2015/02/2

原発ホワイトアウトの焼き直し〜

「東京ブラックアウト」
〜若杉冽〜

『東京ブラックアウト』:若杉冽(わかすぎ れつ):2014年12月4日:\1600:講談社:県立M高校図書館
 現実の展開に加えて,前作の設定を加味。カバーの写真は誰もいなくなって廃棄核物質の中間貯蔵地となった東京
〜経済産業省資源エネルギー庁次長の日村は,参議院選で保守党が勝ち,衆議院選でも保守党が圧勝し,しばらく世論を気にしなくてもよい今が,原発再稼働のチャンスであり,反原発の動きを抑えるための避難計画も原子力規制庁が策定したが,電力業界の思惑通りに進むのも自分のためにならない。実際にメルトダウンが始まったら,机上の空論であることは直ぐにばれる。PAZの住民の避難が終わるまで,UPZの住民に屋内退避を呼びかけることで騙せるだろう。村役場の田舎者を納得させて,薩摩川内原発は動き出した。スキャンダルで葬り去った伊豆田に代わり,総務省出身者が知事になり,新崎原発も二基が再稼働した。大晦日,北の工作員・崔が鉄塔を爆破し,ホワイトアウトが始まる。雪でディーゼルが動かず,動力車も雪で動かず,除雪車も出払っている。避難計画が実施に移されるが,元旦にはUPZの住民により既に渋滞が起きていた。24時間で二度の容器爆発が起こり,急性の症状はPAZ・UPZだけでなく,プルームから降った黒い雪により首都圏でも起きていた。一刻も早く脱出したい者によりパニックが生じ,日村は日本電力連盟常務理事の小島も告げたとおり,1被爆限度の引き上げ:2計画停電と電力不足キャンペーン:3発送電分離先延ばし:4国政選挙対策(脱原発○即ゼロ×)Mシステムフル稼働とO泉対策:5首都壊滅→パニック鎮圧→遷都費用19兆円は原子力発電課税で捻出:5中間貯蔵施設の誘致:というシナリオの4を官報正誤による戒厳令の復活により加部総理に実行させる。経産省の蚊帳の外に出された課長は,若手を煽って文書を新聞にリークさせ,日比谷公園に集まった暴徒は経産省と関電を焼き戒厳令が出され,首都機能は京都に移動し,群馬埼玉東京神奈川は無法地帯と化した。衆参同日選挙では,共産党が躍進しそうな勢いに,原発マネーは脱原発ならば金を出す取引を持ち掛け,選挙後は中長期的な原発にシフトする。大泉の脱税が報道されて脱原発連合は空中分解し,保守・公命・改新の連合が難波都構想・越本の総務大臣就任を条件に実現。首班指名は保守の加部となったが,天皇への請願が功を奏し,任命拒否・皇室会議での摂政選任と進んだ。東京は東京タワーの明かりを残してほぼブラックアウト・2020のオリンピックは中国の根回しであっさり上海に攫われた〜
 エリート官僚の嫌らしさが本当に滲み出ていてグロテスクだわ。天皇への請願は内閣官房総務官室で受け付けて届けられると請願法にはあり,共産党は未だ天皇制を否定する日本人民共和国憲法草案を廃棄していないし民主主義革命から社会主義革命への二段階革命路線も捨てていない。天皇は国事行為をしない選択肢もあるということ。そもそも内閣総理大臣の任命については内閣の助言と承認が必要とは書いていない。皇室典範の定める皇室会議の議員は10名で,議長は内閣総理大臣,有権的解釈権者は衆議院議長でなく内閣法制局長官。最後に今上陛下への請願の送付先:〒100−8968東京都千代田区永田町1−6−1内閣官房総務官室:と書いてあって,経産省や電力マネーの専横を排斥する方法としては天皇陛下に縋るしかないという意味だ

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最終更新日 : 2015.02.28

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