世の治績/スティーブンvsマティルダ/「アンジュー帝国」とは何か/ヘンリ二世治下の統治機構/アイルランドとウェールズの征服/ジェラルド・オブ・ウェールズの探訪記/十字軍に夢中になリチャード獅子心王/王様はフランス人/マグナ・カルタの意義/農民の暮らし/スコットランドの動き/アーサー王伝説/奇跡をおこす王:3法律・議会・立憲君主(ヘンリ三世からヘンリ七世まで1216〜1509)オックスフォード条款/「プリンス・オブ・ウェールズ」とスコットランド侵攻/騎士道に夢中な王/セント・ジョージ崇敬/模範議会/寵臣の跋扈/百年戦争の結末/薔薇戦争−果てしない殺し合い/都市の商人と職人/ロビン・フッド伝説:4絶対主義の確立とルネサンス(ヘンリ8世からジェームズ1世まで1509〜1625)ヘンリ8世の対外政策/英国国教会の誕生/国王至上法と礼拝統一法/エリザベス朝ルネサンス/海賊としての女王/長老派を国教とするスコットランド/悪魔学者の王ジェームズ1世/ジェントルマンの台頭・納得の階級社会/九品法と怠惰な貧者:5革命のもたらしたもの(チャールズ1世からジョージ3世まで1625〜1820)王の処刑、ピューリタン革命/クロムウェルによる共和制/拡大する植民地政策/王政復古/名誉革命へ/スペイン継承戦争とグレートブリテン連合王国の成立/議院内閣制の発達/王様はドイツ人/お百姓ジョージ/植民地戦争とフランスとの対立/「イギリス国民」の形成/アイルランドのたどった道/紅茶を飲む英国レディ/ビールとジン/囲い込みから産業革命へ/素晴らしき庭園/プラント・ハンターの活躍/偉業の象徴、動物園/個人主義者の社交/チャリティーの深層/福祉君主制/勇猛にして無慈悲な人びと/軍人としての王/あっさりしたイギリス人/死に魅入られた人びと/パブリック・スクールの役割/現実重視の経験論/功利主義の思想家たち/ユーモアあふれるイギリス人/ホガースの風刺画/風刺文学の隆盛/闘鶏・熊いじめ・キツネ狩り/動物愛護とペット犬の登場/国民性創造の時代:6大英帝国の建設(ジョージ4世からエドワード7世まで1820〜1910)カトリック解放へ/選挙法改正/ヴィクトリア朝の帝国建設/道徳的君主制/栄光の裏側/遅れる女性解放/「白人の責務」論/「創造の帝国」と栄誉/分断統治の得意技/レディ・トラベラー/味に無頓着な王/イギリス料理はまずい?−味覚破壊教育/ロンドン万国博覧会/死ぬ前にもう一度パブに/居心地良き家庭さえあれば/美しいイギリス風景/フェアプレーの精神/クリケット、ポロ、競馬と近代スポーツの発祥/ゴシック小説から推理小説へ/イギリス王室御用達/背広の誕生:7メディアと伴走する大衆王(ジョージ5世からエリザベス2世まで1910〜)第一次世界大戦と労働党の台頭/アイルランド問題の帰趨/声を伝える国王/第二次世界大戦と解体する帝国/福祉国家の行方/鉄の女の挑戦とその後/開かれた王室への努力/スコットランド独立運動とEU離脱の衝撃/イギリスの政治制度と王様の役割/イギリス国民の代表としての王様〜
 なかなか面白い発想で、、ま当然と云えば当然か。ウィリアム2世は狩りの途中で死亡・ヘンリ2世の母マティルダは女王になりたがったがスティーブンと息子ヘンリを後継に据えることで妥協・リチャード獅子心王の身代金は10万ポンド・1215年6月15日マグナカルタに調印したジョン王は3ヶ月後に廃案とし翌年赤痢で死去、ヘンリ3世になって発布されその後も三十数回改訂された・長男ヘンリ3世は9歳で即位し親政後も義弟シモンドモンフォールが担ぎ出されてパーラメントの力を認めるオックスフォード条款を破棄し内戦に・その息子のエドワード1世はウェールズとスコットランドを侵攻する一方でフィリップ4世と戦い模範議会が開かれる・エドワード2世はフィリップ4世の娘を娶るが幼馴染みと同性愛関係で廃位される・その子エドワード3世がフランス王位を主張・百年戦争から薔薇戦争へ・ランカスター派は戦後に赤薔薇の紋章を導入・ヘンリ8世になってローマ教皇との決裂が決定しエドワード6世は兄弟会やギルドを撤去廃止し死者の魂の為の祈りも禁止・・・ああ、もう良いやぁ

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17/06/29
『女湯のできごと』:益田ミリ(ますだ):2006年3月15日:\533:光文社:千葉市若葉図書館泉分館
★★★
 文春にOLものの連載を持っているのよね「女湯」を省略してタイトルを列挙
〜の自分ルール(ひとまわりするおばさん)での成長(ワキ毛、どうしよう)の裸(素っ裸で世間話)のマナー(器が小さい!)の帰り道(歩きながら飲まれへん)の挨拶(ええお湯やったよ〜)と赤ちゃん(茹であがったお芋)の読書(マンガバトル)とおばちゃん(もったいない魂)の飲み物(フルーツ牛乳だけじゃない)のタオル(タワシ派vsタオル派)からのラブコール(子供のわたしが夢見ていたこと)とパンツ(ミニパンとデカパン)と風呂券(「中人」か「大人」か)のミニロッカー(仲間になれて良かったね)の大晦日(あんたとこおせち作るの?)の温度(怖いもの見たさ)のタイル(ちいさな秘密)の座席(つかの間の「親子関係」)のお婆さん(長い人生)〜
 大阪で住んでいた団地には風呂がなかったから銭湯に通い、東京に来ても銭湯に行っている。一回りするのは背中のシャンプーを落とすため・お母さんは風呂上がりの飲み物を歩きながらは無理・良いお湯とは良い湯加減の意味だった・もったいないから短髪のおばちゃんは御釜型ドライヤーの残り時間を他の子どもに使わせる・女湯から男湯へ声を掛ける夢は以前の彼氏で実現・風呂券ってのは記憶がないが「中人」は「ちゅうにん」と読むしかないけど「大人」は「だいにん」?「おとな」?ま、だいにんだろうけど・どこかでミニロッカーのシステムは見たことあるけど恵比寿湯にはなかったような?・花模様のタイルにお湯をあげていたが水にしておばちゃんと母に怒られた。彼女にとって母親はよっぽど特別な存在なのだろう。まあ誰にとっても母親は唯一無二の存在だけどね

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17/06/28
『東京図鑑』:竹地里加子(たけち りかこ):2016年9月1日:\1600:JTBパブリッシング:県立C高校図書館
★★★
 ニッポンを解剖する!ってのもタイトルだろうか?写真もあるけど、イラストも多用
〜1東京ホットスポット…東京駅・皇居・国会議事堂・東京スカイツリー・東京都庁・明治神宮・迎賓館赤坂離宮・旧岩崎邸・六義園・日比谷公園・東京大学本郷キャンパス・日本橋島屋・都電荒川線・羽田空港・レインボーブリッジ・隅田川・高尾山:2東京ミュージアム&アクアリウム…東京23区個性はミュージアムMAP・東京国立博物館・国立西洋美術館・赤元太郎美術館・日本民藝館・江戸東京博物館・国立科学博物館・都市型水族館(サンシャイン・墨田・品川):3東京カルチャー・歌舞伎座&歌舞伎・両国国技館&大相撲・新宿末廣亭&江戸落語:4東京タウン&ストリート・丸ノ内銀座・六本木・浅草・渋谷・秋葉原・表参道・アメ横・神楽坂・東京ガード下:5東京カレンダー:東京の祭り・三社祭・酉の市・花火大会・東京音頭・梯子乗り〜
 丸ノ内辺りは一度ゆっくり歩いてみたいね。三菱一号館を中心を見て回って、ガード下で一杯かな。皇居もその内に行かなくちゃね。表紙には東京駅・国立科学博物館・国立東京博物館・末廣亭・歌舞伎座・荒川線・江戸城などが象徴的に描かれている。東京編以外に京都、名古屋東海、沖縄とあるけど見所が詰まっているのは東京だろうね

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17/06/26
『文庫解説ワンダーランド』:斎藤美奈子(さいとう みなこ):2017年1月20日:\840:岩波書店:県立C高校図書館
★★★
 ジュニア新書でなくて新赤版
〜Tあの名作に、この解説「坊ちゃん」(夏目漱石):敗者の文学(江藤淳・平岡敏夫)赤シャツに理あり(ねじめ正一)「伊豆の踊子」「雪国」(川端康成):処女の主題?(三島由紀夫)人生初期のこの世との和解?(竹西寛子)伊藤整の解説はタルい「走れメロス」(太宰治)太宰の徹底紹介(師匠筋の井伏鱒二)云ってみれば一億人の弟(斎藤)「放浪記」(林芙美子)の解説が迷走するのは、雑記帳の抜き書きが三度にわたって行われたからで、林も改稿に改稿を重ねている「智恵子抄」(高村光太郎):愛の詩集(光太郎死後の編者で光太郎に頭の上がらない草野心平)贖罪のうた(駒沢喜美)U異文化よ、こんにちは「悲しみよ、こんにちは」(サガン)<パリの自宅に19歳のサガンを訪問>(訳者で34歳の朝吹登水子)「ティファニーで朝食を」(カポーティ)<ティファニーで食堂があるか質問>(訳者でNY在住の龍口直太郎)「ロング・グッドバイ」(チャンドラー)「グレート・ギャツビー」(フィッツジェラルド):男同士の恋愛小説(村上春樹)「ハムレット」(シェークスピア)テキストは錯綜、上演中に脚本の手直しもされただろうから・昔はサムライ今はサラリーマン(斎藤)「小公女」(バーネット)時代に地位を奪われても優しく下々に接するプリンセス(訳者の脇明子)フランセス・エリザ・ホジソンは二度結婚している(野上彰のあとがき)「ヨーロッパ退屈日記」「女たちよ!」(伊丹十三)1ポンド1008円という1965年の高校生にとって一大衝撃(関川夏央)「書を捨てよ、町へ出よう」(寺山修司)著書との交流をだらだらと書く翻訳家の竹内健「武士道」(新渡戸稲造)「葉隠」(山本常朝)日本人の心をもっともっと知って貰いたい(共通の感想だが、著者も盛ってるんじゃない?)Vなんとなく知識人「赤頭巾ちゃん気をつけて」(庄司薫)「なんとなく、クリスタル」(田中康夫)太陽の季節を含めて事件的作品:知性のための戦い(政治学者の苅部直)()批判精神のあらわれ(文藝賞の選評で江藤淳)資本論!空疎さの批判(高橋源一郎)インテリの悩み(斎藤)「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎):思わず唸った。これはまさしく資本論入門ではないか(はったりと脱線の丸山眞男)「資本論」(マルクス)種の起源の解題(向坂逸郎)「されど われらが日々−」(柴田翔)「優しいサヨクのための嬉遊曲」共に(1955・共産党第6回全国協議会・山村工作隊の解体)解説無しには理解不能「モオツァルト・無情という事」(小林秀雄)江藤淳がすべて解説し小林の内面に寄り添おうとして内面の背後にある伝記的事実は伏せる・私小説を書くように評論を書いていた(斎藤)「Xへの手紙」(小林秀雄)「共同幻想論」(吉本隆明)評論の解説は屋上屋を架す作業(斎藤)「三四郎」(夏目漱石)これは日本の青春小説のプロトタイプ(斎藤)「友情」(武者小路実篤)三四郎の白樺派版(斎藤)W教えて、現代文学:文庫解説の出番だぁ(斎藤)「限りなく透明に近いブルー」「半島を出よ」「コインロッカー・べービーズ」「半島を出よ」(村上龍):風俗的な騒々しさと奇妙な静けさ・自閉と破壊(三浦雅士)「点と線」「ゼロの焦点」(松本清張)トリックのキズをクサす解説刑事(デカ)の登場(斎藤)「三毛猫ホームズ」(赤川次郎):意外な犯人……。えへへ。トリックを。……。伏線は……。えへへ。すみません(ミステリーの楽しみ方を初心者に説く辻真先)「ひとひらの雪」(渡辺淳一)どの女もどの女も「もてなす」だけ「ビルマの竪琴」(竹山道雄):アジアへの視点を欠いた戦場小説(中村光夫)「二十四の瞳」(壺井栄):知識人の苦悩(窪川鶴次郎)「夏の花」:生涯をかける文学の主題も限られたものである。深いか浅いか、それのみの問題だ(大江健三郎)「火垂るの墓」(野坂昭如):無残な骨と皮の死に様を悔やむ(尾崎秀樹)「少年H」(妹尾河童)山ほどの解説・立花隆・澤地久枝・椎名誠・・・「永遠の0」(百田尚樹)僕の夢(児玉清)大人のメルヘン(斎藤):::文庫解説は「読者のため」「著者のため」「自分のため」〜
 斎藤さんは1956年新潟生まれの文芸評論家、児童書の編集者を経て、三桁には届かないが、かなりの文庫の解説を書いていて冷や汗もの。(児童)文学に教訓染みた解説はいらない。必要なら自分のための教訓を見つけ出すだろう←そうだよね!だから解説やあとがきを私はろくに読まないのだ。伊丹十三の死についてネットで検索して宮本信子も調べちゃったし、中山千夏が未だ生きていることも確認。関川夏央も。なかなか面白い人物だね、斎藤さん。小林秀雄の女性に対する視線が甘えと侮蔑が混じって感じ悪いって。私、庄司薫は読んだけど、田中康夫は嫌悪感があって読んでない。嬉遊曲って何だ?室内管弦楽だって
 引用:日本文学の伝統だ。そりゃあ愛読もされるわね。(二十四の瞳を知識人の苦悩と捉え)気分を共有することで、庶民の戦争協力責任は免責されるからである。…だんだん、「念仏」になってくるのよね。(少年Hへの違和感から)

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17/06/23
『森の美術館』:目代雄一(もくだい ゆういち):2016年8月18日:\1300:書肆侃々房:県立C高校図書館
★★
 ショートショートの小箱:1958年生まれの四国の小学校の校長先生の著作で福岡の出版社
〜T多難・満月の夜・多難・地獄めがね・掛軸の行方・パチンコの天才・キツネの恋・ワザあり集合写真・月の砂漠で・虎姫・急な引越し・タチ踊りの夜・森の美術館・U相合い傘・集中・相合い傘・肝だめし・春なのに・なりすまし・似顔絵名人・同窓会・とっさの一言・百倍占い・豪腕の不安・鈴木クンと佐藤クン・タイプの男・こいホット・V真夜中のタクシー・形見の品・真夜中のタクシー・一番美しい・古民家の座敷童・サウナの幽霊・地獄のアイドル・代表のお礼・夜のパレード・ペットの行き先・誤変換・地底の国・ニセ金製造機・恋するイケメン・蛍町界隈綺談〜
 おあとがよろしいようで・・・って感じ。てけつんてけてん

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17/06/23
『くらべる時代 昭和と平成』:おかべたかし文:山出高士(やまで たかし)写真:2017年3月1日:\1300:東京書籍:県立C高校図書館
★★
 よくあるアイデア
〜信号・横断歩道・魔法瓶・飴・折りたたみ傘・日傘・ラムネ瓶・教科書・高層ビル・ランドマーク・公園遊具・カメラ・・・ああそうそうオムライス〜
 あまり目新しいモノはないね。懐かしい〜ってほどのものもないし

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17/06/22
『三鬼』:宮部みゆき(みやべ みゆき):2016年6月30日:\1800:日本経済新聞出版社:東部台文化会館
★★★
 題字は北村宗介で,挿画は北村さゆり・・第三作とは出版社も字も絵も違う
〜相模から出てきた小作の娘・おつぎは村で遭った亡者の話を殿様である旗本に語る小手調べとして、おちかに語る。一の殿様の姫様が亡くなって祭が禁止され、大行灯でおひかり様を目覚めさせることができなくなり、村人は名主の呆けた隠居が使っていた離れ屋敷を大きな行灯に見立て、絵師に村人の姿を描かせたが、名主の死んだ隠居や、おつぎの兄の許嫁が薄ぼんやりとした姿で現れ、その代わりに村人が一人ずつ冷たくなって床に就いてしまう。絵師は竹で手形を作って亡者に渡し帰って貰うことに成功するが、この世の村人も一人あの世へ旅立ってしまった。花見の季節に弁当を拵えてくれるだるま屋は商いを大きくしようとしない。店の主人は搗金の菜種問屋の出身で煮売り屋をしていたが、生母が危篤だと聞いて帰郷し帰ろうとした夜の峠道で、ひだる神に取り憑かれたのだ。ひだる神は美味しければ母の遺品のお手玉から小豆を三つ取り出して並べる。何が受けるか理解した達磨屋は商売を拡大したが、店に取り憑いたひだる神も大きくなって、店の造りを壊すほど生長し、隙間風で家人が起き上がれないほどだった。商売を小さくしてひだる神に小さくなって貰い、細々と生きていく道を選んだのだが、父の葬儀に出向いた帰りに、取り憑かれた場所で、だるま屋から離れていったらしい。二万石の森・栗山藩は改易となったが、その元江戸家老・村井清左衛門は若き日の山番士の話を始める。三里はなれた上村・下村では怪我人・病人がでると赤い狼煙を上げて知らせる。若き日の清左衛門は、真っ黒な籠を被り、蓑に雪沓を履いた化け物を見てしまう。同僚の鉄砲使いが村で見初めた女と生まれた子も化け物が来て、命を失った。鬼と呼んでいるが、元は上下に分かれて厄介になった者に互いに引導を渡していたのだが、鬼が現れた。貧しさ故と同僚の鉄砲使いは山を下りて山奉行に訴え、藩主にも願いが届けられた。山を下りた清左衛門は、江戸に上り、家老に気に入られて後釜になったが、江戸での倹約を叫び続けて煙たがられていたのだ。話し終えて数日後、清左衛門は腹を切った。従兄の富次郎が修業先の揉め事に巻き込まれて怪我を負い、帰ってきた。おちかの仕事を聞いて、次の間でお勝と聞きたいと願ってきたため、呼ばれたのは梅という老婆。おくらさまという神様がいる香具屋の美人姉妹に産まれたが、家事が出た時に主が願い、その店だけは助かったが、次姉の菊がおくらさまになってしまった。不思議な話を終えてふっと姿を消したことに次の間にいたはずの二人に尋ねるが、憶えていない。手掛かりは店の名。貸本屋の若旦那も協力して噂話を集め、遠縁に引き取られていたお梅を発見する。生き霊になって黒白の間に赴いたのだった。手習いの若先生が故郷に帰り仕官するという…〜
 日経新聞で連載していたらしい。第四巻だが、違う印象。最初の話「迷いの旅籠」は暗くて、語り手を13歳の少女にしたため、話が進まずに苛々させられた。新聞で読んでいたらもっと苛々するだろう。悲惨な話でも、「三鬼」のように整然としている方が良いよね。所で、鬼は一匹しか出てこないけど、私の読み込み方が甘い所為?「ひだる神」のように悪さをしない妖怪も良いけど。手習い所の若先生が去り、貸本屋の若旦那と、帰ってきた従兄である小旦那が登場した。まだ続くの?

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17/06/19
『嫁入り』:佐伯泰英(さえき やすひで):2017年4月18日:\690:角川春樹事務所:M市立図書館
★★
 鎌倉河岸30
〜当代の豊島屋十右衛門の祝言が近づき、京からの花嫁ご一行を鎌倉河岸の皆々は首を長くして待っていた。そんな折、政次は同心の寺坂より、女剣術家の永塚小夜どのが政次に会いたがっているらしいと聞かされる。どうやら小夜にも見舞い話があるという。相手は城の賄い方・長沼甚五兵衛の甥・恭太郎で、青物役所が仕入れたものを料理屋に横流しして、私財を作っている。小夜の家で、政次と小夜の思い人で青物役所の書役を務めている三島という御家人の三男が相談しているところへ、長沼一味が押し掛けてきたが、撃退された。十右衛門が六郷の私に花嫁一行を迎える姿が、品川の旅籠屋の親娘が見掛け、十手持ちを動かして脅そうとしてきた。先手を打て釘を刺したが、娘と麻布村の寅太郎は、根岸の寮に京からの一行を送る届けた十右衛門を攫ったが、籠より速く、彦四郎の漕ぐ猪牙舟は大木戸に着き、十右衛門の身柄を取り戻し、悪党は捕まった。木更津の道場守をしていた勘三郎は、花嫁を見物から財布を掏っていた掏摸を捕まえ、仮祝言を終えた京からの一行に加え、豊島屋・松阪屋・金座裏の隠居夫婦を乗せて新造の千石船は江戸を旅立った〜
 頭が悪くて,腕も立たない悪党ばかりだなぁ。次巻は親分不在で、政次の若親分としての器量が試される大事件が!?

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17/06/16
『陽気なギャングは三つ数えろ』:伊坂幸太郎(いさか こうたろう):祥伝社:2015年10月20日:\840:ひとみ文庫
★★★
 9年振りなんだって
〜いつものように銀行強盗は成功するはずだったが逃げる間際に警備員が投げた警棒が久遠の左手に当たってしまった。一味は雪子の息子・慎一が就職したホテルに様子を見に来て、落とした小銭を拾いもせずスタッフが拾ったことに礼も言わない客を目にして、久遠が名刺入れを掏り、週刊誌の記者だと判ったが、成瀬に返せと云われて、渋々16階に行くと、1601号室から物音が聞こえる。チャイムを押して出て来た男は眠っていたのだと云う。物音は何か訝しがったが、隣の1602号室からも男が出てきて、ホテルのスタッフもワゴンを押して来たので退散する。降りてくるとファンに見つかったアイドルの宝島沙耶がいる。記者・火坂は勘が働いて、久遠が強盗の一人で、動物園で成瀬と会い、芋蔓式に、雪子・響野が判ったらしく、雪子には当たり屋を、久遠には年寄りを怪我させたと因縁を、成瀬には痴漢疑惑を、響野にはオレオレ詐欺を仕掛けてきた。火坂にはカジノに借金があり、銀行強盗で得た金を簡単に吐き出すと踏んだのだった。ホテルを調べてみると、通り魔事件の被害者であるのに、火坂の記事で、風俗勤めをバラされ、あることないことを書かれて自殺した女性・牛山沙織の関係者が現れる。宝島も被害者を慕っていたのだ。火坂は、カジノを経営している大桑に借金を帳消しにするよう工作しろと脅され、久遠がセアカゴケグモ擬きを仕込み、駆除するとして薬剤を散布して、火坂のデータを消した上で、他の顧客情報と、大桑が大事にしている亀を盗み出し、ジビエ料理を手掛ける牛山沙織の元フィアンセが調理して・・〜
 飲むと仮死状態になる薬ってのが怪しいよね・そこにちょっと無理がある

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17/06/16
『雑学うんちく図鑑』:ケン・サイトー:KADOKAWA:2016年8月24日:\1200:県立C高校図書館
★★★★★
 雑学好きの雑学好きによる雑学好きのためのイラストレーション雑学
〜1ボウリングのピンはその昔、10本じゃなかった!(9本だった)2ウナギにまつわるエトセトラ3「小便小僧」っていったい誰?(ブリュッセルのいたずらっ子ジュリアン)4「灯台下暗し」の「灯台」は、灯台ではない!?(燭台のこと)5ニシンの卵が「数の子」と呼ばれるフシギ(カドイワシと云われたから)6ビール大瓶の容量はなぜ633ml?(いろいろな瓶の一番小さいのが633):::面白かったのは002ヘチマの名の由来で「ヘ」と「チ」の間にあるイ「ト」ウリ006初夢の縁起四扇五煙草六座頭(たばこの煙は上昇志向・座頭は毛がないで家内安全)021ハート型の葉をしたのはクローバーでなくてカタバミ041ハットトリックはクリケットでアウトを三つ取ったピッチャーに051左ヒラメに右カレイ062日の丸は縦横2:3○は縦の3/5で紅色084ドルフィンキックは長沢二郎が1952年に103ルーレットの発明はパスカル1041円玉は1g直径20mm昭和43年は発行されず119海獣類でアザラシだけ足を前に向けられない124ブンタンとオレンジが自然交配しグレープフルーツ136日本にはカモノハシは飼育されていない138寸法を測ると牛乳の容量は950mlだけど膨らんで1l入る206フランストリコロールの青白赤は30:33:37で微妙に違う144ピンはポルトガル語のpintaが語源165三すくみの一角のナメクジは蛇が嫌がるムカデの脳を食べるから190計算記号+はetからーはmから×は十字架から÷は分数から=は元々もっと長くて長さが同じ線200トリは真打ちが上がりを全部とって分配していたから〜
 絵も文も全部こなして1200円は気の毒だ。絵が上手、文章も拙くない。雑学にも旬があることを確認した

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17/06/12
『陽気なギャングの日常と襲撃』:伊坂幸太郎(いさか こうたろう):祥伝社:2006年5月20日:\838:東郷福祉センター
★★★
 3年経って、続編が出る
〜成瀬は不審者でクレームをつけてきた門馬がビルの屋上で刃物男に脅されながら、向かいのマンションの押し込み強盗事件を知らせる紙片を落としていた。響野は喫茶店の客で酔い潰れて置き手紙を遺して午前4時に帰ってしまった女が本当にいたのか推理する。雪子は派遣先の同僚に取れない演劇のチケットを置いていった男が借金をして消えた昔の恋人だと当てて、役者に会おうとするが、通らせまいとする劇場のオーナーと丁度20秒でストップウォッチを止めてみせる。天才スリの久遠は公園で殴打されている中年男性を襲ったのは、負けが込んで借金の形に悪事への荷担を申し入れられて、運転手役としての派遣先の女性にストーカーと間違えられたからだった。四人が襲った銀行には、成瀬の部下の交際相手であるドラッグストアチェーン社長令嬢がいて、自動預け払い機で脅されいる様子で、強盗が去った後に行方がわからなくなっていた。咄嗟に久遠が付けたGPS発信器で居場所が判ったが、間抜けな犯人に久遠は捕まり、身代金引き渡しの場で車に取り残された久遠は、別の一味に蹴出されてしまった。違法カジノに捕らわれている人質を救出しようとするが…〜
 短編だったのを繋げて第二作のストーリーに

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17/06/10
『明るい夜に出かけて』:佐藤多佳子(さという たかこ):新潮社:2016年9月20日:\1400:県立C高校図書館
★★★★
 Going Out int hte Bright Night
〜富山和志は大学休学中で金沢八景近くのアパートを借りてコンビニで働いているのは中学から高校にかけてラジオの投稿職人として知られていて、大学でお笑い系のサークルに入って告白してきた女の子とつきあい始めたのだけれど、キスを求められ、身体に触れられるのが嫌で、突き倒してしまった痛手を負ったからだった。店でも客に腕を触られて突き放して怪我させてしまった。25歳のバイト仲間の鹿沢は、接触恐怖症を女嫌いだと女性常連客に説明して、救われた。深夜にやってきた女子高生は、アルピーのANNの職人である虹色ギャランドゥだった。リスナー仲間だと判ると話しかけられるようになり、アパートを紹介してくれた高校時代の友・永川を含む四人の不思議な交遊が始まった。鹿沢はだいちゃという名で音楽をやっていて多少は知られた人間だった。佐古田愛の名門中高一貫女子校のパフォーマンス同好会に所属し、文化祭で発表する。彼女の作である「明るい夜に出かけて」は妙に心に刺さり、鹿沢は曲を作り詩作りを富山に依頼してきた。練りに練ってニコ生で流し、感動した富山は感想を述べに鹿沢のアパートに行った帰りに佐古田愛に出会い、ふらふらした生活をやめて大学に戻る柔らかに決心も芽生えたが、この生活をやめて佐古田愛との友情が終わるのも勿体ない。番組改編期が近づき、アルピーANNが終わりそうな雰囲気に心が騒ぎ出す…〜
 迷いながら、夢見る奴もいて、病んでいる奴もいて、行き詰まっているようでしっかり仕事もしていて、家を抜け出すたびに叱れるJKもいて。それにしても、深夜ラジオに魅せられて、それが生活のリズムを造り、同じ趣味を持つ者が話を合わせる為に色々調べたり、映画を全部チェックしたり、ラジオ聞きながらLINEやtwitterをチェックしたり…忙しいね。失恋して大学休学したという奴を思い出した…しっかりしろよ!って話で腹を立てていたけど。隣にあるけど・知らない、世界を教えて貰ったネ

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17/06/08
『失われた猫』:森博嗣(もり ひろし)作・佐久間真人(さくま まこと)画:光文社:2011年12月20日:\2000:千葉市稲毛図書館
 The Lost Cat
〜建築家の白い猫と革命家の斑の猫〜
 まあ、何かを感じましょう

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17/06/08
『ランボー怒りの改新』:前野ひろみち(まえの):星海社:2016年8月10日:\1200:県立C高校図書館
★★★★
 represent NARA Rambo:Reform with Anger ant other stories
〜佐伯さんと男子たち1993:中高一貫校に通う中学男子3名は高校入試がない為、お馬鹿になっていき、鹿せんべいを持ち歩く佐伯さんに告白して次々に玉砕していく。ランボー怒りの改新:泥沼のベトナム戦争から帰還したランボーが斑鳩の里に現れ、戦争継続させようとする蘇我氏に鉄槌を下す。ナラビアン・ナイト:生駒山の仙人のような老人の許を訪れた乙女は奇想天外な物語を語る。満月と近鉄:作家を目指す浪人生・前野弘道と彼の下に舞い降りた小説の女神・佐伯さんを巡る追想記〜
 解説は仁木英之が書いていて、嘘か本当か判らないが、スナック勤めの佐伯さんが出てくる。古都奈良を舞台とする異形の新人のデビュー作。NRという同人誌に発表していた

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17/06/06
『主夫のトモロー』:朱川湊人(しゅがわ みなと):NHK出版:2016年5月25日:\1600:市立若葉図書館泉分館
★★★
 初出がNHK出版のWebだから
〜斉藤智朗は勤めていた美術系出版社が倒産し,付き合っていたインテリアデザイナー志望の高校の一級上の先輩と結婚。アパートを借りて主夫として暮らすが,妻の妊娠が発覚。生まれた女児は智里と名付け,出産三ヶ月後に勤めに戻った妻に代わって育児を担当。公園デビューは物珍しさで声を掛けて貰ったが,やがてママ達から気味悪がられる。バスで泣かれて困っているところを救ってくれたママと仲良くなるが,妻の美智子が嫌がった。別の公園に行くと目つきの悪いパパと知り合い,男が廃ると出掛けたパパ友の喧嘩を止めることになったのは,母が出て行った後にぐれた兄のイナヅマ☆ゴローのネームバリューだった。その兄は生き別れた母に会いに行った先のホテルで,相続放棄して欲しいと云われて愕然とする。一人で母に会いに行った行き帰りの経験は,小説を書くヒントとなった〜
 1963年大阪生まれ,両親の離婚で父と4人兄弟で東京で住まい,慶應大学文学部卒。美術系出版会社に勤務するが作家の夢を捨てきれず脱サラし,区役所務めの彼女と結婚。妻に代わりイクメンとなる。花まんまで直木賞受賞後のインタービューで高1の女児と小6の男児がいるといっているが,両方とも成人したろう。その体験から

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17/06/03
『駄菓子屋図鑑』:奥成達(おくなり たつ)文・ながたはるみ絵:飛鳥新社:1995年8月7日:\1600:県立C高校図書館
★★★★
 初めてお目にかかるものがあったり、懐かしいものがあったり、思い出したものがあったり
〜駄菓子編T寒天ゼリー・粉末ジュース・チューブチョコ・カウボーイガムとオレンヂマーブルガム・紅梅キャラメル・フルヤウィンターキャラメル・カバヤキャラメル・ドロップとハッカ・ニッキ・動物ビスケット・エイセイボーロ・あんこ玉・麩菓子・かりん糖・ザラ玉・変わり玉・カルメ焼・ラムネ菓子・ラムネ・ミカン水:おもちゃ編T日光写真・模型飛行機・カンシャク玉・鉄砲・ブリキおもちゃ・電信テープ・王冠・缶詰のラベル・移し絵・ウイテコイ・ピョンピョン蛙・紙せっけん・ゴムボール・野球ゲーム・ヨーヨー・パチンコ・幻燈機・ハーモニカ・ビーズ・ままごと遊び・ぬりえ:駄菓子編U水あめ・ソースせんべい・酢いか・ナメ抜き型抜き・梅ジャム・酢こんぶ・アイスキャンデー・アイスクリーム・コッペパン・ポン菓子屋・あめ細工屋・ベビースターラーメン・コロッケどんどん焼き・さらしあめ:おもちゃ編Uヨビコと毛笛・プロマイド・貯金箱・磁石・虫眼鏡・万華鏡・変装用眼鏡・ラッキーパズルと知恵の輪・バッジ・メダル・ペナント・トンボとり・凧あげ・まわり将棋・軍事将棋・うなぎ釣り・雷魚釣り・匂いガラスと粘土型・三角乗り・靴ベラ投げ・竹トンボ・少年雑誌の付録・ガチャガチャ<懐かしの遊び図解>ビー玉・メンコ・石けり・おはじき・リリアンとビニールひも編み・ベーゴマ・Sケン・あやとり・けん玉・お手玉・チェーンリング・くぎさし・ゴムとび・コマまわし・竹返し〜
 電信テープってあったよぉ・紙セッケンもあったね

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17/06/02
『図解大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』:井堀利宏(いほり としひろ):KADOKAWA:2016年8月25日:\925:県立C高校図書館
★★
 10 hours Economics
〜ミクロ経済学とマクロ経済学・ミクロ経済学の基本・消費者はどう行動するのか・企業はどう行動するのか・市場の機能と価格メカニズム・寡占市場・マクロ経済学の基本・GDPはどう決まるのか・マクロ経済主体の行動・財政政策・金融政策・インフレとデフレ〜
 IS曲線(財市場)とLM曲線(貨幣市場)がちんぷんかんぷんだぁ!曲線と良いながら直線だし。ま,総費用曲線ってのは労働生産性が落ちてって理由で解るけど,消費者余剰ってのは生産者余剰があるんだからっていうことの裏返しだろって感じ???

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17/06/02
『YO! サボロー』:サボロ−会議・編:文藝春秋:2016年8月30日:\1300:県立C高校図書館
★★★
 副題「あの「黒いやつ」,大解剖」
〜明光義塾の真っ黒いキャラクター「サボロー」からYDKを守るための会議を重ねてもサボってばかりいて,サボローの生態は解明されない〜
 YDKは「やれば・できる・こ」:最初は何のこっちゃか解らんかった!

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17/06/01
『株式会社家族』:山田かおり(やまだ)文・山田まき(やまだ)絵:リトルモア:2010年2月22日:\1300:県立C高校図書館
★★★
 不思議な貧乏物語
〜お前はルンペンになると予言する父は向かいの空き地でゴルフスイングの練習に余念がなく,よれよれの犬猫兎を飼って天寿を全うさせる母,初めて店を開いたビルの管理人は年寄りで買ってきた白菜を運び上げられず,4階までの階段をロープで引っ張り上げる。東京に出て永遠の中学生の顔をした三つ下の妹は嫁に行き,母は時々上京して修理していき,父が待ち続けているので時々帰る〜
 うん,月収7万円じゃ娘の保証人にはなれないね。店持ちたくても審査で撥ねられる

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17/06/01
『きみは赤ちゃん』:川上未映子(かわかみ みえこ):文藝春秋:2014年7月10日:\1300:県立C高校図書館
★★★★
 13刷
〜出産編:できたら,こうなった!・陽性反応(28日周期だと思っていたが,ちょっとずれていた。排卵検査薬でチェック)・つわり・出生前検査を受ける・心はまんま思春期へ(おっぱいマッサージを続けて)・恐怖のエアロビ(無痛分娩のクリニックは4階にエアロビスタジオ)・かかりすぎるお金と痛みについて(一出産140万円のプラス)・生みたい気持ちはだれのもの?・夫婦の危機とか,冬・そして去ってゆく,生む生むブルー・いま,できることのすべて・乳首、体毛、おっぱい、そばかす、その他の報告・破水(おしるしだと思っていたら破水だった)・帝王切開(破水後バルーンを入れ48時間待っても子宮口は開かず)・なんとか誕生(男児・おにぎりのようからオニ)・産後篇:生んだら,こうなった!・乳として・かわいい♡拷問(乳首にかさぶた・くつづれだと思えと)・思わず,「わたし赤ちゃんに会うために生まれてきたわ」といってしまいそう・頭のかたちは遺伝なのか(父も母も絶壁だから心配)・3ヶ月めを号泣でむかえる・ひきつづき,かかりすぎるお金のことなど(ベビーシッターを頼むと5時間/平日で月25万)・髪の毛,お肌,奥歯に骨盤,その他の報告(髪がごっそり抜ける)・父とはなにか,男とはなにか・夫婦の危機とか,夏・いざ,離乳食・はじめての病気・仕事か育児か,あらゆる所に罪悪感が・グッバイおっぱい・夢のように幸せな朝,それから,夜・ありがとう1歳〜
 芥川賞作家が35歳で初妊娠・出産。妊娠して,前夫と別れて再婚したことを発表。時期的に家の娘と同時期だ。同じようなことで騒いでいたなぁ…。懐かしい。P22「でも,赤ちゃんにかんするすべての責任は母親にあるような気が,おかしなことだけど,やっぱりあるのだ。そういう感覚というか,刷り込みのようなものが。」P231「なにがあってもオニはわたしが守るし,なにがあってもわたしが一緒に生きてゆく。しかし,あべちゃんは他人である。それなりの縁はあったかもしれないけれど,しかしれっきとした他人である。なぜ,こんな状態のわたしが大人であるあべちゃんの食べるものを作らなければならないの。わたしはあべちゃんの母親ではない。料理の代わりというのなら,掃除も洗濯もしなくていい。そんなもんぜんぶ汚れたままでいいし,気がむいたときに自分とオニのぶんはやるから,もう放っておいてほしいし,いっそどこかへ行ってほしい。」…ふーむ…

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17/06/
 
★★
 
〜〜
 

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最終更新日 : 2017.07.01

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