2016/03/07
〜巧く行き過ぎ〜

「創薬探偵から祝福を」
〜喜多喜久〜

『創薬探偵から祝福を』:喜多喜久(きた よしひさ):2015年12月1日:\630:新潮社:県立M高校図書館
 単行本は2012年8月ポプラ社か1979年生まれの東大出,現在も製薬会社に研究者として勤務している作家
〜原因不明の難病に苦しむ者の最後の望みがURT(Ultla Rare-disease Treatment・超希少疾患特別治療)だ。日下公一郎オーナーの下で姉の治療が失敗した薬師寺千佳は,姉のフィアンセで創薬の相棒である化学合成の鬼才・遠藤宗史を慕っている。公一郎が亡くなった後の娘・貴美恵から依頼を受けたのは,エボラ出血熱らしき男性の治療薬開発だった。宝石商の父の跡をとるため,アフリカの奥地に入り込み,住血吸虫に寄生されていたのだ。持ち出していた木の葉を発酵させて呑むと駆除できるのだった。プロ野球外野手が視神経に出来た腫瘍を手術無しで治療するためには,サンプルが必要だが,本人は拒否し,10歳の少年から提供されたが,プロ選手と少年は兄弟だった。日下病院の旧創薬グループのメンバーが新しくURT請負を始めたが,骨芽細胞が突起を作り組織を傷つける奇病は,旧創薬グループの新社長・佐水圭で公一郎の妻から公一郎へ,公一郎から佐水へヘルペスウィルスが伝染していたのだ。骨を破壊して再生させる手順を踏ませて解決した。女子高校生の背中の腫瘍を手術で除去したら,骨髄機能が低下した。旧創薬チームの蓮見は,iPS細胞を使うべきで,テラトーマを造血幹細胞形成の場に使うことが提案され,遠藤も了承したが,旧グループと直接顔を合わせようとせず,姉・姫子に試すことは絶対受け入れない。創薬から距離を置いた遠藤は,駅で心臓発作を起こし転げ落ちて,脳出血を起こし,失認になってしまった。千佳が中心となって旧創薬グループが結集し,日下病院で創薬が始まったが方針が定まらない中,病院で二度目の発作が起こり,遠藤が勤務していた製薬会社の高血圧剤の副作用検査で不正があったことが判明する。遠藤の女上司が疑惑の教授夫人に刺されて逮捕され,千佳に筋道が見えてくる中,遠藤は入院中の病院を抜け出し,姫子に会いに来ていた。病室に入ると,姫子に奇跡が生じ,遠藤の失認も嘘のように消えていた〜
 このミスで優秀賞を受賞した。あとがきで,2と4以外はフィクションだと云っているわけで,視神経に出来る腫瘍,背中の良性腫瘍を除去したら造血という骨髄機能低下というのはあるってことです!テラトーマとは,毛髪・歯・筋肉・軟骨など体のあらゆる組織が混じり合っている良性の腫瘍。最後はちょっと都合が良すぎますね

3月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2016.03.07

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送