2016/11/07
〜何様の続きが入った短編集〜

「何様」
〜朝井リョウ〜

『何様』:朝井リョウ(あさい):2016年8月30日:\1600:新潮社:県立M高校図書館
 「何者」が映画化されて、何様はその続きだが、本は短篇集
〜「水曜日の南階段はきれい」高校卒業間近な光太郎は御山大で音楽サークルに入るのが目標で、ゲリラライブを仕掛けるが、担任に止められる。英作文が決め手になると踏んで、同級生で図書室で勉強している夕子に近付くが、時々詩を書くために上がってくる踊り場は彼女が水曜日に掃除しているのを知っていた。彼女は自由に表紙をデザインできる文集の交換を申し出て、それが手元に届いた卒業式の日、金曜のゲリラライブを上から覗くためのカモフラージュで金曜にガラス磨きを始め、それを誤魔化すために階段を水曜日に掃いていたこと、アメリカに留学することが書かれていた。「それでは二人組を作ってください」理香は留学経験もあり姉と部屋をシェアしているが、近々彼と住むために部屋を出て行く予定なので、ルームメートを見つけることが急務だ。同級の朋美はテレビのシェアハウスものに見せられていてお洒落な部屋に憧れているようだから、インテリアで雰囲気を見せれば乗ってくるのではないか。インテリアショップに行き店員に組み立てて貰ったり、その店にない小物を一緒に探す内に仲良くなり、朋美がテレビの裏音声の方で文句を言っているのが気に入っているだと知り、その店員にシェアを申し入れる。「逆算」鉄道会社の不動産部門に勤める松本有季は高校時代付き合っていた男に良心がクリスマスの乗りで出来たこどもなんだと言われたのが心に引っ掛かっている。自分も26歳のクリスマスまでには運命的な出会いをして、将来が決まっているのじゃないかと脅迫されるが、クリスマスは目前。同僚の結婚相手の男友達と再現ビデオを作りに行ったディズニーランドで、眩暈を起こして倒れ介抱を受けている時、クリスマスなら9月5日と言われた。君の誕生日から逆算すると2月1日、それは6歳年上のタレントをやっている従姉のデビューの日だった。「きみだけの絶対」高校生の章寛は花奈という彼女と初体験を済ましていて、母と娘の家で二人きりの時間が待ち遠しい。母の弟は表現者で、雑誌にインタビュー記事が載り、母も取材を受け、関係者席を弟に用意した癖に見に行けないと、二人に押しつけた。彼女は何かを感じたらしいが、被災地で元気をなくしている人に見て欲しいという叔父の言葉に、むなしさを感じる。本当に困っている人は、此処に来る余裕もないんだ!「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」就活セミナーや企業の研修のマナー講師をやっている正美は、三つ年下で問題児だった妹の栄子と違い、優等生で通し、地元の国立大・地元の企業に勤め、妹が怒哀を両親に与えるなら、自分は喜楽を与えるのだと思っていたが、通り魔がむしゃくしゃしてやったと語っているとテレビで聞き、自分の講座を元ヤンが掠っていくのにイライラしていた。偶々出会った中年男性は夫が浮気をしているんじゃないかと妄想に取り憑かれて疲れている。偶々、男性の後輩の会社員に携帯を貸して、その履歴を見た妻が家を出奔した。「何者」IT会社に拾われた克宏は驚いたことに人事部に配属になり、チーフの武田の許で初めての面接に臨むが、去年の自分の面接がチーフのデビューだったと先輩の君島に聞かされている場所は喫煙所で、差し出されたタバコに手を出さなかったのは、同棲している彼女の妊娠が判明したからだった〜
 短篇集って言うんだろうか? まあ短篇かな? 長編じゃないから? 賞を獲った作品なら一つで単行本化されるね。意外な展開で面白かったが、微妙に1話目と2話目が繋がりそうなので連作かと思ったら、そうでもなく、彼が女でないことははっきりしているから、便秘に悩むなど・よく女の立場で書いたなぁと関心もしたり

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最終更新日 : 2016.11.07

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