2016/3
〜3月に読んだ本〜

イスラーム基礎講座 ☆☆☆☆ おもかげ復元師 ☆☆☆☆ 創薬探偵から祝福を ☆☆☆ 茶色の朝 ☆☆☆☆
君の膵臓をたべたい ☆☆☆☆☆ メンチカツの丸かじり ☆☆☆☆☆ 闇に咲く おいち不思議がたり ☆☆ いちご戦争
竹屋ノ渡 ☆☆ 旅立ノ朝 ☆☆☆ 思考の整理学 ☆☆☆☆ 太宰治の辞書
ガールズ・ストーリー おいち不思議がたり ☆☆☆ 桜舞う おいち不思議がたり 働く!「これで生きる」50人 益満休之助 ☆☆☆
江戸の暮らし図鑑      

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

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16/03/30
『江戸の暮らし図鑑』:菊地ひと美(きくち ひとみ):2015年2月20日:\3600:東京堂出版:県立M高校図書館
 金3600円也!!副題「女性たちの日常」。何が腹立つって…校正が出来ていない点!
〜武家の婦人・商家の妻・庶民の女の生業・庶民の女房・農家の女房〜
 図鑑だから絵を眺めていろ!という本作りの姿勢なのかとは思うけど,絵は過去の画家の模写で,自分なりのタッチで描き変えたので統一性があるけど,基本的に文が多くて,その文が駄目! 引用なのか自分の推測なのか分からないし,繰り返しが多いし,間違いも多く,分からない言葉の解説もない…スルーしてっていうスタンス。編集者によるチェックもない。編集者が駄目なんだろうね。東京堂って図鑑類を沢山出しているよね。わが祖父もお世話になったけど,編集さんの情熱や能力に問題があるかも知れないね

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16/03/23
『益満休之助』:直木三十五(なおき さんじゅうご):1979年11月10日:\300:角川文庫:県立M高校図書館
★★★
 直木三十五の代表作でこれは後編。前編は南国太平記!
〜薩摩浪人・小十郎は益満の御用盗と称する騒擾で得た金を本に町人として商売を始めるつもりだ。幕府の手先はこれを捕らえようとしないことに業を煮やして益満は江戸城に火を掛ける提案を成す。案の定,薩摩屋敷は包囲され,焼き打ちに遭い,益満も胡蝶丸で江戸を脱出したが,清水に寄ると聞いて薩田峠を経て江戸へ舞い戻る。常磐津の師匠・富士春を譲った張本人である庄吉は,講談師・南国に復縁を勧められるが,益満が死んだとは思えない。品川に戻ってきた益満を見つけた庄吉が声を掛けると本人は返事をしないのに,役人が寄ってきて益満は捕らえられてしまう。引っ立てられる最中に通りかかった勝安房守は自分の屋敷に連れてこいと言われ,辿り着くと客の扱いだ。京で争いがあったようで,勝は江戸を焼き払わずに引き渡す為の交渉役を,益満を通じて西郷に願いたい。幕府側には山岡が就いた。春は小十郎に惚れ,益満には小十郎の妹を娶せようと南国は動く。意気地のない旗本に腹を立てた庄吉は,上野の山に立て籠もる浪人たちに飯配りをして手助けしようとするが,自分の女房同然であった富士春が益満や小十郎と通じていることにも腹を立て,張り倒した末に匕首で刺してしまう。庄吉は一人で死ぬのが寂しかったのだ。官軍1万6千が攻撃を始めても益満は動かなかったが,黒門前で高麗鼠の如く動き回る庄吉を見つけて,前線に出た益満は流れ弾に当たる〜
 こういう本を書く人だったのね。文藝春秋の社長だった菊池寛は気に入っていたのだろうね。今,流行の現代風時代小説

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16/03/22
『働く!「これで生きる」50人』:共同通信社・編:2014年7月23日:\1500:共同通信社:県立M高校図書館
 3人目ぐらいで嫌になってきた
〜女性法医学者・チャプレン・手話バー店長・僧侶・小児外科医・ライター兼神職・医療ソーシャルワーカー・新進陶芸作家・歌舞伎役者・ねぶた師・オーケストラ代表・西陣織の職人・映画監督兼館主・老舗こうじ店女将・研究者・物理学者・非常勤講師・JAXAフライトディレクター・エンジニア・無料の学習教室代表・女性ハンター・五つの仕事・マングースバスターズ・エコツアーガイド・移動販売・自然観察指導員・離島経済新聞編集長・仕事旅行社・鉄道の方言ガイド・農産物の直販・アコーディオン歌手・ホペイロ・地方競馬の予想屋・海底炭鉱坑内員・鯨捕り・犬ぞり探検家・Iターン漁師・海外駐在員・棚田のコメ作り・百貨店店長・若手起業家・レストランシェフ・スタイリスト・信用組合支店長・原発作業員・IT拠点経営者・酒蔵の経営者・弁護士・政策投資銀行員・助産婦〜
 なるほど,色々な職業がありますね。でも最近は自分の周りで働いていない人が増えてます

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16/03/21
『桜舞う おいち不思議がたり』:あさのあつこ:2012年3月29日:\1600:PHP研究所:県立M高校図書館
 月刊文庫・文蔵に連載された「当世侠娘物語−ガールズ・ストーリー自立篇」を改題
〜六間堀町・菖蒲長屋の町医者・藍野松庵の娘・いち十七歳は,幼馴染みのおふねに呼ばれている気がして,呉服問屋・小峰屋へ走った。鼻緒が切れて二人組の破落戸に絡まれたが,下駄を投げつけて走り通し,店前でもう一人の幼馴染みの松と出逢って裏口に回ったが,生臭い血が流れている。友は死産の上に自らの命を落とした。医師は有名な山賀貝玄だが打つ手はないらしい。医師を目指すいちは友を救えなかったのに消沈して裸足で帰路を辿るが,またも破落戸に絡まれる。急を救ったのは,山賀の弟子の田済十斗という若者で,破落戸でもの肩の関節を外してしまった。伯母・うたは糞詰まりで苦しんでいるが,腹に固い痼りもできている。伯母の元に往診に出掛けると,道端で飾り職人の新吉がぴらぴらの簪を礼として渡してきた。近くにいたのは岡っ引きの仙五朗で,絡んできた破落戸の話も持ち出した。その後,父の留守に十斗が長屋にやってきて弟子にしてほしいのだという。新吉は又喧嘩をしたのだが,飲み屋で破落戸がいちを惜しくも逃した話をしていたからだった。破落戸二人は大川端で心臓を匕首で刺されていたが,血が少なすぎると仙五朗が松庵に検屍を依頼してきたのだ。いちが夢枕に立ったふねに請われて出掛けた長屋に松の姿がなく,妹たちは父親が松を売る相談を始めて,松は医者の所へ行くといって飛び出していったのだという。意気消沈して帰ってきたいちは,松庵と十斗の言い争いを耳にする。十斗は松庵が父母を見捨てた仇だと詰っているが,訪ねてきた伯母・うたの真相話が決着を付けた。痘瘡に罹った母は子を身籠もっていたのだ。夕方になっても長屋に帰って来ない松は,山賀の屋敷に行ったのだと知ったいちは,隣に越してきた新吉に仙五朗への伝言を頼み,山賀の屋敷に忍び込んで,物置小屋で十斗と松を見つけたが,いちも閉じこめられて火が放たれた…〜
 なるほど,雑誌に連載していたから,こういう滅茶苦茶な展開になったのかぁ…納得。しかし月刊文庫ってのは何だろう? 一作目は文庫化する時に改題され,この二冊目もガールズ…も,当世侠娘…も,自立篇も消えている

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16/03/19
『ガールズ・ストーリー おいち不思議がたり』:あさのあつこ:2009年12月14日:\1600:PHP研究所:県立M高校図書館
★★★
 あまり好きじゃない…その内に読もうと書いたが,一番最初の本は悪くない
〜六間堀町・菖蒲長屋の町医者・藍野松庵の娘・いち十六歳に,伯母・うたが持ってきた縁組みの相手は,生薬・鵜野屋だ。内儀が亡くなった若旦那に嫁がないかというのだが,当の若旦那・直介が訪ねてきて,松庵は命の恩人だと言う。五歳の頃,流感に罹って生死の境を彷徨った時,助けられたと言うが,父は本人の生きる力が勝ったのだという。命の恩人の医院に安く薬を卸すと言ってくれるが,おいちには苦しいと言っている女の影が若旦那の後に見える。薬の礼を言いに生薬屋に赴くと,年配の女中・絹が言うに若旦那は鬼だというのだ。相生町の岡っ引き仙五朗に相談すると,連絡をとった翌朝,吉兵衛が背中を刺された。庄之助は相変わらず,自分の中のお京が殺したのだと云うが,独り立ちしたての飾り職人・正吉が道端で喧嘩をして,父に診察を依頼した岡っ引きの仙五朗は,不審な点が多いと調べ直しを請け負ってくれた。直介の嫁・加世の実家・白水屋で嫁入り前の女中が心臓の病で亡くなり,婚家でも若旦那と相思相愛だった女中の梅と加世も心臓の病で亡くなっている。梅がいちの夢枕に立ち,若旦那を殺させないで欲しいと言われて,鵜野屋に駆けつけると,絹が入れた茶と絹の作った干菓子を当に飲もうとしていた。絹は死んだ梅の実の母で,大番頭の佐助に耳打ちされて,仇討ちを仕掛けたのだが,梅を殺したのは加世で,加世が直介を同じ手口で殺そうと毒を入れた鉄瓶を入れ替えて加世が死ぬのを放置し,証拠を消したのは隠居だった。佐助は絹こと徳を殺そうと連れ出すが〜
 いちには死者の声が聞こえちゃうので,仕方ないが,推理で進めてくれるとすんなり入ってくるんだけどなぁ…

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16/03/17
『太宰治の辞書』:北村薫(きたむら かおる):2015年3月30日:\1500:新潮社:県立M高校図書館
 読むのが辛いわ…
〜小さな出版社・みさき書房に勤める40代の私、中学生の息子と連れ合いと共に、夫の実家の近く、山手線の西側に住む。花火:担当女性作家が文学賞候補となって、新潮社で受賞の成否を待っていると、ロチの名に触れ、芥川が書いた舞踏会に想念が跳ぶ。三島が話題にしていたが、座談会で出てくる話には誤解が含まれている。それにしても芥川をロココ的と賞しているが…。女生徒:ロココで思い出すのは太宰だが、女生徒の書いた日記を基に一日に集約している。「愛ハ惜シミモナク奪ウ」と並んで有名な「生まれて、すみません」というエピグラフは、寺内という一行詩人のものだったが、寺内は終戦後間もなく駅で目撃されて消息を断っている。太宰治の辞書:太宰は女生徒の中で『ロココ料理』を示し、辞書を引いて「ロココ」の意味を「華麗のみにて内容空疎の装飾様式」と書いているが、それはどんな辞書だろう。掌中新辞典がどこかにないか。群馬新前橋の群馬県立図書館にあって、萩原朔太郎記念館も訪ねる。やはり、太宰は心の辞書を引いていたのだ(太宰の妻の実家にあった三省堂の日本百科大辞典には酷い説明がなされているのだが)〜
 本の旅:文学好きの探索。川上とか又吉が太宰を褒めているのだが、今の作家が過去の作家を褒めているのを聞くと、学校の国語の先生の思い込みたっぷりの解説を聞いているようで嫌! この北村先生も早稲田を出たあと、母校の県立春日部高校で国語を教えながら、覆面作家として活動していた。いまや、春日部と云えば、しんちゃんだけどね

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16/03/15
『思考の整理学』:外山滋比古(とやま しげひこ):1986年4月24日:\520:筑摩書房:市立図書館館外
★★★★
 読んだのは、2009年の52刷で、先日、朝日新聞の『広告』に出ていたので探してみた
〜Tグライダー:不幸な逆説:朝飯前:U醗酵:寝させる:カクテル:エディターシップ:触媒:アナロジー:セレンディピティ:V情報の“メタ”化:スクラップ:カード・ノート:つんどく法:手帳とノート:メタ・ノート:W整理・忘却のさまざま:時の試練:すてる:とにかく書いてみる:テーマと題名:ホメテヤラネバ:Xしゃべる:談笑の間:垣根を越えて:三上・三中:知恵:ことわざの世界:Y第一次的現実:既知・未知:拡散と収斂:コンピューター〜
 多少古くなっているが、本好きのバイブルの様だ。「寝させる」は今なら「寝かせる」だな。「三上」とは鞍上・枕上・厠上でよいアイデアが生まれる場所。馬に乗らないので通勤電車の中で、枕上は寝ている最中でなく目覚めたとき。「三上」を定義した欧陽修は「三多」についても述べており、看多・做多・商量多で多くの本を読み、多くの文を作り、多く工夫して推敲する…こと。而して「三中」は無我夢中・散歩中・入浴中…で外山さん?知識はたっぷり寝させて、しっかり練り上げられ純化し、すでに醗酵してアルコールになったような着想、テーマを書いてみて、声を出して読んでみる。外山さんが出た東京文理科大学というのを調べたら…東京高等師範学校が大学の資格を得て、専攻科が独立して文理大になったが、新学制で東京教育大学に吸収される。他の文理大は岡山にも

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16/03/14
『旅立ノ朝』:佐伯泰英(さえき やすひで):2015年1月9日:\648:双葉社:市立図書館館外
★★★
 居眠り磐音シリーズ51で終了
〜父・正睦の具合が悪いと聞いた磐音は妻子と共に藩の御用船で帰藩したが、歓迎していないのは正睦が取り立てた中老・伊鶴儀登左兵衛門の一派だ。正睦亡き後の国家老の地位を狙い、邪魔立てする磐音を除こうとして雇った陸奥の剣客・石岡淳一郎は臼杵への峠において棟打ちで斥けたが、気がついて城下に帰ってきて斬殺された。琴平・舞・慎之輔らの墓参では、双子の神波兄弟を十六になった空也が両手の木刀で倒し、崖から転落させて斥けた。尚一家が紅花栽培を成功させた花咲の郷を立ち去った後に、伊鶴儀が拐かそうとして派遣した三人の剣客と二人の配下は、霧子と空也が斥けた。気力を振り絞って総登城を命じた正睦は、藩物産による伊鶴儀の2千両を超える着服を皆の前で明かし、実高に代わって藩主の座に就いた敏次が姿を現して城中の勝負は決した。敏次は江戸藩邸の中居半蔵を伴い、磐音一行らと藩御用船に乗り、臼杵で下船していたのだ。正睦の後任・繋ぎの国家老には中居半蔵が就くことが決まった。このことを奈緒に知らせようと霧子を走らせたが、霧子からは磐音に野心を砕かれた江戸起倒流の鈴木清兵衛が奈緒の家近くに居ると知らされた。居合いで鈴木を倒し、屋敷に奈緒を伴って戻った半刻後、正睦は身罷った。葬儀が終わり、空也は薩摩に向け、武者修行の旅に出る〜
 豊後関前とは大分県佐伯市のことであった…最後になって知った。泰英さんのルーツはそっちにあるのかね。それは良いとして、この文庫本のカバーは折り返して前で切られていて、何としたことだろう? この手前の50巻もそうだった。居眠り剣法は何処に行ってしまったのだぁ…。旅立つのは磐音の息子・空也だった! あっ、表紙の絵は空也で、風水姿は…あれ?誰でもなかった! 次作の伏線か!?

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16/03/13
『竹屋ノ渡』:佐伯泰英(さえき やすひで):2016年1月9日:\648:双葉社:館外
★★
 居眠り磐音50
〜14歳になった空也は道場での立合が許され,将軍・家斉に父・磐音共々召し出されたのは,御側御用取次に返り咲いた速見左近の働きかけと松平定信への不評があったからだ。もうすでに神保小路の尚武道場は幕臣による普請に入っていた。小梅村から越していく者と残る者。霧子と利次郎は関前で奮闘する正睦や奈緒の手伝いに向かっていた。磐音の気掛かりは,田沼一派の刺客に指名されながら日本橋で擦れ違ったきりの土子順圭との勝負だった。新しくなった道場は将軍が訪れた時の見処の上段もあり,扁額も小梅村から戻り,空也と磐音の披露目の型も披露したが,翌朝の尋常なる立合で磐音は土子を倒した。奈緒は紅花栽培を広げるため,豊後関前に移住していたが,父・正睦が病床にある間,正睦が取り立てた伊鶴儀が中老にまで成り,国家老の地位を狙っていた。老中・定信が罷免され,小梅村に残ったどてらの金兵衛が昼寝しつつあの世に旅立った〜
 最後だからと,二冊同時刊行。50冊で綺麗に終われば良かったのに…

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16/03/11
『いちご戦争』:今日マチ子(きょう まちこ):2014年7月30日:\1400:河出書房新社:県立M高校図書館
 <>に活字,〔〕に手書き文字
〜〔制服をぬいで、〕〔ホールケーキ島の報復〕<いちご戦争 今日マチ子>〔いちごミルク海峡決戦〕〔ピンクガス弾〕〔逆茂木〕〔パイナップル・リバー〕〔カットパインに爪楊枝作戦〕〔自決用マスカット〕<戦争の夢をみた。制服はカーキ色に 髪は短く切られ 私たちの多くは 南の国のジャングルへ><南方に楽園あり>〔陣中風呂〕〔くまなく張り巡らされた鉄条網、杭にはマイク付きの電話線が張られており敵の動きを的確に伝えている.〕〔コンフィチュール作戦/無能指揮官R.M.〕〔おそうじ隊.最新式ルンバに苦しめられる〕〔壕の中〕〔病院壕〕〔艦砲射撃のあとキャンディー諸島ミルキー島〕〔共栄圏のこども達〕<夢のなか、私が追いかけてくる>〔吉見百穴を軍需工場にする〕〔見せしめ〕〔死者の埋葬〕〔てるてる坊主のつくり方〕〔集団悪夢〕〔タカノの首都フルーツサンドに突入する〕〔雨の前線(佐藤錦とアメリカンチェリー)〕<軍事協力者たち>〔〕〔夢枕〕〔フォーク対スプーン〕〔マシュマロ艦.ココア海に沈む〕〔忍者ガールはルンバ使い〕〔忍者ガールに救助される〕〔実践ルンバと忍者ガール〕〔休日の忍者ガールとルンバ達〕〔フルーツバスケット島の戦いに勝利する〕〔病兵の看護〕〔三角巾包帯法〕〔ラムネの大群に襲われる〕<無血戦線にシロップが流れる>〔かき氷ください〕〔救出〕〔病院まであと少し〕〔みんな溶けてしまった〕〔西瓜島作戦実行〕〔西瓜島の戦い(前)〕〔西瓜島の戦い(後)〕〔いってきます〕<夢の中で、何度も私は死ぬ。その瞬間にまた生き返る。全然痛くない。(こんなのでいいのだろうか?)長い髪の私、その様子を眺めているだけ。>〔友だちが来たのに〕〔虫の息〕〔まさか、自分が…〕〔玉砕いちご味〕〔敗残兵〕<撃たれてはじけた あのこのはらわた いちご味のお菓子がぎっしりつまっている 緑にちらばる甘いにおい>〔わたしのはらわた〕<もうすこしここにいさせて>〔手紙〕〔ネイル・エナメル戦争〕〔あのこのはらわた〕〔野戦用寝袋〕<夢を見ながら 夢を見ているとわかっているとき 私は私を殺しに出かける チャイムが鳴っているのに 目を開けることができない>〔負傷兵〕〔ぽたぽた〕〔パラレル〕〔届いた〕<お菓子を食べながら>〔緩衝マシュマロ〕〔ポケット兵隊〕〔いちご組赤ずきん〕〔いちご爆弾〕〔マシュマロ処理班〕〔夜間空襲〕〔鉄条網〕<雪、光、夜明け前>〔雪がふってきた〕〔去年の雪〕〔風が出てきた〕〔金平糖・森の捜索〕〔零下〕〔苺サンドショート〕〔金平糖の森事件〕〔自決の相談〕〔自決のあと〕〔m&m〕〔マーブルチョコ〕〔満員電車の中、目をとじて音だけをきいている〕<戦場に持って行った手帳に 日記を綴る 胸ポケットに入れていたから 危うく銃弾から命拾い (私が死んでもこの夢は続く)>〜
 意図が巧く読み取れない…

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16/03/11
『闇に咲く おいち不思議がたり』:あさのあつこ:2015年6月5日:\1600:PHP研究所:県立M高校図書館
★★
 あさのあつこって記録していないみたい
〜六間堀町・菖蒲長屋の町医者・藍野松庵の娘・いち十八歳は,人ならぬ者の声を聞き,血を嗅ぎ分ける。同じ町内の小間物問屋「いさご屋」の若主人・庄之助の相談は,5歳の時・赤疱瘡で死んだ双子の姉・お京が自分の中にいて,双子であることを忌み嫌った祖父を毒殺し,父も手に掛けようとしているのだという。飾り職人の正吉も抱え職人として一緒にいさご屋に潜入するという。お京付きだった女中・お久はいまや庄之助付きだ。五ヶ月の男の子・正蔵の母・およしは,仲間の夜鷹が次々に殺され,いちがいさご屋に入ったと聞くと,正吉を通して,あの家には人を喰らう鬼がいるから直ぐに立ち退くようにと伝言する。いさご屋の隠居・吉兵衛には後妻の富と五才の乙松がいて,番頭の弐助も乙松に跡を襲わせたいようだ。夜,庄之助は自分が夜鷹殺しの下手人だといちに告白するが,茶に毒を入れられて気絶している内に,夜鷹が殺され,血が刷毛で塗られたものだといちは説明する。夜鷹の4人目が殺され,剃の仙との異名を持つ相生町の岡っ引き仙五朗に連絡をとった翌朝,吉兵衛が背中を刺された。庄之助は相変わらず,自分の中のお京が殺したのだと云うが,仙五朗は後妻の富と番頭の弐助が謀ったものだと見破り,しょっ引いていく。が…〜
 何だよ,このどんでん返し,そんなに複雑にしなくても良いんじゃない?? 第一弾と第二弾「桜舞う」はいつか機会があったらにしよう

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16/03/11
『メンチカツの丸かじり』:東海林さだお(しょうじ):2015年11月30日:\1200:朝日新聞出版:東部台文化センター
★★★★★
 丸かじりシリーズ38
〜すきやき(廃墟か?)・魚板とは(蒲鉾)・森下「みの家」で(さくら)・トンカツ(几帳面に食べる)・餅(ガスコンロで焼く)・湯豆腐と(昆布)・2014年の雪で(転ぶ)・笹乃雪(豆腐料理)・まいう〜(石ちゃんの)・カタイ(ビーフジャーキー)・クッキー(缶入りの)・昆布茶(飲み物か?)・最近見ない(角砂糖)・カフェ?(出し汁の!)・丼物の別居(わかれ)・食べ物か飲み物か(ヨーグルト)・調味料ラウンドテーブル(って云う?)・ポショ(ポン酢醤油を詰めて云うと)・わさび・稲荷寿司(スティックになってお洒落だが、ずぼらさがよかったと気付く)・三種入り(うどん・そば・ラーメン)・カップ焼きそばUFOを食べて(W杯へ)・トースターから出した焼きたてのパンに冷蔵庫から出したてのバターを塗る(無理だね)・W杯記念の食い物(コンビニで)・焦げ目が旨い(特に餃子)・らっきょう・ケーキ(中でもチーズケーキ)・裏側(焼き魚の)・多様化(そーめんつゆ)・ビール飲み放題バイキング(中野サンプラザで¥5000)・闌(生ビールのジョッキの把手は)・メンチカツ(ハムカツより下の扱い)・煮干し・量り売りのハンバーグ店(注文が難しすぎる)・食べる前に見る…例えば(高橋由一の塩鮭)〜
 出し汁1杯¥100…安いか高いか妥当か。らっきょうが好きなのは隠すべき事か。外食の一番人気メニューはハンバーグらしいから,他との違いを演出する店も出てくる訳ね。好きだなぁ…東海林先輩の食い物エッセイ!感覚が年寄り染みていなくて若い!

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16/03/08
『君の膵臓をたべたい』:住野よる(すみの):2015年6月21日:\1400:双葉社:県立M高校図書館
★★★★★
 さすがのベストセラー
〜盲腸の術後検査で見つけた手書きの文庫本は共病日記。膵臓が悪くて,余命一年なのを知ってしまったことから,秘密を知っているクラスメイトとなり,図書委員として一緒に仕事をしている内に「君の膵臓をたべたい」と言われてしまった。僕は,本さえ読んでいれば暮らしていける。彼女・山内桜良は友だちも多く社交的な性格で正反対だ。ショッピングセンターに連れて行かれ,自殺用のロープを物色したり,ホルモンを食べさせられたり,スイートパラダイスで甘いものを山ほど食べたり…。何処でも行きたいところに付き合うと言ったら,一泊で福岡まで来てしまった。一緒のベッドで寝ることになったが,僕らに疚しいところはなく,彼女の親友・恭子がいくら疑っても構わない。呼び出しに応じて付き合っている内に,夏休みに入り,彼女は入院した。当初の2週間の予定が倍になり,僕も彼女に純粋に生きていて欲しいと思うようになり,桜良に伝えた。退院して,カフェで会おうと約束したのに,彼女が来られない訳は,テレビのニュースで知った。「住宅街の路地で倒れているところを付近の住民に発見された。発見後すぐさま緊急搬送されたが,懸命の治療もむなしく,彼女は息を引き取った。…発見された時,彼女の胸には深々と市販の出刃包丁が刺さっていた。彼女は,緯線から世間を騒がせていた通り魔事件に巻き込まれた。どこの誰だかも分からない犯人は,すぐに捕まった。」(p220)〜
 いいなぁ…こういう青春があったら…って言っても戻ってこない。通り魔に刺し殺されてしまう展開に吃驚!!

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16/03/07
『茶色の朝』:フランク・パブロフ:藤本一勇(ふじもと かずいさ)訳:2003年12月8日:\1000:大月書店:県立M高校図書館
★★★★
 ジャン=マリー・ルペンの大統領当選を阻止したフランス・ブルガリア二重国籍の男の著作
〜「俺」とシャルリーが「コーヒーをゆっくり味わいながら,時の流れに身をゆだねておけばよい,心地よいひととき」を享受できる平和な国で,ものごとを「茶色」に染めていく出来事が起きる。「ペット特別措置法」のもとで,茶色でない犬や猫が処分され「俺」は驚き,胸を痛めるが,やがて「しかたない」と思い,痛みを忘れていく。「妙な感じ」が残り「どこかすっきりしない」ところがあるのに,それ以上深く考えない。法を批判した新聞が廃刊になり,「茶色に染まることことにも違和感を感じなくなって」しまう。「茶色に守られた安心,それも悪くない」と考えるようになり,「街の流れに逆らわないでいさえすれば…」と過ごすが,法が過去に遡って適用され,シャルリーが逮捕され,「茶色の朝」に至っても,みずから状況に合わせていくことをやめない。「いま行くから」。〜
 メッセージは東大の哲学の先生・高橋哲哉…その見出し:茶色,茶色,茶色・すべてが染まる・1ユーロの小さな本・コーヒーの平和・内側にいる安心・慣れていく怖さ・たくさんの言い訳・日本の茶色・ふつうの人びと・批判と悪口・茶色のメガネ・色つきの自由・考えつづけること

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16/03/07
『創薬探偵から祝福を』:喜多喜久(きた よしひさ):2015年12月1日:\630:新潮社:県立M高校図書館
★★★
 単行本は2012年8月ポプラ社か1979年生まれの東大出,現在も製薬会社に研究者として勤務している作家
〜原因不明の難病に苦しむ者の最後の望みがURT(Ultla Rare-disease Treatment・超希少疾患特別治療)だ。日下公一郎オーナーの下で姉の治療が失敗した薬師寺千佳は,姉のフィアンセで創薬の相棒である化学合成の鬼才・遠藤宗史を慕っている。公一郎が亡くなった後の娘・貴美恵から依頼を受けたのは,エボラ出血熱らしき男性の治療薬開発だった。宝石商の父の跡をとるため,アフリカの奥地に入り込み,住血吸虫に寄生されていたのだ。持ち出していた木の葉を発酵させて呑むと駆除できるのだった。プロ野球外野手が視神経に出来た腫瘍を手術無しで治療するためには,サンプルが必要だが,本人は拒否し,10歳の少年から提供されたが,プロ選手と少年は兄弟だった。日下病院の旧創薬グループのメンバーが新しくURT請負を始めたが,骨芽細胞が突起を作り組織を傷つける奇病は,旧創薬グループの新社長・佐水圭で公一郎の妻から公一郎へ,公一郎から佐水へヘルペスウィルスが伝染していたのだ。骨を破壊して再生させる手順を踏ませて解決した。女子高校生の背中の腫瘍を手術で除去したら,骨髄機能が低下した。旧創薬チームの蓮見は,iPS細胞を使うべきで,テラトーマを造血幹細胞形成の場に使うことが提案され,遠藤も了承したが,旧グループと直接顔を合わせようとせず,姉・姫子に試すことは絶対受け入れない。創薬から距離を置いた遠藤は,駅で心臓発作を起こし転げ落ちて,脳出血を起こし,失認になってしまった。千佳が中心となって旧創薬グループが結集し,日下病院で創薬が始まったが方針が定まらない中,病院で二度目の発作が起こり,遠藤が勤務していた製薬会社の高血圧剤の副作用検査で不正があったことが判明する。遠藤の女上司が疑惑の教授夫人に刺されて逮捕され,千佳に筋道が見えてくる中,遠藤は入院中の病院を抜け出し,姫子に会いに来ていた。病室に入ると,姫子に奇跡が生じ,遠藤の失認も嘘のように消えていた〜
 このミスで優秀賞を受賞した。あとがきで,2と4以外はフィクションだと云っているわけで,視神経に出来る腫瘍,背中の良性腫瘍を除去したら造血という骨髄機能低下というのはあるってことです!テラトーマとは,毛髪・歯・筋肉・軟骨など体のあらゆる組織が混じり合っている良性の腫瘍。最後はちょっと都合が良すぎますね

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16/03/02
『おもかげ復元師』:笹原留似子(ささはら るいこ):2015年月5日:\580:ポプラ社:県立M高校図書館
★★★★
 単行本は2012年8月ポプラ社から
〜1972年北海道札幌市生まれ,岩手県北上市で復元納棺師として活躍中。東日本大震災で,津波や火災で損傷を受けた遺体を生前の姿に戻す「復元ボランティア」に献身した〜
 ううぅぅぅううう……泣かされた! だが,復元に使う綿花とはなんだろう? 脱脂綿?青梅綿?

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16/03/01
『イスラーム基礎講座』:渥美堅持(あつみ けんじ):2015年7月7日:\2200:東京堂出版:県立M高校図書館
★★★★
 1938年北海道生まれ,拓大政経卒後エジプト・アズハル大学官費留学。中東問題の権威?
〜序イスラーム教理解のために−アッサラーム・アライコム0プロローグ1本書は専門書にあらず2イスラーム教の理解は日常語で十分3イスラーム教理解のために・「預言者」は「予言者」ではない・混乱をもたらしたヨーロッパからの知識・単純な疑問からの出発・イスラーム教徒としての視点から見る・宗教の日本的共存スタイルを認識・日本的宗教感覚を捨てること4本書の内容構成・ファジルの章・ズフルの章・アスリの章・マグリブの章・アシャーアの章Tアラブ人の思考と行動様式−ファジルの章1風土が生み出したアラビア民族の思考性・アッラーがアラブ人を選んだ・強力な選民思想・疑問の発生・なぜアッラーはアラブ人を選んだのか・嘉義はアラビア語,アラブ人にあり・平和と秩序を求める人々・受領者としての条件・整っていた啓示への理解・なぜアラブ人はイスラーム教を理解できたのか・知識がなくともイスラーム教を理解できたアラブ人・思考と行動様式の源泉−風土と歴史・アラブ人の思考の源泉−沙漠・預言者モーゼに見る風土・異質なアラブ人と日本人・沙漠的環境で育まれたアッラーと人間の関係・「出エジプト記」に見る律法の民・沙漠に一神教思想の源泉あり2日本人と沙漠・一神教と無縁な世界−日本・日本人を作った日本の自然・人間中心の世界−日本・理解できなくても当たり前,日本とアラビア・日本人の沙漠観・「沙漠」と「砂漠」・湾岸戦争に見る日本人らしい誤解・私の見た沙漠世界・イスラーム教は沙漠の民に降りた宗教ではない3沙漠が与えた思考と行動様式・沙漠の砂と日本人の土がもたらす世界観・砂粒がもたらす非連続的世界観・両極的にして直線的景観を見せる沙漠・アラビア語にも見られる両極性の具体例・目線で見る日本人,俯瞰的に見るアラブ人・人間臭さを生む酷暑・酷寒と乾燥・酷暑と乾燥を利したアラブ人の戦法・沙漠で生き抜く方法・人間くさい世界−沙漠・サダム・フセインの行動は沙漠的常識・沙漠は強い忍従性と巧妙な交渉能力を育む・アラビアのローレンスに見る沙漠人の美学・自然崇拝とは無縁な不毛の世界−沙漠4イスラーム教に見る沙漠的思考性・イスラーム教に見る両極的思考性・現実的思考で解釈するアラブ・イスラーム教徒・イスラーム教に見る直線的思考−現世と来世・イスラーム教に見る非連続的思考−断続的歴史観・イスラーム教に見る俯瞰的思考性Uイスラーム教の降誕と預言者時代−ズフルの章1アラビア民族の登場・現代のアラビア・そもそもアラブ人とは誰のことか・アラブ人にとってアラブとは・アラブ人の二大潮流・アラブ人はどこから来たか・歴史に登場するアラビア民族・アラブ人の歴史伝説は伝える・対立する二つの部族2闘争のアラビア・沙漠で生きていくための必要不可欠な能力・埋められた女児達・アラビア的部族社会・沙漠で生まれたアラビア的民主主義3イスラーム以前のアラビア世界・アイヤーム・ル・アラブ・部族的秩序と英雄の時代・訪れた繁栄の時代・堕落をもたらした繁栄・メッカの支配者−クライシュ族・ジャーヒリーヤ時代・腐敗は崩壊をまねき滅亡をもたらす・セム族的危機意識の芽生え4ムハンマドとイスラーム教の誕生・クライシュの子−ムハンマドの家系・貧しき名門の子−ムハンマドの誕生・孤児となるムハンマド・有能な商人ムハンマド・知的にして豪商の寡婦ハディージャとの結婚・ムハンマドという人・危機感を深めるムハンマド・苦悩するムハンマド・ヒーラーの洞窟にこもる・イスラーム降誕・アッラーの郵便配達人ムハンマドの誕生・ムハンマドは単なる人間で単なる使徒・なぜ,人はそれをアッラーの言葉であると信じたのか・至上の音楽−アル・クラーン5原イスラーム教世界の誕生・イスラームへの誘いのはじまり・最初の入信者・ジャヒリーヤへの挑戦・硬軟政策をもって臨んだクライシュ部族・クライシュ部族の有力者が入信・エルサレムへの夜の旅「アル・イスラーゥ」・ムハンマド,アッラーに会う「アル・ミアラージュ」・アッラーがムハンマドに語ったこと・イスラーム教の聖地となったエルサレム・本拠地の移転・移住「ヒジュラ」への旅・湾岸戦争を正当化した移住への旅・ヤスリブでの生活・最初の「アザーン」が響き渡った・ヒジュラ暦の始まり・イスラーム革命の成立・部族意識からイスラーム意識の定着・新たな連帯意識の登場・原イスラーム教国の出現・イスラーム的平和郷(ダール・サラーム)の出現・最高統治者アッラーの君臨する世界・預言者ムハンマドの死・イスラーム世界崩壊の危機・アル・マディーナの誕生6カリフ時代の幕開け・預言者の代理人の選択・預言者の代理人カリフとは・カリフの選出はアラブ式方法で・アラブ社会における指導者の条件・アラブ的色彩の濃い初期イスラーム教世界7正統カリフ時代−拡張と分裂へ・正統カリフ時代とは・第一代カリフ−アブー・バクル・第二代カリフ−ウマル・第三代カリフ−ウスマーン・第四代カリフ−アリー・事態を複雑にした預言者の寡婦アイーシャの存在・イスラーム教最初の分派ハワーリジュ派の誕生・アラビア語世界への逆走・誕生した抗争の二大勢力V多様化し拡散するイスラーム世界−アスリの章1歴史の登場・沙漠からの脱出・土地を開拓するという感覚のないアラブ人・いよいよ中東の檜舞台へ・アラビア半島の支配と支配体制のシステム・庇護民(ジンミー)の誕生・二大帝国への挑戦・攻略の戦術−辺境のアラブ人国との協調・生きるための征服の開始・新連帯意識の勝利−三日月地帯の新支配者へ・征服はなぜ成功したのか・勝利の秘密兵器−イスラーム教による連帯意識と背水の陣・点と線で支配せよ・徴税こそ大いなる目的・新社会構造の誕生・偉大なる文明との出合い・異文化化するアラビア・アラビア化する先住民・新たな顔−アラビア語世界の出現・アラビア離れするアラビアの子孫達・新アラブ人の誕生2拡張,定着,そして分裂するアラブ・イスラーム世界・布教とアラビア民族・自発的なイスラーム教への改宗・非アラブ系イスラーム教徒の誕生・新アラブ人のもとで多様化するイスラーム教世界・原イスラーム教から離脱するイスラーム世界・連帯意識を低下させたイスラーム教世界・連帯意識の崩壊が招いたアラビア民族の終焉・危機意識の誕生・回帰運動の発生・試みられたイスラーム教正常化への道・閉ざされたイジュテハードの門・私が経験したイジュテハードの門3イスラーム教は律法なり・教徒だけを対象にする世界・教徒にとって法とは何か・イスラーム教は法なり 法こそ不可欠なり・法の源−アル・クラーン・盲目的に従う者−教徒・法源としてのアル・クラーン・第二の法源−ハディース・第三の法源−イジュマー・第四の法源−キヤース・現実的解釈を優先させた法解釈・イスラーム世界は一つではない・預言者のように−スンニー派・四大法学の成立・ハナフィー学派・マーリキ学派・シャーフィ学派・ハンバル学派・四つの世界を示した「マディーナ・トル・サラームの門」4礼拝所に見る小さなイスラーム教世界・アラブ・イスラーム教における礼拝所とは・礼拝所での一日・いろいろある礼拝所・ジャーミウに見る一法学の世界・大学は金曜礼拝所に付属する機関・マドラサに見る四大法学共存の世界・金曜礼拝は連帯意識の認識W雑学イスラーム教案内−マグリブの章1アッラーの支配する世界・ユダヤ教,キリスト教,イスラム教は同根の宗教・中東世界の中における宗教の共存・宗教の共存とお汁粉談義・「ホリデイ」を休日と訳した働き蜂日本人・「干渉されず,干渉せず」の世界・田舎汁粉の世界−中東・都汁粉の世界−日本・日本にしか見られない宗教トラブル・独特な日本的信仰の自由・国家と宗教についての考え方の違い・イスラーム教世界をまもる連帯意識・一神教におけるイスラーム教の位置・地上に誕生したイスラーム教の世界・アッラーの僕としての教徒・断食の行に見られる実例・礼拝所(モスク)は神社や寺院ではない・カーバ神殿は聖なる場所で俗なる場所・アッラーは近くて遠い存在・イスラーム教の目的とは何か・その答えは初めにありき・閉鎖的環境による汚染からの防衛・戒律より体制を守り滅亡から逃れること・労働法はイスラーム教に反するのか・必要ならモスクの破壊,巡礼の中止も許される・臨機応変に守られるイスラーム教の体制・アッラーとの契約不履行は地獄への道・中東では社会主義国でもイスラーム教が国教・ユダヤ教世界も律法の世界・土曜礼拝の朝に学ぶユダヤ教の世界・イスラーム教徒はイスラーム法の中で生活するイスラーム教徒の生活〔誕生と幼児期〕・子供はアッラーからの授かり物・命名式・七日,一四日,二一日のお祝い・幼きムスリム・連帯意識の核−親子〔割礼〕・イスラーム教以前からある割礼の風習・割礼に関するイスラーム教的解釈はスンニー派法学より・割礼をめぐる医学的見解・割礼は合法か否か〔イスラーム世界の教育〕・強い連帯意識を持つムスリムになるために・タウヒードの信仰を身につけること・正解はアッラーが決める・暗記こそ学ぶ心得・宗教を学ぶということは・比較宗教学という講座のない世界・礼拝所も学校になる・至るところが学びの園となる・時・場所・人を選ばないイスラーム教の教育・「マーシャ・アッラー」にもとづく基本理念〔イスラーム教徒の男女交際と結婚〕・イスラーム教世界における男女関係の基本・血の純潔に気を使う男女交際・親が子を殺した悲劇と名誉・親が大きな権限を持つ婚約者の選択・男女関係をチェックするイスラーム警察・結婚に関するアル・クラーンの規定・禁じられている結婚・許される他の経典の民との結婚・結婚は公表して成立する・夫が妻に贈る結婚の贈り物−マハル〔イスラーム教の葬儀〕・死もまたアッラーのなせること・イスラーム教の葬儀・埋葬を見るとイスラーム教以前がわかる2イスラーム教の祭日・メッカからの集団的緊急脱出−ヒジュラ・イスラーム暦の制定・三つの時計を使うイスラーム教世界・きわめて少ないイスラーム教の祭日・断食明けの祭り−エィード・ル・フィトゥル・犠牲祭−エィード・ル・アドハ・個人的に祝うその他の祭り3六つの信仰が育む連帯意識・単純のイスラーム教の信仰・イスラーム教信仰の基本−タウヒード信仰・イスラーム教徒の六つの信仰・六つの信仰−イマーン・@アッラーを信じること・Aアッラーの天使を信じること・Bアッラーの経典を信じること・Cアッラーの預言者を信じること・D審判の日を信じること・E天命−カダルを信じること4イスラム教徒の連帯意識を育む五つの行・@信仰の告白−シャハーダ・A礼拝−サラート・B喜捨−ザカートまたはサダカ・C断食−サウムまたはスィヤーム・D巡礼−ハッジ5連帯意識の結集−ジハード・ジハードの意味−「アッラーの道のために奮闘努力すること」・イスラーム教徒に課せられた最も基本的な心構え・防衛のための戦い・イスラーム教世界は閉鎖的にならざるを得ない・キタールとジハード・連帯意識の結集−ジハードX今日の中東世界とイスラーム教−アシャーアの章1イスラーム脅威論のはじまり−ウサマ・ビンラーデンと九・一一事件・恐怖の中で迎えた二一世紀・過激派を作り上げたアメリカのアフガニスタン攻撃・管理する者のいないイスラーム世界・イスラーム帝国とカリフ制の消滅・「カリフ制」消滅がもたらしたもの・分割されたオスマン・トルコ帝国,新中東世界の誕生・三種のアイデンティティーが並立する世界の出現2「アラブの春」は民主化運動か・アラブの春が示す政教分離の姿・シリア,イエメン,リビアの騒乱が示す部族世界の存在・近代を彩ったアラブ・ナショナリズムとパン・イスラミズム3近代国家の概念との対立に直面する中東世界・近代イスラーム運動の芽生え・近代国家を否定するイスラーム4イラン・イスラーム革命の衝撃・イランに誕生した指導的イスラーム世界・聖典に見る国家否定の神託5イスラーム運動のはじまり・正統カリフ時代に生まれた最初のイスラーム運動・ハワーリジュ派に見るイスラーム運動・イスラーム降誕五一年目で発生したイスラーム運動6イスラーム過激は運動の要因とは・過激的イスラーム運動とは・内部の矛盾により発生するイスラーム運動・外部からの刺激により発生するイスラーム運動・それはナポレオンのエジプト征服から始まった・イスラーム過激派を生み出した紛争7バグダーディ,ウサマ・ビン・ラーデンらの位置づけとは・「イスラム国」の樹立宣言・九・一一事件がもたらしたイスラームへのテロ疑惑・イスラーム・テロ以前のアラブのテロ・イスラーム過激派について8イスラーム過激派の特徴・過激派の第一の特徴・過激派の第二の特徴・過激派の第三の特徴・さまざまなイスラーム運動・穏健的イスラーム運動・社会的イスラーム環境への回帰・イスラーム国家建設を目指す地域限定的な過激運動・イスラーム世界の防衛を目指す国際的過激派9指導的イスラーム運動の実例・イブン・サウドによる統一サウジアラビア王国の建国・ホメイニー師によるイラン・イスラーム世界の再建・アフガニスタン・タリバンに課せられてきた責務10「イスラム国」を読み解く・突然の「カリフ国家成立」宣言・「イスラム国」出現の過程・アル・カイーダとの関係は・八年前に出されていたスウェーデン人風刺画家暗殺指令・なぜ「イスラム国」には若者が集まるのか11過激派組織を支えるもの・イスラムの運動,組織とその資金 エピローグ〜
 目次を書き出しても解答に繋がらないのが本書の特徴…問い続けて問い続けて…答えはそう難しくない。アラブという言葉は,南の都市に住む者(バドゥ:定着)が北の沙漠に居住する人々(ベドウィン:ハダラ:遊牧)をヤーラブと呼んだことから来たらしい。奴隷の如く盲目的に従うことにより得られた平和をサラームという。ムハンマドは文字を知らず,美しい文章を口にすることもなかったから信頼された。エルサレムへの夜の旅で出会った預言者は,アダム・イーサ(キリスト)・ヤーヒア(バプテスマのヨハネ)・ユーセフ(ヨセフ)・イスハーク(イサク)・ハールーン(アロン)・ムーサ(モーゼ)・イブラヒーム(アブラハム)で,ノアには会っていないのが不思議。「ハリーファ」(代理人)を日本語で「カリフ」というが,2〜4代は暗殺されている。アリーはウマイヤによって殺されたと思っていたが,カリフに叛旗を翻したウマイヤとの戦いを止めたことを違法だとしたハワーリジュ派によってであった。「シーア」とは「党」「派」という意味で,シーア・アリーとかシーア・ウマイヤというべきだ。尤もウマイヤ党はスンニー(預言者の言動)と名乗るけど。礼拝所には膝を屈する場所という意味のマスジットと人の集まるところと云うジャーミウがあるが,ジャーミウは一学派の礼拝所で法律相談所のような場所で,昼間に大勢で行われる金曜礼拝を行う。イスラム教徒の日常生活は他人が介入しない平穏な世界で,イスラム教徒には自分の意志が存在せず,すべてがアッラーの意向によって決定されていると説明する…それを信じる者がイスラム教徒。イスラム教はアラブという孤立していた部族的アイデンティティをイスラム教としての連帯性を持つ超部族アイデンティティに置き換え,アラビア半島に居住する部族を一つの意志のもとに統一し,顆粒化状態にあった世界を一枚の板のように変化させ,民族の安定を目的として登場してきた宗教である。アラーはイスラム教徒を奴隷として平等に扱い,直接的に命令する。アラーの前の奴隷としての平等。近代国家の条件は「主権在民」であり「自由なる国民の存在」であり「人権の確立と独立」であるが,イスラムをアイデンティティとする世界では「主権在神」であり教徒と呼ばれる住民は「アラーの奴隷」であるため,近代国家への流れに対して抵抗が生まれ,混乱が起こる。中東に住む住民の大部分は基本的に未だ国家意識がなくて,その心の拠り所は宗教である。イスラム教徒は政教分離という潮流に反発している。大陸世界では未来永劫に維持される国境はない・・・・・下段の補足解説1・アラビア語の音・アラビア語の文字表記・母音は三つ,意味がわかって初めて音が出る・アラビア語はなぞ解きに似ている・辞書を使えれば初級卒業・アラビア語は音楽です・二つあるアラビア語・十戒・律法と法律・へジャーズ地方・メッカ・アル・マディーナ・沙漠・沙漠での服装・沙漠と水・沙漠の脅威・アラビア半島・オアシス・ワディ・幸福なアラビア・ナツメヤシ・ラクダ・アラビア馬・イスラーム教と動物・セム族及びセム語・アラビア民族の才能・「マー・シャ・アッラー」・日本人とアラブ人の思考の違い・2・現代のアラブ人・北アラブ族と南アラブ族・マーリブのダム・「ハダラ」と「バドゥ」・遊牧民・アラブ人の名前・部族社会・アイヤーム・ル・アラブ・族長会議(マジリス)・クライシュ族・アラブ的指導者・シャーム地方・連帯意識(アサビーヤ)・イスラーム教と偶像・ライラ・トル・カドルと三日月の国旗・「敵が襲来した」という逸話・天使ジブリエール・最初の男子入信者は誰か・カーバ神殿・エルサレムへの夜の旅・ムハンマドが会った八人の預言者・ユダヤ教・キリスト教徒の関係・ヒジュラ(移住)・マディーナという町・バドルの戦い・ウフドの戦い・ハンダクの戦い・フダイビアの盟約・メッカ開城・ユダヤ教徒との戦い・原イスラーム世界・預言者の妻たち・預言者の子供たち・預言者の孫・分裂と繁栄,暗殺と謀略の時代の幕開け・アラブ世界のシーア派・3・イスラーム教と布教・布教よりも税収を,それを証明したマワ−リ制度・アラブ・イスラームより滅亡した二大帝国(1)ペルシャ帝国(2)ビザンチン帝国・三日月地帯征服の二人の猛将(1)シリアの征服者ハーリド・イブン・ワリード(2)エジプトの征服者アムル・イブン・アース・主なイスラーム教国(1)ウマイヤ朝(2)アッバース朝(3)後期ウマイヤ朝・モンゴルにより断ち切られたアラブ人の歴史・百花繚乱のエジプト・イスラーム世界(1)トゥールーン朝(2)イフシード朝(3)ファーティマ朝(4)アユーブ朝(5)マムルーク朝・主なシーア派諸派(1)一二イマーム派(2)ザイド派(3)ドルーズ派(4)アラウィ派(5)イバーディア派・4・新聞記事を読んで・礼拝のはじまり,アザーン・ウドウ(お清め)の作法・ウドウの順序・礼拝について・礼拝の単位−ラカー・各礼拝の回数・エジプト・アラブ共和国憲法・金曜日の特別な礼拝・礼拝のしかた・礼拝の次第・義務の礼拝と任意の礼拝・結婚に関するアル・クラーンの一節・離婚に関するアル・クラーンの一節・結婚契約金「マハル」・離婚・イスラーム教の墓・ヒジュラ暦(イスラーム暦)・預言者の生誕祭・アラブ・イスラーム教世界の祭り・みいつの夜・「アル・クラーン」について・イスラーム教にとって最も大事な「タウヒード」・天使・いろいろあるアッラーの名前・イスラーム教と刑罰・礼拝の方向「キブラ」・ジハード・5・アメリカ同時多発テロ事件・ウサマ・ビン・ラーデン・ボコ・ハラム・アッ・シャバーブ・イジュテハードの門・アラブの春・シリア動乱・アヤトラ・ホメイニー師・イスラーム教は世界の脅威か・サヌーシ教団・マハディー教団・ムスリム同胞団(イフワーン・ムスリミーン)・イラン・イラク戦争・湾岸戦争・イラク戦争・預言者時代を彷彿させるワッハーブ運動・パレスチナ問題・アラブの中のパレスチナ問題・レバノン内戦・ハマス・中東諸国の人口と宗教の構成比::みいつってのが解らなかったが御稜威と書いて御威光ってな意味でした

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16/03/
 
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最終更新日 : 2016.03.31

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