2016/07/11
何処かで聞いたけど・忘れたいような話〜

「象は忘れない」
〜柳広司〜

『象は忘れない』:柳広司(やなぎ こうじ):2016年2月10日:\1350:文藝春秋:県立M高校図書館
 …人は未来に後ろ向きに入っていく 目に映るものは過去の景色だ…
〜道成寺:O町には仕事があって良かった。純平は原発関連企業に勤めていたが,排気弁を手動で操作する決死隊となり,3号機の爆発に巻き込まれても生還した。黒塚:津波に襲われて青年団の一人として救援活動を行っていたが,原発事故で非難した先は,最も放射線レベルの高いI村だった。卒都婆小町:靖子はF町の歳の離れた漁師と結婚したが,原発事故以来はたらこうとしない夫が暴力を振るうようになり,ボランティアの助けで東京に出て来て勉強会に参加しているが,自分と娘は明らかに別扱いされている。そんな時に優しく声を掛けてきた老女は,在日ヘイト・デモに誘ってくれ,最初の違和感はなくなり,此処が居場所だと感じ始める。膳知鳥:ハンター曹長はゼロ作戦に参加した後,80km県外に去ってトモダチ作戦に従事したが,休暇帰国後子煩悩だったはずが,子どもに暴力を振るうようになり,PTSDだと考えられる。どこにもやり場のないモヤモヤを解消するため,電力会社を訴えることが精神科医から提案される。俊寛:俊寛の家は居住制限地域で,ツネ・ヤスの家は特定避難勧奨地点だ。線量が下がったから勧奨地点の人は復興のために帰れ・補助金は出ない・と言われ,分断されてしまった〜
 タイトルだけからは内容が想像できない。深刻なフクシマ原発事故関連小説群。表紙を見た時,ホログラムだ!と判断したが,カバーを取り去ると何の変哲もなくなっていて魔法の様。メルトダウンした核燃料棒は象の足のような形になる・と書いてあったから,そういう連想かな?

7月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2016.07.11

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送