2017/
〜1月に読んだ本〜

聖の青春 ☆☆☆ 陸王 ☆☆☆☆ お断り ☆☆ ゆけ,おりょう ☆☆
ハリー・ポッターと呪いの子 ☆☆☆ コンビニ人間 ☆☆☆☆☆ シウマイの丸かじり ☆☆☆ 神仙の告白 ☆☆☆☆
掟上今日子の旅行記 ☆☆☆ 珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりまように ☆☆ カレー語辞典 流鶯
八朔の雪 ☆☆☆ 花散らしの雨 ☆☆☆ 想い雲 ☆☆☆ リリー&ナンシーの小さなスナック ☆☆☆
魔使いの弟子 ☆☆☆ 武女 今朝の春 ☆☆☆ 小夜しぐれ ☆☆☆
世界でいちばん貧しい大統領からきみへ      

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

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17/01/31
『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ』:くさばよしみ・編:田口実千代(たぐち みちよ)絵:2015年10月:\1200:汐文社:県立M高校図書館
 読ませたい奴は鼻で笑い・読む奴にはあまり響かない
〜ものが欲しくて買うのは,買う金を稼ぐために使った時間を消費することだ〜
 ちょっと違ったかな?ウルグアイ第40代大統領でノーベル平和賞に二度ノミネートされている。そんな賞は貰わない方が良い。これまでのスピーチや取材で語られたこと,退任直後の1時間以上に及ぶインタビューをもとに構成した???えぇえ,そうなの?? なーんだ!!という落ち

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17/01/31
『小夜しぐれ』:高田郁(たかだ かおる):2011年3月18日:\590:角川春樹事務所:東部台文化会館
★★★
 みをつくし料理帖の5
〜店主・種市の別れた妻がやってきた。元は飯盛女でつるを産んだ後,亭主と娘を捨てて出て行き,再会した娘が母を不憫に思って同居したものの,母が一緒に暮らす絵師に騙されて妾奉公に出されて首を吊ったのだった。仇の男が湯屋の木っ端拾いをしていると聞いて,殺そうと出掛けていくが,澪とふきが必死で止める。野江のいる廓一の女郎屋から花見の膳を依頼された澪は,客が喜ぶものと言うことで,菜の花尽くしを出した。伊勢屋の一人娘の美緒が,中番頭との縁談を無理矢理進められようとしていると澪に泣きついてきた。美緒は医師・永田源斉が好きなのだが,源斉は澪の方を好ましく思っている。浅草で頬被りをしている芳の息子・佐兵衛を見掛け,店の名を教えるのが精一杯だった。具合を悪くした芳を見舞った源斉と澪が親しげに会話している姿を見て,美緒は中番頭との結婚を決意し,澪は鮎の塩焼き・小豆飯・冬瓜水晶椀・数の子の卯の花和え・とこぶしの甘煮と鰊の昆布巻きで祝った。小野寺和馬は嘉祥の菓子考案を命じられ,義弟と食べ歩いたがぱっとしない。澪に好きな菓子を聞くと炒り豆と答えたのを思い出し,きな粉と水飴を練ったひとくち宝珠を試作する〜
 小野寺和馬の話が挟まれていて面白かったわ。小松原こと小野寺和馬と澪の仲を和馬の妹が取り持ってくれそう。ご寮さんの息子もその内に母を訪ねてきそうだし…

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17/01/30
『今朝の春』:高田郁(たかだ かおる):2010年9月18日:\590:角川春樹事務所:東部台文化会館
★★★
 みをつくし料理帖の4
〜伊勢屋の美緒が大奥に奉公に上がる準備として包丁使いを澪に願って憶えたのは胡麻を塩水に漬けて煎って作る胡麻塩。武家の奥方がみおの周囲を探っている。実は息子の小松原が気になっている娘である澪を見に来ていたのだ。箒草の実が腎臓に効くと聞き、手をあかぎれだらけにして、料理に使って、浪士の小松原こと御膳奉行の小野寺の母は喜んで食べるが、身分違いを澪は思い知らされる。戯作者の清右衛門は版元の坂村堂の依頼を受けて調べているのがあさひ太夫こと野江だと知って澪は気が気でない。三よしの日に吉原から来る料理人の又次は太夫の為なら命を張る人間なので、清右衛門、ましてや女衒の卯吉を合わせたら大変だ。実際にこぼし梅を澪に届けに来た又次の耳に話が聞こえてきて、清右衛門は眉間を殴られて気を失い、卯吉の首を絞めようと力を込める。澪は野江が又次のことを心配していると耳打ちして漸く手を離したが、前後の記憶を失っている清右衛門が書くのを止めさせる手は、清右衛門の満足のいく蕪料理を出すことだった。鮃と餡を使って細かく摺り下ろした蕪を加えて蒸すことで、澪と野江の事を打ち明けることが出来た。長屋の五十路の女房・おりょうは息子の太一が声を出せないことに心を痛めているが、亭主の伊勢三は新宿の仕事を泊まり込みで行い、茶屋の女に入れあげていると棟梁から伝わってきた。その女・お牧が現れ、おりょうに離縁するように求め、太一を攫って伊勢三の気を惹こうとしている。よく聞けば、太一が声を出せるように柴又帝釈天に百日詣でをしていたのだった。話したら、願いが叶わないと喋らなかったのだ。浅草の版元が料理屋番付を出すため、登龍楼との寒鰆を使った料理対決を持ち掛けてきた。最初は断っていた澪は説得されて、やるなら勝たねばと必死で考える。手伝いに来た歯なし婆のりうのアドバイスでシンプルに昆布で〆て出すと…〜
 御膳奉行・小野寺の母が出てきて、太一にふきが絡み、料理対決を仕掛ける版元が出てきた

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17/01/27
『武女』:杉山穎男(すぎやま ひでお):2012年5月10日:\1900:柏書房:県立M高校図書館
 乱世を生きた夫婦の絆
〜小野寺十内の丹・武田勝頼の北条夫人・織田信長の濃姫・明智光秀の煕子・細川忠興の玉子・前田利家のまつ・山内一豊の千代・上野隆徳の鶴姫・浅井長政の市・潮田又之丞のゆう・三村次郎左衛門のふく・浅野内匠頭の阿久理・大石内蔵助の理玖〜
 書見台と書いて「しょみだい」と振り仮名を振る訳は? あちこち誤字脱字があって、読み辛くって、余計な説明が括弧書きであるし…。参考文献が一般書ばかりだし…、最低! ああ、読むのが辛かった。柏出版って自費出版の会社かと思ったら、そうじゃなくて新刊・古書の歴史書を扱う本屋だった。1946年生まれの週刊プロレス元編集長。大目付の秘書官??である浅田家の夫婦を狂言回しに、色々な歴史書に触れさせて、武家の妻女を語らせているんだけど、怪しさ満点!!! 特に市はねぇえ

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17/01/26
『魔使いの弟子』:ジョゼフ・ディレイニー:金原瑞人(かねはら みずと)・田中亜希子(たなか あきこ)訳:2013年12月27日:\800:東京創元社:県立M高校図書館
★★★
 映画が日本で公開されるのに合わせて文庫化
〜トムは七番目の息子で父親も七番目、独り立ちするために、ボガートや魔女やゴーストから人々を守る役割を担う魔使いに弟子入りした。幽霊屋敷で一晩過ごし認められ、夏の家に行って、尖った靴を履くアリスに助けられて約束したことが間違いだった。南の庭に閉じこめられているマザー・マルキンにアリスに頼まれたケーキを持って行き、逃がす羽目になった。追い掛けて短めの杖を持って行って川に沈めたが、魔女は死なないらしい。マリアを救うために、農場の母の許に連れて行き、豚始末のスノートに憑依して復活した魔女を鉄と塩で斥け、退散する魔女は豚に喰われて向後の憂いはなくなった〜
 田中さんは金原先生の弟子だね。「魔法使い」じゃなくて「魔使い」。舞台はイギリスだよね?

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17/01/24
『リリー&ナンシーの小さなスナック』:ナンシー関(せき)・リリー・フランキー:2005年4月10日:\543:文藝春秋:A蔵書
★★★
 CREA00/9〜02/8掲載
〜バンドエイドかサビオか・福田和子はすごいテクらしい・インターネット通販でパンツも返品・編集者への恨み辛み・行く世紀来る世紀・顔は可愛くても怖い動物・ポジティブ嫌い・約束の泣き借り物の笑い(テレビの仕込みの反応)・新生活の臭い罠・タキシードはアメリカ産・魅惑のヘアスタイルはアフロ・懸賞旅行は恥ずかしい・書は心の鏡・ビールで乾杯・カラオケ・脇役の無名性・年末恒例・かっこよければエンジン要らない・川魚臭いカレー・マネーの虎の穴・中国はワイルドサイドが面白い・恍惚の耳垢取り・占い興味なし・追悼〜
 ナンシー関がこの途中で死んじゃったんだけど、調べたら虚血性心不全だった。まあ、こうした細かいことを憶えていないとコラムは書けないね。私ったら、すーーーぐ忘れちゃうんだから

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17/01/24
『想い雲』:高田郁(たかだ かおる):2010年3月18日:\571:角川春樹事務所:県立M高校図書館
★★★
 みをつくし料理帖の3
〜戯作者の清右衛門が登龍楼が土用の丑に鰻を出すのに対坑できるものを作って出せと煽り、澪は卯の花和えに梅土佐豆腐、埋れ飯を出し評判を得る。上方なら鱧を食べる季節の八朔、野江のいる吉原の廓から鱧を扱える料理人上求められ、あさひ太夫に食べさせ寸の間の再会を果たした。っる家を模した女料理人を置いた店ができたが味で勝負と思い込んでいる澪は動じなかったものの、前の店があった場所に登龍楼を首になった料理人がГつる家」の名で茶椀蒸を出すと聞いて澪は激昂するが、問題はその店が食中毒を出して俎橋の店への客足が絶えたことだった。酒を出して客をとり戻そうと小松原に戒められ、月に三度の三の付く日だけとし、最初の夜は又次が七輪で秋刀魚を焼いて客の足を停めさせたのを真似、梭子魚や松茸を店先で焼いて客を取り戻した。下足番の娘・ふきの弟が登龍楼から姿を消し、ふきは心配でものを食べられない。弟の好物は何かと訊ねるとГ柿」だと答えるので、澪はまだ熟し切らない柿を七輪で炙って食べさせた。弟は千駄ヶ谷の百姓の世話になっていたのだ。店主の種市は引き取るというのだが‥〜
 恋は思い通リに行かぬもの。今回はГう尽くし」で、埋め飯に使った沢庵が気になる。塩抜きが必要な程、昔は塩を効かせたのだろう。澪と野江の絡みは多少飽きてきた。芳の息子の話も進展があリそうごなさそうで、少し勿体をつけて出し惜しみしているようじゃありませんか?

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17/01/23
『花散らしの雨』:高田郁(たかだ かおる):2009年10月18日:\571:角川春樹事務所:県立M高校図書館
★★★
 みをつくし料理帖の2
〜付け火のあった場所から俎橋に再建されたつる家は2階に武士も入るようになり、必要になった下足番として雇ったふきという少女は、登龍楼のスパイで、幼い弟を人質に捕られ、澪が工夫した料理を真似られた。戯作者の清右衛門が通うようになり、長屋の太一が麻疹に罹って母親であるおりょうにも移って御典医の息子である源斉とは屡々顔を合わせるが、小松原にはなかなか会えない。吉原で太夫を張る野江は斬りつけられて大怪我を負ったという…〜
 一作目では、茶碗蒸しと鰹飯だったけど、今回は蕗ご飯、金柑の蜜煮、葛饅頭に忍び瓜…武士は徳川の家紋に似ているから胡瓜の輪切りは憚って喰わないってことでした

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17/01/23
『八朔の雪』:高田郁(たかだ かおる):2009年5月18日:\552:角川春樹事務所:県立M高校図書館
★★★
 みをつくし料理帖の1
〜神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され,調理場で腕を振るう澪は,故郷の大坂で,少女の頃に水害で両親を失い,天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも,天性の味覚と負けん気で,日々研鑽を重ねる澪。しかし,そんなある日,彼女の腕を妬み,名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが…。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と,それを囲む人々の人情が織りなす,連作時代小説の傑作ここに誕生!〜
 記念すべき第一作って感じかな。澪のお多福顔が良いね

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17/01/22
『流鶯』:佐伯泰英(さえき やすひで):2016年10月20日:\600:光文社:M市立図書館
 吉原裏同心25
〜目黒の道場の娘が四郎兵衛を頼って来て女同心になると願って受け入れられた。薄墨の客であった札差し行司が死の床に就いて、薄墨を落籍し、次の行司争いに倅が巻き込まれない用心を幹次郎に願った。薄墨は幹次郎と汀女の家に引き取られたが、札差しの49日に…〜
 作者の願望か何か知らないけど、みんな出来過ぎで、横恋慕した長崎奉行勤めの旗本の用人に同情する

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17/01/21
『カレー語辞典』:オカタオカ絵:加来翔太郎(かく しょうたろう)監修:2016年8月18日:\1400:誠文堂新光社:県立M高校図書館
 カレーにまつわる言葉をイラストと豆知識でピリリと読み解く
〜インド人が日本のカレーを食べて「これ美味しいですけど、何という料理ですか?」というのはよく聞く話〜
 なんだか、面白い(下らない・とも)ことに血道を上げている人がいるんだね。監修者の加来ってのも本名じゃなかろう。誤字脱字は監修者の責任じゃないけど、随分間違いが多かった、少なくとも4カ所はあったよ、メモしていないから見つけられないけど

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17/01/19
『珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりまように』:岡崎琢磨(おかざき たくま):2016年11月22日:\660:宝島社:県立M高校図書館
★★
 うーむ,早くアオヤマの正体を明かさないと一人の読者を手放すぞ
〜僕アオヤマが眞子と再会したのは11年振り,再会までにタレーランの格言通りのコーヒーを探しておくという約束は果たせそうだ。中学に馴染めずにいた僕が雨の降った放課後,人っ子一人居なくなって残された傘は緑色ではなく透明だった。翌日,ショートカットの女子に感謝されて学校に馴染むことが出来たのは,生意気だと上級生に呼び出されて無理矢理髪を切られ,それを隠すために緑色の傘が必要だったのだ。その女性の髪を整えたのが美容師の眞子さんだったのだ。コーヒー豆のストラップに気を引かれず,猿が辻で水風船をぶつけられて着替えても腕を隠し続けたのは,眞子が亭主から受けたDVが原因と思ったのだが,美星さんはアオヤマの同情を引くための一人芝居だと見破った。眞子に紹介されたイーグルコーヒーでコーヒーと紅茶を混ぜ,コンデンスミルクを加えた鴛鴦茶を飲んだが,眞子は不倫相手がそこにいるのだという。そこの店員,紀香は自分の叔母の婚約者が事務所に人形を置き,その人形がコーヒーを飲むだといって,自分の浮気を隠している事実を語る。源氏物語の好きな眞子はアオヤマを宇治に呼び出し,物語の結末を語り始める。浮き舟はどうなったのか…?眞子はもう会えないと僕に告げ,僕はタレーランに帰ってくるが,話を聞いた美星は大慌てて宇治に向かう〜
 なんだか,もう良い!って感じになってきた。源氏香の話やら源氏物語の話やら…,そのくせ宇治の道を県道って言うし。宇治市は京都府で府道はあっても県道はない!

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17/01/18
『掟上今日子の旅行記』:西尾維新(にしお いしん):2016年11月16日:\1250:講談社:県立M高校図書館
★★★
 シリーズ第8弾,初の海外舞台もの
〜隠館厄介は旅行会社での冤罪事件で退職金の一部とっしてフランス旅行がプレゼントされたが,やってきたシャルルドゴール空港で掟上今日子を見掛け,尾行してパリに来て気付かれ,助手となることを約束されるが,ホテルで着替えうたた寝して再出発する時に,左腕には探偵ではなく「怪盗」と書き換えられていたので,エッフェル塔を盗む助手となってしまった。今日子さんのアイデアは,200年掛けてこつこつ盗むか日本人を総動員して少しずつ盗むかが第一案,第二案はイリュージョンで消してみせる方法。第三案は,レストランでワインを零された服を換えるために試着室に入った隙に厄介が怪盗紳士に拉致され,連れて行かれたエッフェル塔内にあるレストランにソムリエとして現れた今日子さんによって明かされる。それは,自由と博愛は表現されているから,平等の精神を盗んで建築物にするというものだった〜
 最初に今日子さんを眠らせた手口を明かしていないのが気に喰わない。怪盗と探偵という構図を描きたかったらしいが,成功しているとは言えない。エピローグでモンサンミッシェルやイギリスに行っているらしいが,後で小説に仕立てるらしい。パリ一晩目,ベッドに誘われた厄介が断れるわけないだろう!

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17/01/16
『神仙の告白』:仁木英之(にき ひでゆき):2016年11月20日:\1400:新潮社:県立M高校図書館
★★★★
 僕僕先生・第10弾「旅路の果てに」
〜劉欣が胡蝶の頭・貂と戦い,その仙骨を受け継いだ王弁は,その力を使って病を兄姉の間で移す術を使って倒れた。僕僕は反魂丹の材料を集めるため,眠り続ける王弁を司馬承禎に預ける。僕僕が本気を出すと人の世が終わってしまうと考える神仙・妖は邪魔をし,人を消し去りたい勢力は邪魔を排除しようとする。王弁の身柄や,眠り始めてしまった僕僕の身柄を確保しようと争い,最東の地で炎帝の竈が掘り出され,僕僕はその中で焼かれるが…〜
 神仙・妖の総出演で力業の大団円ですねぇ…そして,ゼロシリーズへと移行する。表紙の絵は,悟空と王方平,薄妃と那那と這這,王弁と僕僕,華陀,陰に隠れて麻姑と悟浄,裏は赤兎・関羽と八戒,魏夫人が隠れている

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17/01/15
『シウマイの丸かじり』:東海林さだお(しょうじ):2016年11月30日:\1200:朝日新聞出版:県立M高校図書館
★★★
 丸かじりシリーズ39
〜シウマイは崎陽軒のシウマイ弁当だ。京王百貨店のご当地弁当フェアに行って、いつでも売っている弁当を買ってきてしまったという話。後、覚えているのは棒状の餅。ブロッコリの天ぷらは結構旨い。西洋料理にも中華料理にも蓋はない。吉野家が居酒屋を始めた。おにぎらず。永谷園はコンビニのおにぎりを茶漬けにするアイデアを断行〜
 よくもまあ目新しい食い物を捜してくるよなぁ

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17/01/14
『コンビニ人間』:村田沙耶香(むらた さやか):2016年7月30日:\1300:文藝春秋:県立M高校図書館
★★★★★
 直木賞かと思ったら、芥川賞第155回
〜青い小鳥が死んでいて焼き鳥にしたら…、小一の体育の授業で喧嘩している男たちを止めてという声にスコップで頭を殴って…、先生のヒステリーを止めようと先生のスカートとパンツを勢いよく下ろして…、「普通」でないというレッテルを貼られた私(古倉恵子)は必要以上には口を開かず、自分から行動しないようになった。中学・高校・大学と進み、19歳でビジネス街に新規開店するスマイルマートを発見して、アルバイトに応募して以来、コンビニ店員を18年間続け、世界の正常な部品として誕生したのだ。週5日、金曜と日曜以外はマニュアルの外でどうすれば普通の人間になれるか分からず、似たような年齢の女性やバンド活動の為にバイトをしている女の子の話し方をミックスして話し、結婚しない・就職しない言い訳は横浜で小さな息子と暮らす二つ下の普通の妹が考えてくれている。人手不足を補うために入ってきた新人の白羽(しらは)さんは、ひょろりと背の高い、針金のハンガーみたいな人で、遅刻するしサボるし「底辺…底辺…」と自分の仕事を卑下するし、気に入っ女性客の宅配便の控えを写メしてストーカーまがいの行為まで始めて、遂にクビになった。地元で高校の友だちとBBQをして結婚しない・就職しないことをしつこく問われて嫌になり、休みであるコンビニに寄ると、物陰でしゃがんでいる白羽さんを見つけ、シェアしている部屋を追い出されたという白羽さんを拾って、自分の部屋で飼うことにした。妹には喜ばれたが、友だちに言われるようアセクシャルかも知れない思いもするし、白羽さんにあなた相手では勃起しないと非道いことを言われても大して響かない、白羽さんはやがて風呂桶の中で過ごすようになり、洗面器に白飯と茹で野菜の餌を運ぶ仲だが、ロッカーに残した荷物や給料明細の話から8代目店長にアパートで一緒に暮らしている事を知られて、控え室で噂されるようになり、コンビニ店員としての自分の価値は失われてしまったようだ。働かない白羽さんに文句を言いに来た妹は白羽さんの嘘に騙され、借金をした北海道の義妹からと話をして白羽さんと同様に呆れられた私はコンビニ店員を已め、昼も夜もない生活を一月過ごした後、就職の面接会場に1時間早く到着し、トイレを借りに白羽さんが入ったコンビニに吊られて入って、就職を止めて、新しい店を捜すことを決意する〜
 笑ったなぁ…面白かった、久々に。どこかっていうと…う〜ん、後半だな。受賞後のインタビューで、著者が「まだコンビニに勤めているんですね?」と聞かれていた訳が分かった!

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17/01/13
『ハリー・ポッターと呪いの子』:J.K.ローリング:ジョン・ティファニー&ジャック・ソーン:松岡佑子(まつおか ゆうこ)訳:2016年11月11日:\1800:静山社:県立M高校図書館
★★★
 8番目の物語,19年後・・・
〜アルバスは偉大な父ハリー・ポッターとジニーの間に生まれた次男で,兄に弄られ,組み分け帽子が選ぶのはスリザリンだと言われる。キングクロス駅で乗ったホグワーツ特急では,スコーピウス・マルフォイと友達になり,グリフィンドールではなくてスリザリンに入る。楽しい学校生活とは行かない。ポッター家にエイモス・ディゴリーが現れ,死ぬはずでなかったセドリックを蘇らせと言うのを聞いたアルバスはエイモスの姪だと名乗るデルフィーの口車に乗って,ホグワーツ往きの特急から飛び降りて,魔法省大臣であるハーマイオニーの執務室からタイムターナーを盗みだし,三校対抗戦でのセドリックの活躍を妨害して現代に戻ると,ハーマイオニーとロンは結婚しておらず娘であるローズもいない。しかし,セドリックは復活していないため,第二試合の湖内での戦いを妨害する。成功したかに見えたが,アルバスは消え,戻った世界で,スコーピウスは支配層になっていたが,友は失われ,その世界で生き残っているスネイプの協力を得て,元の世界に戻すべく,セドリックを妨害する自分たちを妨害して戻り,かけがえのない友であるアルバスも取り戻したが,タイムターナーはデルフィーに奪われてしまった。1981年に取り残された二人は父に伝言するため,赤ん坊のハリーが包まれている毛布に秘密の文字を残した。いなくなったアルバスの部屋で伝言に気がついた両親とロンとハーマイオニー,ドラコ・マルフォイはヴォルデモートの娘であるデルフィーことオーグリーは1981年10月31日,父に代わってハリーを殺そうとするのか,父ヴォルデモートを止めて更に父を強くしようとしているのか〜
 これは舞台版のスペシャル・リハーサル・エディション・スクリプト。父と息子の相克の物語。ジェームスやリリーのことは大きく取り上げられていないのだが,真ん中の子は難しいって事でしょうか? 私もそうなんですけど…

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17/01/12
『ゆけ,おりょう』:門井慶喜(かどい よしのぶ):2016年81月10日:\1600:文藝春秋:県立M高校図書館
★★
 結婚,下げる,離婚,ハネムーン,良妻賢母,龍馬なしでも
〜町医者の父をなくし,七条新地の料理屋兼旅館・扇岩で仲居奉公を始め,龍馬その他と出会い,蛤御門の変で焼け出されたのを期に結婚し,神戸の海軍操練所での酒宴,寺田屋で幕吏に踏み込まれ,半裸で龍馬に急を告げ,薩摩へハネムーン後,聴衆行き,月琴の稽古をしている時に,龍馬による大政奉還が成就したが,暗殺の報に触れる〜
 坂本龍馬を女の視点で捉え直す。彼は「家康,江戸を作る」の著者

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17/01/10
『お断り』:佐伯泰英(さえき やすひで):2016年11月18日:\690:角川春樹事務所:M市立図書館
★★
 鎌倉河岸29
〜山城淀藩の勘定方が辻斬りにあって命を落とし,山形藩の勘定方も同様の手口で殺された。3人目は丹後田辺藩の用人。共通するのは句会の仲間であると言うことと,同じ札差から金を借りて踏み倒したという点だ。踏み倒された札差は元武士で,奉行に従って長崎に行き,唐物を仕入れて江戸で売り財をなし,札差の株を買ったが,二代目の武士の商売で左前になっていたところを「お断り」にあったのだ。二代目は首を括ったが,双子の弟が木更津で道場を開いて居合いの遣い手であったのだ。お断りには更に一家が関わっており下野黒羽藩の用人が標的だ。襲われるのは帰りと踏んでいたが,句会だと呼び出された料理屋で斬り殺された。金座裏の一行が踏み込むと,自分の刀を心臓に突き刺して果てた。しかし,黒幕が居そうな雰囲気。一度,株を手放した札差が再び買い戻していたのだ…〜
 まあ,派手な捕り物だけじゃ色気がないから,万引きと豊島屋の嫁取りに纏わる京旅行,新たな手先となりそうな木更津の勘三郎の話も混ぜている。表紙の絵の様な立ち回りがあると思うでしょ…それが、ないんだな

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17/01/06
『陸王』:池井戸潤(いけいど じゅん):2016年7月10日:\1700:集英社:県立M高校図書館
★★★★
 私にとっては、どんでん返し
〜宮沢は埼玉の行田で百年続く足袋製造のこはぜ屋の社長だが、メインバンクの埼玉中央銀行から運転資金を借りるのも一苦労。新規事業を考えるようにアドバイスされる。百年前、地下足袋でマラソンに出場した日本人がいたと思い出して、こはぜ屋も陸王という名で作っていた。つま先を丸め、濃紺にトンボの模様のアッパーができ、京浜マラソンで故障した茂木選手に履いて貰おうと監督に掛け合い、受け取っては貰ったが、使って貰えるかどうかは分からない。足袋で運動させようと言う学校も出てきたが、生ゴムのソールは重く、軽い素材を捜していると、銀行の旧担当・阪本が、繭を使うシルクレイという死蔵特許が紹介されたが、倒産したインテリア会社の社長であった飯山は5千万だ、1億だと吹っかけてくる。工場を見て貰ったらと言うアイデアが受け、試作用の機械とその使用料、機械を動かすノウハウとしての顧問という地位を与えたが、丁度良い固さにするために宮沢の息子・太一を手伝わせ、繭を煮る温度がポイントだとようやく気が付いて、ある程度の生産が可能となった。大きなシューズメーカーであるアトランティスの営業はアメリカ式の経営で、ダメと判断した選手へのサポートはさっさと止めてしまう。それは茂木に対してもそうで、シューフィッターの村野は上司と衝突し、退社を決意するが、選手に絶大な信頼が寄せられている村野はこはぜ屋の陸王に興味を持ち、アッパーに機能素材が必要だとアドバイスする。銀行の新担当に橘というベンチャーを紹介され、ラッセル織りを採用し、村野を通じて茂木に勧め、ニューイヤー駅伝で、大学時代からの注目選手であるライバルの毛塚を上回る成績を残しても、茂木選手や陸王に注目は集まらない。しかし、焦ったのはアトランティスで、こはぜ屋を妨害するためタチバナラッセルに働きかけ、取引中止に持ち込み、開発室でも改良地下足袋用のソール作りを続けていく内、機械が修復不能に陥り、量産用の機械を導入するためには1億の金が必要だが、埼玉中央銀行は即ダメを出す。銀行から投資会社に転身した坂本は、買収話を持ってくる。アメリカでアパレルと展開する新進気鋭の経営者である御園だったが、考え直して業務提携を逆提案して受け入れられた。しかし、5年後に借金を返さなければ、残金を新規資本とし、子会社となるのを受け入れるしかない。社員全員を集めて相談すると…〜
 学校に採用された生ゴムの陸王は毎年、新入生向けの納品がある筈だけど、使ってみて、やっぱりダメだという事になったのか? 作者が忘れていたのか? 破いちゃう奴もいるじゃなかろうか? そもそも佐倉市の中高一貫だという設定だが、6年持つのだろうか? えーと…零細企業の跡取り問題で宮沢は他企業への就職を認めながらも、本当は後継者になって欲しいのだとずーっと思わされていたが、太一が実際に大手への就職が可能になった時、このまま親の会社を手伝っていても良いのかと宮沢に相談すると、宮沢は是非就職して世界を見てきて欲しいと云う…成る程と納得させられた。すぐにでも映画化されそうな内容で、池井戸さんは意識しているのだろうか。2時間程度にまとめられそうだけど、問題は主人公となる宮沢という中年男を誰にやらせるかだな! 堺君は銀行員役が定着しちゃったから使えないし

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17/01/05
『聖の青春』:大崎善生(おおさき よしお):2015年6月25日:\640:KADOKAWA:県立M高校図書館
★★★
 哀哭のノンフィクションというが…私も泣いちゃった
〜広島の新興住宅地で生まれ育った村山聖は兄を追い掛けて野山を駆けめぐったが、ある日高熱を出して寝込み、暫くしてネフローゼの診断が下り、小学校時代はほぼ病院の生活。そのなかで知った将棋にのめり込み、将棋の本を読んで覚え、誰も相手にならないくらい強くなり、谷川に勝って名人になることが目標となった。退院すると将棋センターに通うようになり、実力が認められて小学生名人戦にもでるようになり、生涯のライバル達と出逢うが、中学になっても入退院を繰り返し、紹介されたプロ棋士森の弟子となって奨励会審査を受けたものの、他の筋から紹介されて審査を先延ばしにした重鎮の怒りを食らって成績はよくても不合格になった。号泣して悔しがる聖を森は大阪に引き取って面倒を見ながら将棋会館に通わせ、1年後に合格、少女マンガと推理小説に囲まれた四畳半のアパートで身動きできずにペットボトルに用を足して、体調不良をやり過ごす。時々不戦敗になるものの、順調に勝ち進み、プロとなっても生活は変わらず、将棋会館・対局・自分のアパートと師匠のアパート・定食屋と雀荘を行き来する。順位戦も順当に勝ち上がり、A級となって名人位に手が届く所まで来て、拠点を東京千駄ヶ谷に移して多くの棋士と親交を結び、慕われた。血尿が出て自分では癌ではないかと疑いを持つが医師は取り合わず、順位戦でA級から陥落する。広島で精密検査を受けると、腎臓一つは機能しておらず、もう一つも万全とは言えず、膀胱にはポリープがあるといわれるが、本当の事を言ってくれと医者に迫る。東京を引き払って、熱心な説明を受けて膀胱摘出手術は成功しても、肝臓にも転移し、対中説不調の中、対局を続けるが、順位戦欠場を決断、竜王戦で羽生に勝つなどの成績を上げたが、痛み止めの処置を受けず、棋譜を呟きつつ平成10年8月8日29歳で聖の心臓は止まった〜
 棋譜を書くなら向いているが、ノンフィクションはイマイチか…でも題材が良かった。読んでも読んでも死ぬか生きるかの勝負という感覚は解らない。やっぱりゲームの世界の話としか思えなくて、世の中にファンが沢山居ることも理解できない

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17/01/
 
★★
 
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最終更新日 : 2017.01.31

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