2015/05/23
〜合作かぁ

「キャプテンサンダーボルト」
〜阿部和重・伊坂幸太郎〜

『キャプテンサンダーボルト』:阿部和重(あべ かずしげ):伊坂幸太郎(いさか こうたろう):2014年11月30日:\1800:文藝春秋:県立M高校図書館
 CTB。こういうのってなんて言うの? 共著? コラボ?
〜30を目前にした相場時之は天童温泉のバッティングセンターの留守番だが,愛車トランザムの借金だけではなく,年の離れた女後輩をAV界から救うために多額の負債を負い,山形の母が営む小さな雑貨屋も取り壊されて人手に渡りそうだ。小学校時代に少年野球を一緒にやっていた井ノ原悠は仙台でコピー機の営業をやっているが,息子の皮膚疾患の治療のために金が掛かり,コピーが高性能パソコンであることを活かして,インターネットを介し,情報を取っては売っている。水ビジネスで騙された仲間の敵を討って,借金を返そうと乗り込んだホテルのドアマンは彼らの仲間の田中徹に,メモを渡して,騙さすべき相手の行く先である部屋番号を教えた。田中の同僚はもう一枚のメモで隣室を示すものも預かる。相場の部屋に現れた髭男からペットボトルを得た相場は,隣で揉めていた外国人の訪問を受けて,ペットボトルの水を床にぶちまけ,髭男のスマホを手に入れたが,トラブルと思い駆けつけた警備員によって,連れ去られた隙に,車に乗って脱出した。井ノ原のアルバイト相手であるライター桃沢瞳は,彼らが子ども時代に憧れたヒーローものの情報を欲しており,急遽上映中止になった劇場版が,村上病という伝染病の因子の住処である蔵王のお釜で撮られたときの経緯に興味があるらしい。コピー機の情報から,仙台の映画館経営者が事情を知っているかも知れないと話を聞きに行ったが,逃亡中の相場も掛かっている懐かしのサンダーボルトに惹かれてやってきていた。支配人がもっているVHSで劇場版を見た二人は,生きるものが住めないお釜の水から撥ねた魚が映っているのを発見する。白髪の怪人はスマホのGPS情報で,相場の居所を知り,用がなくなった髭男を始末したが,マスクとゴーグルで予防措置を施した警察官に隔離の為に保護され,スマホは井ノ原の許に残った。警察のコピー機の情報で相場の居場所を突き止めた井ノ原と桃沢は救出に向かうが,直ぐに移送中を襲われて,日本側のエージェントはあっさり始末された。相場を取り戻した井ノ原は,桃沢が実は厚労省の役人で,その父も同役で村上病について研究していた人間であると明かされ,オークションでヒーローものを落札しているのはレッド役の赤井であろうと推測する。秋保のガソリンスタンドに勤めている赤井を訪ねるが,呼び出した赤井よりも先に白髪の怪人が現れ,赤井がガソリンを掛けて形勢逆転を計る中,桃沢が人質に取られ,相場と井ノ原は,スマホの情報を頼りに,立ち入り禁止になっているお釜の下に,旧日本軍が造ってアメリカ兵が破壊した生物兵器研究所に,水を取りに行く羽目になった。手に入れたお釜の水は白髪の怪人の手によって,ガスボンベ状の容器に注がれ,75分のタイマーが作動する。少年野球時代に鬼コーチに制裁を加えようとした手口・ピッチングマシーンの吐き出す球で襲うという手で昏倒させた二人は,生物兵器と自動小銃を手に,仙台の銀行を目指す〜
 カーリー犬のポンセが良い味を出しているんだけど,エピローグでその話が出てこないのが残念。そもそも東京大空襲は,蔵王の研究所の破壊工作のカモフラージュとして行われたのだ!!とはネ。二人で書いたそうだが,どういう風に分担したのだろう。後輩の伊坂が主として書いて,阿部が直す? 阿部が原案を考えて,伊坂に書かせる? 視点が替わる度に書き手を替える? 後で検索してみよう!!

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最終更新日 : 2015.05.23

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