2015/11
〜11月に読んだ本〜

うずら大名 あの家に暮らす四人の女 ☆☆☆☆ 我が家のヒミツ ☆☆☆ 若冲 ☆☆☆☆
あれも,これも,おいしい手作り生活。 ☆☆ ☆☆☆☆ 日本のたしなみ帖 世界遺産 ☆☆☆ 職業としての小説家 ☆☆
狐舞 ☆☆ 掟上今日子の遺言状 ☆☆☆ 深夜百太郎 入口 ☆☆☆ 一度は行ってみたい日本の絶景【保存版】 ☆☆
深夜百太郎 出口 ☆☆☆      

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

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15/11/30
『深夜百太郎 出口』:舞城王太郎(まいじょう おうたろう):2015年10月19日:\1500:ナナロク社:県立M高校図書館
★★★
 えーと,これは出口の50
〜51ベランダの彼氏:52ダムでカヤック:53クローゼットの中:54夏のこたつ:55知らない人の日記:56篝火:57残業の梶師:58つけっぱなしのテレビ:59駐車場の私の車60:僕の中の鏡:61カラスの神:62空き部屋禁止:63車内放置ワゴン:64トンネル師匠:65うろうろ息子:66次の電車:67隣で寝ている人:68ムカデの巣:69押すな押すな:70保留中の黒電話:71夕立ちの先端:72掘り出し石:73出戻りの家:74空き家の草取り:75我が家の花子:76枕元にハサミ:77恋するクーラー:78執着コトメ:79宅配深夜便:80橋の下:81初めての病院:82電車停車中:83母乳泥棒:84棚の裏:85古い携帯:86ガレージの中:87落雷地点:88女の城:89口の中:90友達案山子:91迷子の守護者:92放ったらかしサイクリングロード:93花火の帰り道:94山のアカンボ石:95あぶり出しメール:96家覗き:97めそめそ:98寝ずの番:99呪い:100ワタシシ死〜
 うっ,51から100まで数字を打っていて全角にするのを忘れて半角にしちゃたけど,もう一度打つのが嫌でそのままに…。百太郎で思い出すのは,つのだの後ろの百太郎で,調べると百は守護霊(主護霊)で主人公は一太郎だった。守護霊とか背後霊とか地縛霊とかは,あの漫画で知ったかも知れない。ジバニャンもそこからの連想かな? ちっとも恐ろしくない怪談百話でした。度々見ると馴れちゃって,親しみさえ感じるモノかもしれない。一太郎のアナタタが百で死んだ! カバーを掛けて読んでいたので,出口が表紙がこんなに暗いとは知らなかった

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15/11/24
『一度は行ってみたい日本の絶景【保存版】』:日本絶景倶楽部・編著:2013年10月10日:\1800:洋泉社:県立M高校図書館
★★
 ま,写真の様な光景に出会うことは奇跡だろうけど
〜0空から見た日本の絶景:大雪山・釧路湿原・吾妻小富士・摩周湖・英虞湾・朝日連峰と月山:1北海道・東北:羅臼の流氷・北山崎・美瑛の丘・トドワラ・宗谷丘陵・層雲峡・利尻山・神威岬・青池・田代平湿原・横浜町の菜の花畑・巨釜半造・浄土ヶ浜・ゴジラ岩・八甲田山の樹氷・秋元湖・御釜・山寺(立石寺)・銚子大滝:2関東・中部:清津峡・称名滝・雨晴海岸・能登金剛・寝覚の床・涸谷・美ヶ原高原・白米千枚田・尾瀬ヶ原・大正池・下栗の里・中津峡・白川郷・七ツ釜五段の滝・黄金崎・今宮の茶畑・妙義山・白糸の滝:3近畿:丸山千枚田・円月党・大台ヶ原・師師巖・吉野山の霧と桜・瀞峡・曾爾高原・橋杭岩・竹田城跡・田原海岸の海霧・篠尾の雲海・海金剛・灘黒岩水仙峡:4中国・四国:鳥取砂丘の風紋・面河峡・秋吉台・寒霞渓・東後畑の棚田と漁火・虫明迫門の曙・遊子水荷浦の段畑・岨谷峡の小便小僧・奥大山鍵掛峠:5九州・沖縄:ハテの浜・九重連山の霧氷・金鱗湖・三俣山・草千里ヶ浜・神輿来海岸・池間大橋・九十九島・安心院盆地・マングローブ原生林・高千穂峡〜
 行った(見た)ことがあるのは,大雪山・月山・美瑛・御釜・山寺・美ヶ原・大正池・妙義山・寒霞渓・草千里。読み方が判らない地名も沢山! 篠尾(ささび・和歌山新宮)・面河渓(おもごけい・愛媛久万高原)・東後畑(ひがしうしろばた・山口)・虫明迫門(むしあけせと・岡山)遊子水荷浦(ゆすみがうら・愛媛宇和島)・祖谷渓(いやけい・徳島)・御輿来(おこしき・熊本宇土)・安心院(あじむ・大分宇佐)。ゴジラ岩(秋田県男鹿市)と名付けられる前の名があったはずだと思うんだけど

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15/11/24
『深夜百太郎 入口』:舞城王太郎(まいじょう おうたろう):2015年9月19日:\1500:ナナロク社:県立M高校図書館
★★★
 えーと,これは入口の50
〜01アナタタ:02倒れた木:03地獄の子:04踏切:05二階の火の玉王子様:06ゆらゆら:07グルグル:08イミルナレ地蔵:09家族の手:10蛍の光:11友達の部屋:12笑う鬼:13あじさいの中:14夜のダム:15兵藤くん;16山の小屋:17穴の蓋:18河童の地蔵:19ファミレスの子供:20叔母の主張:21図書館の彼女:22軽トラの荷台:23隣の豚:24座敷のあじさい:25床下の猫の通り道:26エロ本小屋:27車の河:28入れない家:29夏の落ち葉:30手握り:31トイレットペーパー・ゴースト:32オクリカエシ:33夢の獏:34耳に入る虫:35風呂の外:36横内さん:37空の大王:38忠犬バッチ:39トイレ問答:40体育館でかくれんぼ:41パソコン共用:42手招き:43パクった傘:44アルバム:45高架下の首吊りストーカー:46猫の段ボール:47客が一人のバス:48夜中の暗い風呂:49買ってない品物:50車の蛇〜
 短編集だとは知らず,舞城の名前だけで買ったんだけど,軽くて良いかも。タイトル書いていて思い出せるのが良い 。毎晩一話ずつ書いたらしいが,偉いことですね。ピンぼけのわざと素人臭い写真を使いやがって…と思っていたら,左内正史という写真家だった。なぜ,この写真?? 舞台はお馴染みの調布市と福井県西暁町(南越前町?)

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15/11/20
『掟上今日子の遺言状』:西尾維新(にしお いしん):2015年10月5日:\1250:講談社:県立M高校図書館
★★★
 凄い勢いで書いているよねぇ
〜隠館厄介は長身を活かして推理小説専門の古書店に勤めるが,7階から飛び降りてきた女子中学生のクッションとなって腕と脚を骨折した。以前務めていた出版社の上司で,若手漫画雑誌編集長である紺藤文房から,阜本舜の「チチェローネ」が少女の遺書に引用されて,漫画家が引退しようしているので真相を探れと依頼が来る。掟上今日子は,その漫画は面白くないから,影響力はないと言い切り,漫画家を激怒させる。在学中の有名私立中学の潜入では,少女は浮いていたと聞き込むが,今日子はセーラー服に着替えさせられて帰ってきた。自宅に向かう途中,司書から聞いた話で,少女は内心を探られるのを極端に嫌っていたことだけは判った。入院中の病院も空振り。セーラー服代わりの服を買いに行かされ,自殺未遂現場で1時間後に再会すると,遺言少女宅へ不法侵入を試み,本棚を見たが空振りだったという。彼女の内腿には「自殺でなかったとしたら?」とメモがあるが,これは前日の事件のメモらしい。突然辿り着いた真相は,古書店主を狙いにした体当たりテロの目印が傘だったのだが,偶々降った雨に傘を借りた厄介が標的にされたのだ。そもそも,分析されること・理解されることが嫌だった女子中学生は,出入りしている古本屋で,お前向きの本が入ったと言われて殺意を抱いたのだった。自殺に見せかけて,でも友がいないことが理由にされるのも嫌だったし,家庭が知られるのも嫌だった。漫画が原因だったと誤解されることを選んだのだ〜
 もう少し簡単に描けそうだね。テレビのドラマも始まったけど,一話完結のテレビシリーズというのに合っていたんだろうね

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15/11/20
『狐舞』:佐伯泰英(さえき やすひで):2015年10月20日:\600:光文社:県立M高校図書館
★★
 吉原裏同心(23)…で,22をすっ飛ばしちゃった
〜吉原裏同心の神守幹次郎に,かつて出奔した豊後岡潘から復潘の話が舞い込む。突然の話に訝る幹次郎だったが,そんな折り,吉原に出店を持つ呉服屋の主が殺された。探索を続けるや,名門旗本の存在がちらつき,背後には吉原乗っ取りを狙う新たな企てが浮かび上がる。難問山積の幹次郎はかつてない大捕物に豪剣で立ち向かう−−。←→呉服屋の出店を預かっている病の番頭の娘が針修行に出ている京から戻り,番所にも知られず大門の出入りをしていたのは,隠密廻り同心・村崎が鼻薬を利かされたためだった。呉服屋の番頭上がりの新しい主人は,博打にのめり込んで大借金を拵え,博打場からの取り立てを少し躱すために,番頭の娘を女郎として売ろうという算段だった。その娘が襲われて女郎屋の遣り手婆が叫び声を挙げて難を逃れたが,番所が気付かなかった事態が浮かび上がったのだ。病の番頭は追い出しを喰らっているが,呉服町の本店も人が閑散としており,相談に乗ろうともしない。呉服屋の売掛金を値引きして回収し,半金を未払いの給金として病の番頭に渡し,女郎屋の寮で父娘が平和に時を共にできるように取りはからったが,本店の大番頭が姿を消し,主人は刺し殺されて河岸に捨てられていた。出入りしていた賭場は,寄合旗本・有馬の屋敷。胴元は一晩で千両を超える儲けを出す大木戸の六蔵という悪党で,腹心を捕らえて吐かせると,賭場の用心棒に一天二心流の遣い手・南部豪之丞頼義と配下が居て,有馬の妾は短筒を持っていることが解った。常廻り同心・桑平は神守の腕を買い,見事にこれを斬殺したが,客の中に不景気に悩む吉原の楼主もいた。勢いを盛り返すために,多くした紋日を減らそうとすることに反対を唱えている。呉服屋の出店番頭の娘を襲ったのは,遣り手婆と楼主の息子だった。この楼主も紋日を減らすことに反対できなくなった。旧藩からの誘いは,碁敵同士のいがみ合いから,剣術の果たし合いに発展したことがきっかけで,豊後の小さな親藩に飼われている剣術家と立ち合わせるつもりだったらしいが,何も言ってこない。料理屋・三浦屋を仕切る玉藻が悉く縁談を断っているのは,好きな男が居るためだという推測は誤っていた。玉藻には異母弟がいて,度々無心されてはいるが,これに跡を取らせたいという思惑が働いていたからだ。一軒家に住む幹次郎と汀女に子はできず,汀女は一度だけなら花魁・薄墨こと嘉門麻と情を交わすことを認めている。神守は薄墨の前で大晦日の狐舞を踊って,薄墨に抱きついたが,狐に抱きつかれた者は孕むという話もあるのに,薄墨は避けようとしなかった〜
 未読の22は夢幻だが,もうそろそろ飽きてきたなぁ。終わりにするシリーズもあるらしいし,一杯稼いだからもう良いのかな? えーカバー裏に書いてある吉原乗っ取りって何のことだろう。書き始めた最初の旧藩絡みの話は次の巻で? 久米宏の解説は蛇足だ・分かりやすく言えば,要らない! 薄墨は妊娠出産するね。これが幹次郎の子だね。まだ続くのだろうか,飽きたわ

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15/11/18
『職業としての小説家』:村上春樹(むらかみ はるき):2015年9月17日:\1800:スイッチパブリシング:県立M高校図書館
★★
 エッセイ
〜1小説家は寛容な人種なのか:学生結婚をしてジャズバーを経営し,神宮でプロ野球開幕戦で一番バッターが二塁打を打って涌いてきた。書いたものが面白くなく,英語で書いてみてそれを日本語に直すという作業を行ったところ,群像の新人賞を獲た。2小説家になった頃:本業をジャズバー経営に置き,台所のテーブルで書いていた。3文学賞について:関心がないのだが,関心がないというと何故と聞かれ困る。4オリジナリティーについて:天才は衝撃を与え,当初は理解されがたいが,スタンダード・クラシックになると模倣も生まれ,新鮮みを失う。新鮮でエネルギーに満ちて,間違いなく自身のものがオリジナリティー。5さて,何を書けばいいのか?:小ネタを頭の抽斗に一杯持っている。6時間を味方につける−長編小説を書くこと:雑音のない海外で,4月始まって10月まで一気にストーリーを書き上げ,2〜3ヶ月掛けて手直し,最初に奥さんに読んで貰って,意見があったところは手直しする。編集者に見せ,何度も何度も推敲し,ゲラが真っ黒になるまで書き直す。7どこまでも個人的でフィジカルな営み:朝起きて5〜6時間執筆し,午後は昼寝と運動。心も身体も同じだ。8学校について:個人的には合わなかった。懐かしくもない。何を学んだが覚えていない。本だけは読んだし,仲の良い友達と可愛い女の子が居たから学校に通ったが,当時は学校に行かないという選択肢はなかった。9どんな人物を登場させようか?:登場人物はオートマこびとが立ち上げる。一人称で小説を書き始め,2000年頃から三人称小説に,登場人物にも名前を付ける様になり,1Q84では青豆という名前が付いて話に勢いが出た。色彩をで沙羅が云った言葉で短編が長編になった。どれもこれも我が分身だ。10誰のために書くのか:マスとしての読者は意識するが,褒められたり貶されたりで,結局自分が書きたいことを書くしかないが,今度の作品は面白くないが,次も買うと云われると嬉しい。11海外へ出て行く。新しいフロンティア:講談社アメリカが羊を翻訳して出してくれたが,ニューヨーカーに認められたこと,エージェントが有能だったこと,ノルウェイが200万部売れたこと,翻訳者を自分で捜してチェックした上で出版社に持ち込んだことが幸いした。アメリカでじわじわ売れ始め,欧州にはロシア・東欧から広がった。12物語のあるところ・河合隼雄先生の思い出:心理療法家と小説家として会ったが,話の内容は殆ど覚えておらず,何かを共有しているという感覚だけを味わっていた。そんな相手は河合先生だけ。冥福を祈る〜
 なんというか…独特の進み方だなぁ。まあ…ゆっくり(スロー)だ。このエッセイは自発的に書いてもので聴衆に話しかける様に書いた。( )内は読み直して書き加えたのだろうね。ご愛敬

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15/11/16
『日本のたしなみ帖 世界遺産』:『現代用語の基礎知識』編集部:2015年4月24日:\1300:自由国民社:東郷福祉センター
★★★
 行って見たいな
〜文化遺産一:平泉・日光社寺・富岡製糸場・富士山・白川郷五箇山・京都文化財・奈良文化財・法隆寺地域・紀伊山霊場参詣道:自然遺産:知床・白神山地・小笠原・屋久島:文化遺産二:姫路城・石見銀山・原爆ドーム・嚴島神社・琉球グスク群〜
 知床はまだ先でも行ける。屋久島と小笠原が厳しいか?定年したら,どっちに行く?

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15/11/15
『流』:東山彰良(ひがしやま あきら):2015年5月12日:\1600:講談社:県立M高校図書館
★★★★
 直木賞
〜蒋介石が死んだ年,葉秋生は布屋が荒らされて泊まり込んだ祖父・尊麟が風呂桶で溺死されているのを発見する。大陸では偶々国民党軍に味方し,50名以上の共産勢力や日本への協力者を殺害した猛者が簡単に殺されるだろうか。幼馴染みの小戦に唆されて高校の替え玉受験をしてばれ,進学校として有名な高校から,最低レベルの高校へ移らざるを得なかったが,喧嘩三昧の日々。顔役の雷威と喧嘩をするが,定規を削ったナイフを渡されて,自分の腿を深く刺して,その場を納めた。小戦が買った宝くじが大当たりで,ファイヤーバードで峠道を飛ばすと,ベンツが抜き去っていき,そのベンツはカーブを曲がりきれずに転落し,運転手は即死,2名は大怪我を負ったが,僕にはおかっぱ頭の女子高生が血を流しているのが見えた。家にはゴキブリが大発生し,時々助けを求める声が聞こえる。おじさんに乗せて貰って山道を行くと,岩の上に白骨化した遺体があった。どうやら,毛毛の叔父が駆け落ちしようとしてすっぽかされたと思っていた女らしい。植物園にいる老人達が祖父を殺害したのではと刑事に耳打ちされて調べてみるが,日本の歌をバイオリンで演奏している老爺が犯人とも思えない。大学受験には失敗し,軍官校に入ったが,馬鹿馬鹿しくて,正月休み以降,戻らずにいて,二つ年上で看護婦の毛毛と良い仲になったが,小戦は兄貴分のヤクザ・高鷹翔は,借金を踏み倒したぺらぺらのチンピラが青い革靴を持っていて,それは祖父のだから,こいつが犯人で殺せと云う。猛者である祖父がこんな奴に殺されるわけはないと言い張ると,小戦にチンピラを始末させようとする。友を救うため暴れて脱出し,祖父が死んだ店で隠れるが,嗅ぎつけたヤクザ者に小戦は連れ去られてしまった。祖父のモーゼル拳銃をピアノの下の空間から掘り出し,救出に向かおうとすると,祖父に救われた養子である宇文叔父がピストルを発砲して,小戦と秋生を救ったが,宇文叔父は肺が石化する病に罹っており,服役に耐えられるか不安だ。小戦は船に乗り,兵役を済ませていない秋生は兵役に行くしかない。軍官校に退学の手続きに行くと2週間営倉に入れられた後,嘉義県の軍魂部隊で2年を過ごす事になった。しかし,拳銃と一緒に発見した祖父が殺害した日本への協力者・王克強の写真を見た宇文叔父は何故動揺したのか,年の計算も合わない。老兵が脱走し,妻を強姦した相手を殺害して逃亡しているが,追い掛ける方も真面目にはやってられない。教育召集でやってきた雷威が隊長で,撃ち殺したのは台湾コブラ。祖父を殺した犯人をコックリさんに聞くと,名字は王・義理に熱い人だという。除隊した秋生は毛毛の心変わりに戸惑いながらも,叔父・明泉の仲間が始めた日本のファミレス相手の龍関食品貿易有限公司で働き始め,バブル最中の日本に度々出掛けて,夏美玲と男女の仲になって,毛毛を忘れようとしていたが,日本に来て山東の祖父の故郷に住む馬爺爺と文通を始めると,写真に写っている故郷に帰ってきた王覚という王克強一家の生き残りはあまりにも宇文叔父に似ている。社長は,明泉叔父の話として,毛毛の母は身持ちが悪くて秋生の父とも関係を持ったから,毛毛は実の姉かも知れないという話をしたというのだ。結婚してアメリカに移住した毛毛は幸せではなさそうだ。祖父の死を忘れられない秋生は,馬爺爺を頼って祖父の故郷を訪ね,王一家が暮らす村で宇文叔父と再会する。母と妹が殺された時,許一家の宇文を肥溜めに沈めて殺している時に,義父に引き上げられたが,モーゼルと一緒に出てきた写真を見て,義父は自分が王一族の生き残りであることを知っており,いつでも復讐の対象にされてもいいと考えていたことを悟っていたのだと知った。20年待ったは,復讐を成し遂げて故郷に戻り,子孫を残すため。宇文叔父も秋生に殺されていることを覚悟しているが,胸の病が篤い。手近の石を振り上げた秋生は,王家の若者に腰から腹に突き抜ける銃弾を受けた…〜
 1968年生まれの東山彰良氏は,5歳まで台湾の祖父と暮らし,福岡の大学に職を得た父の許に来たが,大学時代の4年間は口を利かなかったらしい。その父がこの小説のモデルらしいのだが,主人公の秋生は1955年前後の生まれっぽい。ちょっと歳が合わないんだけど,まフィクションと言うことで片づけましょう。5歳までしか台湾にいなかったのに,よく中国風の言い回しを覚えているねぇ…それとも誰か知恵袋が付いているか?表紙の絵は山東省のまっすぐな道だろう。一世代半前の台湾に住む人達の感情がよく描けていると思います

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15/11/11
『あれも,これも,おいしい手作り生活。』:まめこ:2009年7月7日:\1200:サンクチュアリ出版:県立M高校図書館
★★
 きっかけはべっこう飴
〜べっこう飴・バター・カッテージチーズ・ピーナッツバター・ヨーグルト・いちごジャム・いちごシロップ・マーマレードジャム・グミ・粒あん・こしあん・ぜんざい・水ようかん・おはぎ・きな粉・食パン・あんパン・ベーグル・コッペパン・韓国のり・のりの佃煮・おかか・ごま塩ふりかけ・なめたけ・練乳・ミルクキャラメル・キャラメル・青じそドレッシング・胡麻ドレッシング・サウザンドレッシング・フレンチドレッシング・イタリアンドレッシング・鷹の爪・一味唐辛子・タバスコ・ラー油・和風だし・柚子こしょう・ポン酢・ピクルス・マヨネーズ・タルタルソース・トマトソース・ケチャップ・ウスターソース・ホワイトソース・デミグラスソース・インドカレー・キーマカレー・グリーンカレー・そば屋のカレー・欧風カレー・梅干し・新生姜と茗荷の甘酢漬け・梅酒・梅シロップ・アイスコーヒー・ガムシロップ・レモンスカッシュ・梅スカッシュ・グレープフルーツスカッシュ・パスタ・ビザ・手打ちそば・手打ちうどん・ハム・ベーコン・コンビーフ・スモークサーモン・ソーセージ・あじの干物・さんまのみりん干し・いかの一夜干し・するめ・ビーフジャーキー・アンチョビ・ナンプラー・鮭フレーク・ツナ・りんご酢・りんご酒・ロイヤルミルクティ・マサラチャイ・せんべい・えびせんべい・あられ・ポテトチップス・味噌・蒲鉾・はんぺん・さつま揚げ・納豆・こんにゃく・豆腐・おから・ゆば・油揚げ・厚揚げ・高野豆腐・がんもどき・たくあん・いかの塩辛・キムチ・福神漬け・干ししいたけ・切り干し大根・りんごチップ・バナナチップ・アイスクリーム・黒蜜・ほうじ茶・ほうじ茶アイス・甘酒〜
 6年で19刷,累計16万部突破

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15/11/10
『若冲』:澤田瞳子(さわだ とうこ):2015年4月25日:\1600:文藝春秋:県立M高校図書館
★★★★
 若冲のカレンダーが付いた雑誌を買おうかと思った
〜枡屋源左衛門が絵に打ち込む姿は,異母妹の志乃からすると,いびられて首を吊って果てた嫁の三輪への罪の意識から来ている気がする。家業に身が入らない源左衛門は,三輪の弟・弁蔵と志乃を娶せて家を継がせると言い出すが,弁蔵はとことん枡源を憎んでいて話にならず,この程度の絵なら我でも描けると言い出す。家督を弟に譲った若冲は名を茂右衛門と変え帯屋町に隠居して,妹を助手に使って作画三昧の生活をしているが,相国寺の大典から鹿苑寺大書院の障壁画を依頼された。池大雅に誘われた先は,元左少弁・裏松光世の蟄居部屋で,弁蔵の描いた贋作を見せられ,更に自分しか描けない絵をと決意を新たにした。錦高倉市場のお宮に住み着いたかっぱらい二人の子どもを捕らえたのは,後の円山応挙。自分も苦労の果てに身すぎを手に入れたのだ。志乃に五條問屋町・明石屋半次郎の後妻という縁談が持ち込まれ,三兄の信三郎が胃病で死に,幸之助の冷たい言葉に,死んだものと思えと捨て台詞を残した若冲は,相国寺に二十数葉の動植綏絵を寄進した。勿論,弁蔵への挑戦状だ。禁裏の口向役人・関目貢が市川君圭から教えられたと,因幡薬師に納める屏風絵を依頼してきたが,忙しくて断った。五条の問屋町・明石屋半次郎が,錦高倉市場の営業停止という嫌がらせを仕掛けてきたため,志乃は若冲の許に帰り,若冲も自分の住まう町のため,奔走する。江戸から来た勘定役・中井清大夫の知恵を受けて,卸している百姓からの請願と茗荷金で利権を守り,中井は付喪神を書いて礼にしろという。そもそも中井は口向役人の不正を暴きに来たのだった。帯屋町に住まう二人は伏見の石峰寺に石仏五百体を納め続けるが,一斗米の値で作画を引き受けるという評判が高まった。実家出入りの料亭が二度目の嫁を披露して歩く中で騒ぎを起こしたのは与謝蕪村の娘で,水呑百姓の出である事が離縁の原因だった。実家で二度の卒中の発作で母が死に,葬儀にも出ずに書き上げた涅槃像は,二股大根を釈迦に見立て,子どもを蕪に見立て,摩耶夫人が描かれていない事から知れる。焼け野原になった京で行方不明の弟子を探す内に,妻を捜す市川君圭と出会い,死んだ岡本雪峰になりすまして,御所造営に係わるので,子・晋蔵を押しつけられた。薬種問屋・吉野寛斎から西福寺に寄進する襖絵の注文を受け,顔料屋で,若林に再会。中井からは絵師選びに付き合わされて,その場にいた君圭は絵が完成して中井に呼ばれ,名を騙った事で咎められ,絵は破かれ,都から所払いとなる。升目を書いて貰うと綺麗に塗りつぶすことが出来るようになった晋蔵に手伝わせて,祇園宵山で屏風を見に行った先で,谷文兆が写してきた屏風絵を見た若冲は,弁蔵が吾を越えようとして描いた屏風絵に衝撃を受け,更なる大作を完成させる。絵は人のために成すべきと言う言葉に打たれ,種種の動物を描く中で,白象の上に見えない亡き妻・三輪を乗せていたのだ。若冲が亡くなって尽七日の法要を営むと,大八車に屏風を乗せて若冲の絵を売りに来た爺と孫が門前にいる。法要が終わって,出てきた谷文兆は7両で買えればしめたものと交渉に乗り出し,5両で手に入れようという時,弁蔵が現れ,十両で買うという。山笠の宵山で見た屏風絵で漸く敗北を悟った弁蔵は若冲の理解者となったのだ〜
 7年後,7年後,7年後…と来て,最後の5年後には吃驚しました。この瞳子さん,77年生まれで若いんだよねぇ

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15/11/07
『我が家のヒミツ』:奥田英朗(おくだ ひでお):2015年9月30日:\1400:集英社:県立M高校図書館
★★★
 『問題』から4年経ったのかぁ・・値段は据え置き
〜「虫歯とピアニスト」歯科医院の受付をしているが,ファンであるピアニストが親不知が腫れてやってきて,リサイタルにも行くが,やがてばれてしまった。「政雄の秋」次期営業局長にライバルで馬の合わない奴が決まり,政雄は面白くなく,出向く先も決めかねているが,長期休暇を取らされて四国旅行中に,ライバルの父が急死し,妻と二人で通夜に出ることになり,久し振りに会話して,闇が晴れる。「アンナの十二月」12歳で父が実の父ではないと知らされ,16歳になって自分から実の父親に会いたいというと,相手は売れっ子の演出家で,出してくれそうもない留学費用も出てきそうだが…。「手紙に乗せて」母が53で死に,父は仕事にも身が入らず,痩せ衰えていくが,長男の上司は昨年妻を失って手紙を書いてくれ,分かり合える人ができた。「妊婦と隣人」産前休暇に入ってUR賃貸のマンションにいるが,隣人が静かで不気味で,ある晩,出掛けた二人を追うと,警察がわらわら湧いてきて,このことは内緒だと警察官に言われる。「妻と選挙」N木章作家の妻は区議会議員に出馬するといい,仕事は出版不況で仕事が閑になって,選挙カーの運転は引き受け,有権者が集まらず,応援演説に立って,見事に当選した〜
  『問題』と同じ構成で,特に最後の話は,続いている。作家と妻が主人公の話で,本が売れずに,昔のシリーズを復活させろと言われて断ると,Webの連載話で,それも断ると次は書き下ろしに…。この表紙のジオラマ風テイストは,三崎亜記の隣町戦争と重なる

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15/11/06
『あの家に暮らす四人の女』:三浦しをん(みうら):2015年7月10日:\1500:中央公論新社:県立M高校図書館
★★★★
 ささめ雪の現代版? 後半は巧い!
〜杉並の洋館・牧田家に暮らす女は四人。母の鶴代と娘の佐知,気が合った雪乃は,保険会社で働いていて,渋谷でハチ公の尻尾を掴みつつ顧客と待ち合わせているところで知り合った。古いアパートで暮らしていたが,階上のおじいさんが水を溢れさせ結局は死んだのだが,部屋が水浸しになって移ってきた。もう一人は,二十代の多恵美で,雪乃の職場の後輩だが,ヒモからストーカーに成り果てた元彼から逃れるために,この家に来た。表門の守衛小屋には山田という老人が住んでいるが,家族を守る気がまんまんで少し鬱陶しい。雪乃の部屋の天井から水が垂れてきたのは,曾祖父が水回りを二階に作ったからで,水は止まったが,内装に手が掛かり,近所の業者にリフォームを依頼したが,その男は佐知の好みだったが,一緒に仕事をした甥っ子は,奥さんの存在を仄めかす。佐知が仕事とにしている刺繍が好きだと職人は云うのだったが,残念だ。やれる事はないかと,開かずの間をヘアピンで開けた雪乃は桐箱の中に,ミイラを発見する。鶴代は,あっさり,追い出した佐知の父親が山形から,誕生の祝いに送ってきた,河童のミイラの偽物で,これがきっかけで婿を追い出したという。多恵美が日本人形のケースに入れリビングに飾り,無関心を装った鶴代が首に赤いバンダナを巻き付けた。嵐の夜,リビングに動く影を見つけた佐知は,野球帽を被った賊を見つけるが,ナイフを突きつけられた。山田は熟睡中で,霊となってこの家をうろうろしている父・神田君が河童の体に入り込み,ガラスケースを突き破ると,佐知も賊も悲鳴を挙げるが,佐知は懐かしささえ感じてしまう。海は諦め,区のプールで泳いで帰ってくると,泥棒に入られた事を心配して,様子を見に来た職人・梶が独身である事が判明し,展覧会に二人で出掛ける約束を成す〜
 母が殺した父親のミイラ化した遺体か!?という所から面白くなりました

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15/11/03
『うずら大名』:畠中恵(はたけなか めぐみ):2015年9月30日:\1300:集英社:県立M高校図書館
 闇の面ばかり…
〜高田吉之助は東豊島村の名主で日暮屋という商店も営んで大名家にも出入りしているが,三男の立場で兄が急死したため,家を継ぐことになった者だ。それまでは嫁も貰えない武家や百姓の小倅たちと不動下道場でやっとうを習っていたが,芽が出ずにやめていた。仲間には有月や佐源太という侍もいた。姪の結婚話で村が揉めている中,店に行こうとして襲われ,九死に一生を得たのは,播磨の多々良木藩の大殿となった有月が投げた白い羽根を持つ鶉・佐久夜の助太刀のお陰だった。だれが襲ったのかは分からない。有月はこれを解決するから,金を貸せという。いわゆる大名貸しで,出入りが叶うと,屋敷から出る下肥が貰えたり,家臣の下に加えられ,禄が貰えるのだ。姪が隣村に嫁ぐのが気に入らない村の独り者の百姓が吉之助を襲ったのだが,隣村から年頃の娘を連れ出して事なきを得た。巾着に鶉を入れている大名の隠居所へ通うようになったが,今度は有月と佐源太が狙われる。誘き出すと,道場の師範代に収まっていた榎本だったが,腹を切って果てた。豪農や旗本や大名になったのが羨ましく思う者もいるのだ。武家の地位や大名の地位までも売り買いされると噂が広まり,娘を武家奉公させ,側室にでもなった男子をなしたら…と考える豪農もいて,死んだ榎本の名を騙る者が噂を流している。高田吉之助なら…という噂も広がり,見知らぬ豪農や武家からも問い合わせが来る始末。有月の所には老中が出入りして,この噂を知り,何とかしろと行ってくる。罠を仕掛けても嵌らず,吉之助は攫われるが,その際は腰に佐久夜が入った巾着があった。捕まって解き放った鶉は攫った相手を突き廻していたのだ。名主の屋敷に集まった一同の内,突かれた疵を持つのは…〜
 自分や仲間のことを豪農だとか豪商だとかは言わないよなぁ。「おおびゃくしょう」とか「おおだな」とかは言うだろうけど。まあ,大名や大百姓になった者の苦労は,庶民の知るところではなく,羨ましい気持ちを持つのは当然じゃないか?苦労をしてみたいとね…。畠中先生の嫌な面は,鶉の佐久夜の活躍でも消えない!ハイ…面白くありませんでした!

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15/11/
 
★★
 
〜〜
 

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最終更新日 : 2015.12.01

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