2016/02/1
〜久し振りの東野〜

「人魚の眠る家」
〜東野圭吾〜

『人魚の眠る家』:東野圭吾(ひがしの けいご):2015年11月20日:\1600:幻冬舎:県立M高校図書館
 東野圭吾は久し振り
〜(株)ハリマテクス社長の播磨和昌と薫子は仮面夫婦だ。和昌の浮気で離婚協議を進める予定で,和昌はマンションで暮らしている。小学校入学準備としての面接練習に久し振りに二人揃って出掛けた先に,薫子の実家に預けていた6歳の娘・瑞穂が溺れたという連絡が届き,薫子の妹の美晴とがプールに付き添っていたが,排水口に手を突っ込んで抜けなくなり,判定すれば脳死だろうと,脳神経外科の進藤医師は云い,腎臓や心臓など臓器移植の話を始める。和昌の父・多津郎も薫子の両親・茂彦・千鶴子も両親に任せるという。美晴の子・若葉と仲の良い瑞穂の4歳の弟・生人が「ネエちゃん」と呼び掛けると,右手が動いたような気がして,ドナーとなることは断った。ハリマテクスの社員でBMI(ブレーン・マシン・インターフェイス)ユニットの星野裕也は,慶明大医学部呼吸器外科准教授の浅岸が開発した横隔膜ペースメーカーでAIBS(人工知能呼吸コントロールシステム)を説明し,それが巧く行ったため,運動をさせれば筋肉が付くと考え,ANC(人工神経接続技術)のケースワークを二日に一度広尾の社長宅で開始したが,星野の恋人である動物病院助手・川嶋真緒は疑惑を持ち,星野自身にも薫子に対する恋心を自覚している。40歳になる特別支援学校の担任・新章房子は訪問学級で読み聞かせをしているが,街頭で拡張性心筋症のため海外で2億数千万が必要なる江藤雪乃のために門脇五郎らの募金活動に接近した。募金のボランティアに参加し,100万円を寄付していた新章房子とは変装した薫子だった。薫子はデポジットを積んで渡米し心臓移植を待つことに疑問を感じていたのだった。2008年のイスタンブール宣言で国際移植学会は渡航移植の規制強化と臓器提供の自給自足を決議し,日本政府も2009年に臓器移植法を改正したのに,日本で自給自足は為されていない。磁気刺激装置も改良を重ね,薫子一人でも扱えるようになったが,薫子と周囲の温度差は増すばかりだ。特に生人は小学校の入学式に薫子が瑞穂を連れてきて,級友にからかわれるようになった。小学生になった生人の誕生会を友人を招いて行おうとし,和昌も美晴も若葉も呼ばれたが,生人は遂にネエちゃんは死んでるんだと大声で叫び,薫子は出刃包丁を持ち出して自分で警察を呼び,娘の胸を突いて心臓を止めれば殺人罪になるかと刑事に質問し,若葉が瑞穂は自分が落とした指輪を拾おうとして命を落としたのだから,大きくなったらおばちゃんの手伝いをすると瑞穂を庇い,事を納めた。薫子は誰にも頼らず瑞穂の世話を続けたが,3月31日の未明の三時に目が覚め娘の急変を知った。翌日,ドナーになることを進藤医師に告げる〜
 この前に読んだのが新聞小説で書き手の心が揺れて困ったが,今回は書き下ろしで実に伏線もしっかりできている。ただ,映像にしたら新章のミスリーディングは効かないだろう。特別支援教育士って民間認定資格で学会に入って研修も2年受けなければならないらしい…おや馬鹿馬鹿しい。えーと,プロローグとエピローグに出てくる宗吾君は瑞穂の心臓のレシピエントになるってことで! 榎田医師は播磨夫人と深い仲に至らなくて良かったね…播磨夫人にとっても同様。星野君と小嶋真緒は元サヤに納まる。門脇君が集めた1億数千万の金は有効利用されたのだろうか? 瑞穂に係わった米川先生は復活したのか心配!

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最終更新日 : 2016.02.16

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