2015/01/29
考え過ぎはいけない〜

「出版禁止」
〜長江俊和〜

『出版禁止』:長江俊和(ながえ としかず):2014年8月20日:\1800:新潮社:県立M高校図書館
 禁の字が鏡文字になっている
〜僕(長江)はある編集者から,雑誌未発表の原稿「カミュの刺客」を見せられ,それを出版することにした。「カミュの刺客」は若橋呉成というルポライターが7年前のドキュメント映画監督の心中事件を取り上げたもので,熊切敏の生き残った秘書兼愛人の新藤七緒がインタビューに応じたことから始まる。政治の暗部を描いた映画の線から,神湯堯の指令で殺害されたのではないか。新藤は「カミュの刺客」ではなかったのか。問い詰めていくと,警察が処理した筈のビデオ3巻を見せられ,熊切は神湯の実子であること・生き残っていることを後悔し,今も後を追うことばかり考えていると告白する。そんな状況の中,若橋は殺してくれと云う新藤の心に触れ,心中する男女の心情を彼女と暮らすことで明らかにしようとする。そこからは草稿だけ残されており,衰弱していく七緒と心中を決断して前回の心中の舞台となった山梨の貸別荘に行き,ビデオを回し,そして睡眠薬入りのワインを飲み,首だけになった七緒に語りかけていたのだ〜
 インターネットでは,ああでもない・こうでもないと謎解きがなされているようだ。アナグラムのワカハシクレナリは我は刺客なり,シンドウナナオは胴なし女だね‥いや,これ深読みする必要はないんじゃない。たしかに漢字に変換し忘れたかと思われる箇所や,誤変換を装った部分もあるけど,長江さんが秘密のない仕掛けを施したと考えれば良いわけで…。気が利いている表紙の写真,舞台となった貸別荘って設定だね

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最終更新日 : 2015.01.29

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