2015/03/16
ちょっと鼻につく〜

「イスラム飲酒紀行」
〜高野秀行〜

『イスラム飲酒紀行』:高野秀行(たかの ひでゆき):2011年6月30日:\1600:扶桑社:県立M高校図書館
 イスラム国家で酒が飲めないかと思うとさに非ず
〜§1紛争地帯で酒を求めて−2007年森カメラマンと凶獣を探しにパキスタン経由でアフガニスタンに行く予定が,搭乗客が少なくてパキ航が欠航となり,一流ホテルでも酒を出さない。大学生に訊くと医者の診断書で酒を手に入れられる。パーミットプレイスには男が殺到している。アフガニスタンのカラオケ・バーではお持ち帰りの中国人女性がいて,ビールを飲んで25ドルから12ドルに負けさせた。−§2酔っ払い砂漠のオアシス−妻を連れてチュニジアに来て,常温で呑むとしたらロゼワイン。ビールを飲んでも爽快感がないのは,のべつ呑んでいるからだと気付く。砂漠のオアシス・バーで水とナツメヤシをミックスした酒を飲んだ翌朝,腹痛オンパレードで,オアシスバーがラクダの足洗い場であったからと判明する。−§3秘密警察と酒とチョウザメ−2009年2月,麻薬同様酒が禁止されているイランに行くが,白昼へべれけの酔っ払いに遭遇。密売人はスーフィーで,ホメイニを批判する。どぶろくとウォッカ。チョウザメは強精食だった。−§4モザイク国家でも飲めない!?−モザイク国家マレーシアで2005年7月。ババ・ニョニャ(中国とマレーのハーフ)を訪ねるが手に入らず,ポルトガル租界の現地バーに突入。酒は何でもある−§5イスタンブールのゴールデン街−モスクの近くはないと踏んでいたが,アタチュルク行きつけの中間営業だけの宮廷料理屋は問題がないし,ネヴィザーデという飲み屋街は人がざわざわしていて,普通にビールを飲み,客引きが負けずに声を挙げる。−§6ムスリムの造る幻の銘酒を求めて−シリア南部に葡萄酒を造るドルーズ派がいるというが,どこの酒屋も不機嫌(その理由は結局不明)で,レバノン北部の不味いワインを飲んでいたが,アンマンへタクシー移動中に立ち寄ると,イケメンの靴の修理屋のお兄ちゃんが差し出したワインは絶品だった。−§7認められない国で認められない酒を飲む−ソマリランドは平和で何故独立国家として承認されないのか分からない。カートという葉っぱを囓っているとアルコールは要らないが,スプライトのボトルにジンが入れられて売られているが,カートと違って,性欲が消えることはない。−§8ハッピーランドの大いなる謎−バングラデシュの東側にはミャンマーに近い人が住んでいて,仏教徒だから酒を飲むが,蒸留三度のアラクだ。敬虔な仏教徒は呑まない−〜
 ムメンベを探せの時代は可愛い大学生だったのに,生意気にも,周辺を威圧するほどの酒好きになってしまって,書き出しが「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」でいやらしい。ま,仕方ない。1966年生まれというと今年49歳。「ゴールデン・トライアングルの核心部で取材中,うっかりアヘン中毒になってしまい,それから脱出するため,つまり禁断症状を耐えるために酒をのべつまくなしに飲むようになった。」(p77)という事情があるから仕方ないね

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最終更新日 : 2015.03.16

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