2017/01/05
〜将棋ライターの力はあるのだろうが〜

「聖の青春」
〜大崎善生〜

『聖の青春』:大崎善生(おおさき よしお):2015年6月25日:\640:KADOKAWA:県立M高校図書館
 哀哭のノンフィクションというが…私も泣いちゃった
〜広島の新興住宅地で生まれ育った村山聖は兄を追い掛けて野山を駆けめぐったが、ある日高熱を出して寝込み、暫くしてネフローゼの診断が下り、小学校時代はほぼ病院の生活。そのなかで知った将棋にのめり込み、将棋の本を読んで覚え、誰も相手にならないくらい強くなり、谷川に勝って名人になることが目標となった。退院すると将棋センターに通うようになり、実力が認められて小学生名人戦にもでるようになり、生涯のライバル達と出逢うが、中学になっても入退院を繰り返し、紹介されたプロ棋士森の弟子となって奨励会審査を受けたものの、他の筋から紹介されて審査を先延ばしにした重鎮の怒りを食らって成績はよくても不合格になった。号泣して悔しがる聖を森は大阪に引き取って面倒を見ながら将棋会館に通わせ、1年後に合格、少女マンガと推理小説に囲まれた四畳半のアパートで身動きできずにペットボトルに用を足して、体調不良をやり過ごす。時々不戦敗になるものの、順調に勝ち進み、プロとなっても生活は変わらず、将棋会館・対局・自分のアパートと師匠のアパート・定食屋と雀荘を行き来する。順位戦も順当に勝ち上がり、A級となって名人位に手が届く所まで来て、拠点を東京千駄ヶ谷に移して多くの棋士と親交を結び、慕われた。血尿が出て自分では癌ではないかと疑いを持つが医師は取り合わず、順位戦でA級から陥落する。広島で精密検査を受けると、腎臓一つは機能しておらず、もう一つも万全とは言えず、膀胱にはポリープがあるといわれるが、本当の事を言ってくれと医者に迫る。東京を引き払って、熱心な説明を受けて膀胱摘出手術は成功しても、肝臓にも転移し、対中説不調の中、対局を続けるが、順位戦欠場を決断、竜王戦で羽生に勝つなどの成績を上げたが、痛み止めの処置を受けず、棋譜を呟きつつ平成10年8月8日29歳で聖の心臓は止まった〜
 棋譜を書くなら向いているが、ノンフィクションはイマイチか…でも題材が良かった。読んでも読んでも死ぬか生きるかの勝負という感覚は解らない。やっぱりゲームの世界の話としか思えなくて、世の中にファンが沢山居ることも理解できない

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最終更新日 : 2017.01.05

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