2015/01/2
ちょっと見直したけど〜

「離陸」
〜絲山秋子〜

『離陸』:絲山秋子(いとやま あきこ):2014年9月10日:\1750:文藝春秋:県立M高校図書館
 なんだ!長編書けるじゃないか!しかも群馬を抜け出してパリを舞台にして
〜僕,佐藤弘は東大を出て国交省に勤めているが,まだ越冬隊が存在していた時分に独立行政法人に出向し矢木沢で黒人の訪問者・イルベールを厳寒期に迎えた。女優探しの最中だという。女優とは大学時代に堀内の紹介で付き合った乃緒という女だが,息子を残して失踪しているのだという。友人のフェリックスもフランスの海外県カリブ海のマルティニークの出身だ。堀内から乃緒の情報を引き出す内に,国交省からユネスコ本部に出向という話が舞い込む。リュシーという電気技師と知り合い,ギョームという勤労学生とも友達になったが,乃緒の息子・仏造とも親しくなった。日本では震災が起こったが,15年下の眼に障害を持つ妹・茜は四日市からやってきて,物造ともイルベールとも親しくなった。イルベールは古物商から10ユーロで買い取った1950年代の書の謎を解けと佐藤に押しつけるが,それはローマ字書きした日本語を暗号化した「未来から来たと自称するマダム・アレゴリの記録」というサミュエルという人物が書いたもので,1930年代に乃緒はパリでユダヤ人をアメリカに逃がす仕事をエジプトから来てやってる様子だ。誰かに狙われているという不安を抱えたギョームが連続殺傷事件の4人の被害者になって,リシューは落ち込むが,やがて休暇を利用した日本旅行にも従った。帰国中,イルベールからの電話でギョームを殺害した犯人が,サミュエルという老古物商を殺して逮捕されたという。仏造を育てているイルベールの元の職業は陸軍の参謀で,結腸に癌が見つかって手術するという。仏造を預けたいという見通しは暗いの断った。佐藤は帰国し目黒の官舎でリュシーと暮らし始めるが,慣れない仕事にストレスが貯まる。熊本八代の国道事務所勤務では,リュシーが田舎暮らしにストレスを溜める中,イルベールが入院先で死亡したことを本人の手紙で知らされる。震災時から失恋が元で失踪していた須藤が会津からメールを寄越し,古川侘景という坊主に世話になっていたと妻が妊娠の報告をするため帰国する妻を送りに来た博多で聞いた佐藤は,実家のリュシーが急死した。自棄を起こして八代の飲み屋街を彷徨き,貞方乃緒を見掛けたが,次の連絡は衰弱して金しか認識できない入院先の病院からだった。盲学校の先生になる茜の点字だけに反応する。ブツゾウが母親に会うために来日して,福岡で逃げられたが,別ルートで五島の福江島で追いついた。ブツゾウのことはうっすら判るらしい…〜
 さてSF路線なのか,怪し話路線なのか,終盤まで判らない。予想は,考えても判らない怪しい不思議の物語。当たりかな? 過去形で書いているので,何時書いている想定かと思ったが2025年とは!! 珍しい単行本での後書きで彼女は「女スパイもの」「つくづく短編書き」って書いているが,この本って女スパイものだったの?

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最終更新日 : 2015.01.27

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