2016/12/31
もう少し怪しげな絵を表紙に使えば良いのに〜

「夜行」
〜森見登美彦〜

『夜行』:森見登美彦(もりみ とみひこ):2016年10月30日:\1400:小学館:県立M高校図書館
 よくできました…パチパチパチ…って感じ
〜大学時代、同じ英会話学校に通っていた人達と出掛けた鞍馬の火祭の夜、僕・大橋が密かに好意を寄せていた長谷川さんが失踪した。十年後、東京で働いている僕が企画して、一緒にいた人達を誘って鞍馬に行く計画を立て、貴船口の旅館で、岸田道生という画家の「夜行」という連作の銅版画に纏わる話が出てくる。当時大学院生だった中井さんは、5年前に家出した奥さんを尾道に迎えに行った時の不思議な体験を語り、当時一回生だった武田君は松本から車で奥飛騨へ向かう最中、不思議な老婆を乗せてこの中の二人に死相が出ていると言われ、それは先輩なのか、先輩の彼女なのか、はたまたその妹なのか、自分なのか。残ったのは密かに交際を続けていた彼女と武田だった。画廊勤めの藤村さんは、夫とその後輩と上越廻りの夜行列車で青森に向かい、トンネルの向こうで燃えている家に寄り添って立っている女性が気になり、ついに津軽で見た家に吸い込まれるように後輩は消えたのが3年前だった。最年長の田辺は劇団を諦めて豊橋に帰った後、飯田線に乗って、不思議な女子高生と偽僧侶に出会い、偽僧侶が岸田サロンに出入りしていたいけすけない佐伯だった。岸田が死んだ日、佐伯も田辺も訪れていたのだった。そんな話を終えて叡鉄に乗って火祭りが終わった鞍馬からの帰り道、歩いている内に一人になった大橋が、中井に電話を掛けると京都のホテルのバーに居て、すぐに来いと言われる。行ってみると中井は、大橋がこの十年間失踪していたのだという。画廊を訪れ「夜行」というシリーズの代わりに掲げられている「燭光」シリーズを発見し、死んでいない岸田に連絡を取って貰うと、出てきた奥さんは長谷川さんだった。4人で不思議な話だと言い合っている内に、寂しい居間に変わり…〜
 今までの森美作品とは違って、よく出来たミステリーファンタジーに仕上がっているのだが、表紙の絵が可愛すぎてイメージと異なる。森見ファンタジックワールドに馴れている人を違う世界に誘うように…かな?

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最終更新日 : 2016.12.31

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