読書記録15116

『天翔る』：村山由佳（むらやま　ゆか）：2013年3月19日：\1600：講談社：県立Ｍ高校図書館

　母たる者の罪は大きいって事？

～まりもはパート先の雇われ店長と母が駆け落ちしてから祖父母・父と暮らしているが，父は長距離トラック運転手をやめてとび職になった。近所の友達の家が現場となり，父親のなりで喧嘩となったが，誰にも打ち明けられない。その父が足場から落ちて死んだ。学校へは行きたくない。そのとき声を掛けてきたのは東京出身で札幌で職を得た看護師の貴子だった。登校拒否だと知った貴子は自分が通う乗馬クラブ・シルバーランチに誘う。まりもは父と行った競馬場で馬を見て乗りたいと思っていたのだ。志度というオーナーは穏やかだが，相棒と思っていた人間に裏切られて酒に溺れ，家族に愛想を尽かされた経験を持つ。貴子が北海道に移ってきた理由は，母親が引き込んだ男にいたずらされたからで，男性と一緒になると気分が悪くなるが，志度だけは例外らしい。一代で芸能プロを大きくした漆原は，１００マイルを走るエンデュランスの為のアラビアン・ホースを飼育してほしい・まりもを専属の選手としてバック・アップすると申し出る。漆原は志度のかつての相棒・高岡とのトラブルを抱えていた。サイファを相棒にまりもはレースに出場する。本場のテヴィス・カップは馴れている馬が良いと漆原も現地スタッフも云うが，まりもは気心の知れたサイファで出場したいと云い，夢は実現し，意識朦朧となりながらも完走を果たす～

　女の子がプロ騎手になって重賞で勝っちゃった！！的な話かと思ったら…，ありそうで，やっぱり！ない！！的な話だった。アラビアンホースに乗ってという本は知っていたが，アラビアのロレンス頃の話かと考えて手を出さなかったが，このエンデュランスという人馬の耐久レースの話だったんだね。参考文献に載っていたわ。まりもも貴子も母親に裏切られて育って心に傷を負った…ってのは流石に男には書けないけど。母も一人の人間だから我を通したい時もあるよなぁ

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